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中学・高校受験:学びネット

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2020/11 塾ジャーナルより一部抜粋

すべての学習に、教養と哲学を。
探究型対話授業を推進して25年間
豊かな人生を歩むための場をつくる

     

知窓学舎 塾長
(株式会社スタディオアフタモード代表取締役CEO)
矢萩 邦彦 氏

広告宣伝費ゼロ。「知窓学舎」のオンライン講座には、口コミで日本中から子どもたちが集う。塾長・矢萩邦彦氏が行うのは、学校ではやらない、社会で使える学び。矢萩氏が好奇心を刺激するテーマを投げかけると、子どもたちの対話が溢れ出し「人間の能力ってスゴい!」と感動が生まれる。コロナ禍以後、学校や中学受験の学びの価値を問い直す保護者層が顕在化。矢萩氏は「数年先、中学受験界は今の形態をキープできなくなる」と予想する。本質的な学びのプロセスのなかで進路を自己決定できる人間を育てる、「知窓学舎」を率いる気鋭の教育者に迫る!

多彩なキャリア

 ジャーナリストでありキャリアコンサルタントでもある矢萩氏は、これまで5〜6000人の小中高生にアンケート調査を実施してきた。

 「学校の好きな所、嫌いな所」の項目で高校生に非常に多く見られる回答は、「勉強が自分にとって何の得があるのかわからない、学校に行く意味がわからない」だという。矢萩氏はどの生徒にも「学びには意義がある」と初めに丁寧に伝える。

 「知窓学舎」塾長・学習プログラムデザイナー・写真家・ミュージシャン・AIに関する共同研究など、パラレルキャリアの矢萩氏だからこそ、説得力を持つのは「コミュニケーション能力は、どの仕事でも絶対に役立つ」。人間が脳の視覚野と言語野を駆使して行うコミュニケーションの大切さ、言葉が社会で果たす機能など、その重要性を論理的かつ科学的に説明する。

 2014年に知窓学舎を創立する十数年前から、様々な場所で、多様な年代の参加者が対話する探究セミナーを主宰。発信してきたメッセージは、今の知窓学舎の授業と変わらない。

 「その場での学び、経験はすべて関係づけられる。いかに自分をアップデートし、オリジナリティを構築していくか。僕はその動線を引いてあげるんです。今日の学びを自分のやりたいことに生かすためにはどうしたらいいか――皆でフラットに議論する場に小学生や大学の先生がいたら、すごく面白いじゃないですか」

 当時のセミナーには、後に映画監督や写真家の道に進んだ参加者もいる。知窓学舎卒業生も、海外留学や大学院進学、医学系から芸術系と進路は多彩だ。小学生から就活まで関わる生徒も少なくない。進路指導では生徒の個性に合う先生、教育を行う学校とのマッチングを行う。

 「何をやりたいかわからない状態だった子が、好きなものを見つける瞬間がいちばん嬉しい。探究する時間そのものが豊かだし、生きている意味がある。ポジティブにも、人にも優しくなれる。豊かな人生を歩んで欲しいし、夢があるなら叶えて欲しい。その過程に受験があれば対応するよ、というスタンスです」

理想の教育

 現在、知窓学舎の横浜本校では「探究総合クラス」「中学受験講座」「大学受験講座」の定期講座、社会人対象の各種セミナー、今年からアート探究講座とリベラルアーツクラスがスタートした。講師陣は「教育以外にプロフェッショナリズムを持っている人」を、矢萩氏が様々な仕事現場で「一本釣り」して揃えてきた。

 「探究的に生きていない人が探究を教えられないのと同様、アーティスト、キュレーターとして一線で活躍する人がアートを教えるのが良いんです。現代のアートが何を発露し、表現しているのか、どう評価されているのか。現役アーティストだからこそ、この勉強が社会で何の役に立つか語れる。その人たちと話すだけでも僕は価値があると思います」

 知窓学舎の授業は対話中心のアクティブ・ラーニングを採り入れた少人数制授業だ。「発達段階は子どもによって違うので、そもそも学年割に無理がある」という考えのもと、対話能力、抽象的思考ができるレベル、生徒の相性に応じてクラスを形成。中学受験クラスにいろんな学年が混在する授業スタイルは、特に大手中学受験塾とは一線を画す。

 「最大の違いは対話量。クラス全員の興味関心を喚起するテーマを毎回提示します。全員に合わせてカリキュラムを変えますし、ほとんどの講師がメンバーに合わせて毎回テキストをつくります」

 そこまで個別最適化にこだわる理由を矢萩氏はこう語る。

 「その子がその場に居るだけで何かが変わる、変えるんです。『君がいるから僕はこの話をしようと思う』『君の意見を聞いて、僕はこう思った』と対話し存在を認める。自己肯定感が上がれば、教え込まなくても、やりたいことに向かって勝手に学んでいきます」

教育界は大変革期

 探究学習と受験指導を両立できる塾は少ない。阪神・淡路大震災、地下鉄サリン事件、Windows95 の登場など世相を揺るがす事象が続いた1995年、義務教育の行く末に危機感を感じた矢萩氏は受験業界に飛び込んだ。

 「自分が理想とする世界に変えられる可能性を考えた時、中学受験生に小学生のうちに出会って1年でも週1回でも対話する時間を持てたら何か変えられるのではないかと。それくらいしか自分ができる革命はないなと思ったんです」

 矢萩氏自身、中学受験後に不登校になった経験をもつ。受験というゴールを良きものと思い込みすぎて心を病む親子も散々見てきた。「探究」という言葉もまだない20年前から「探究型授業」を推進し てきたが、ここ2、3年で急激に広がりを見せ、探究の価値を認める風潮に変化した。そのキッカケを矢萩氏はこう分析する。

 「従来型の学びを続けても社会であまり役に立たないと皆が経験し始めたんです。今回の文科省の教育改革は経産省や社会の要請を受けての改革。社会に出て役立つ力を学校で身につけなければいけないと。最初から僕はそう考えていました」

 日本の公立校で教育以外のキャリアがある先生はわずか3%。今や大手塾も塾業界しか知らない講師たちが多数を占める。そういう人たちだけで進路指導を行うのは非常に問題がある、と矢萩氏。

 「学校でも塾でも、詰め込み型の教育を本気で『良い』と思っている人は多い。だから僕は受験にも学校にも関わる。教育業界の底上げをしたいんです」

 矢萩氏はいま複数の私学の教員たちと協働し、学習プログラムデザインやテスト作成に関わり、教育関係者向けの研修やセミナーに力を入れる。「教育業界に競合はいらない」というポリシーのもと、学校・教育産業・地域の垣根を超えた学びの場づくりを展開中だ。

 ようやく時代が自分に追いついた、という感じですか? と聞いてみた。

 「時代が開けてきた、という印象です。ずっと井の中の蛙だった教育業界の視野が、一気に広がった。縛りが少なく自由になった。思い描いてきた授業や生き方ができていると感じます」

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