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2020/1 塾ジャーナルより一部抜粋

教師道を磨こう in 京都 特別コラボ講演
ベテラン教師が語った足跡と教育のこれから

2019年11月3日(日・祝)
京都市生涯学習総合センター  主催:全国教育交流会・教師道を磨く会

 

 去る11月、講演会『教師道を磨こう in 京都』が開催され、多くの現役教師が参加した。講師は長年、生徒たちと深く関わり続けてきた2氏。立命館小学校教諭の小笹大道氏は「生活指導の神様」と言われる原田隆史氏の「教師塾」に学び、学校経営や部活指導で成果を上げてきた。また、中野敏治氏は公立中学校元校長で本誌に『辛口コラム』を連載中。社会人、教員、親の学びの場「あしがら学び塾」を主宰し、教育現場からの発言集「季刊やまびこ」を発行している。現場のさまざまな問題と向き合い、乗り越えてきた両氏の体験談に、参加者は熱心に耳を傾けた。

 

立命館小学校教諭 小笹 大道 氏 著書に「教師道を磨く『二人の師』から学んだ思いと実践」(PHP研究所)など

忘れ得ぬ同僚の激励
「死ね、は誉め言葉」

京都教師塾・京都山城便教会
小笹 大道 氏

 生徒指導を担当していた時、生徒に「小笹、死ね」と黒板に書かれたことがあります。グサッときますよね。自分のやっていることに価値があるのかと追い詰められました。その時、同僚の先輩がサッと来て、一緒に黒板を消してくれながら「お前、今どう思ってる?」と聞きました。私は「悔しいです。教師をやっていていいのかわかり教師道を磨こう in 京都 特別コラボ講演ません」と言ったんです。

 そうしたら「アホ。これは一所懸命やっている教師にしか与えられへん言葉や。お前が子どもらに真剣に関わって、アカンもんはアカンって伝えてるからや。子どもらは言葉を持っていないからこういう表現しかできないけど、これは子どもらからの誉め言葉やぞ」と言われました。

 「今やっていることを一生、続けろ。あの子ら最後に、ありがとうって絶対、言いに来るから」

 この人は宣教師かと思いました(笑)。でも、この言葉に救われました。

 卒業式の日、それを書いた子たちがやってきて「お世話になりました」ってビシッと揃って礼をされて、泣いてしまいました。あの時、心を砕かれて辞めていたら、こんな体験はできなかっただろうと思います。

 あの同僚に支えてもらえたので、こうしてお話しできます。だから今、同じ苦労をしている若い先生がいたら助けたい。不登校やいじめ、虐待に苦しんでいる子どもたちにも何かできたら「あの先生にしてもらったことを次の世代に託そう」と思ってくれるんじゃないか。それが「恩送り」じゃないかなと思うのです。

 若い先生には目標になる人を持ってほしい。「こんな教師になりたい」というモデルを見つけてほしい。職場にいなければ外の世界に出て行って、出会いを掴んでください。

元公立中学校校長 中野 敏治 氏 あしがら教師塾主宰、「季刊やまびこ」発行。著書に「一瞬で子どもの心をつかむ15人の教師!」(ごま書房新社)など

子どもの行動の奥にある
心に目を凝らして

やまびこ会 代表 中野 敏治 氏

 私たちは生徒を叱る時、行為を叱ってしまいます。けれど、子どもたちの心は一つじゃない。「今日は良い心が悪い心に負けてしまったんだね。これからは良い心を強くしよう」と言ってあげてほしい。現象だけを叱ると本人を否定してしまう可能性があります。

 私の体験談をお話しします。ある生徒が「上履きがなくなった」と職員室に言いに来ました。次の日も、その次の日も「なくなった」と言うのです。普通、いじめだと思いますよね。しかしいろいろ聞いてもわからなかったのです。

 翌週、なぜなくなったのかがわかったんです。その子がニコニコしながら登校してきて「昨日、お父さんと初めて上履きを買いに行った、嬉しかった」。その子は自分で上履きを隠していたんですね。父子家庭で、お父さんが朝早く仕事に出かけてしまう。寂しくて寂しくて、お父さんと一緒にいたかったんです。

 現象だけ見ていると子どもの本当の心が見えません。夜空を見つめていると最初は見えなかった暗い星が見えてきます。そういう気持ちで子どもの心を見てください。心で伝えて、心を育てなければ、結果だけを求めることになります。すると子どもたちは先生の見えるところでしか行動しなくなってしまう。だからこそ、目に見えないものを見つめ理解しなければと思います。

 講演後、講師と参加者の間で質疑応答の時間が設けられた。

【質問】中学教師です。年齢を重ねて役職が変わってきました。担任から離れて2年。来年度からは、より学校経営の方に携わってほしいと言われましたが、子どもたちと離れるのに迷いがあります。学校経営の楽しみ方をどのように見つけたらいいでしょうか。

小笹氏「20代、30代は子どもたちの近くで思う存分、やらせてもらいました。その一方で、上司に一緒に謝りに行って頂いたことが何回もあります。だから自分が楽しければいいという発想は捨てないといかん、今は若い先生が頑張っているのを支えるのが自分の役割、それがモチベーションだと思っています」

中野氏「仕事はできる人のところに集まってきます。学校経営ができる人と思われているから声をかけられるんだと思いますよ。私も管理職なんか嫌だったけど、校長になってみたら、やりたいことが思い切りやれました。12月に生徒たちとサンタの格好をして駅前のゴミ拾いをしたことがあります。3年続けたら行政が動き出して『年末はゴミ回収が休みだから役場に持ってきてください』と言ってくれました。後で怒られればいいと腹をくくれば、やりたいことはできます(笑)。結果が良ければ怒られないですよ」

 京都市で30年近く中学教師を務めているという参加者は「勉強を教えるだけでなく、もっと踏み込んだ生徒との関わりを求めたいと思い、参加しました。今日のお話を聞いて、学校という限られた施設と時間の中でも、工夫すれば感動的なことができるんだなと。想いをかたちにするヒントが得られました」と語った。

 また、来年度から大阪市の中学教師になるという女子大生は「教員採用試験に合格したことを恩師に報告しに行った時、今日の講演会のことを教えて頂きました。今日、その先生も来ていらっしゃいます。今日のお話は先生に教えてもらったことにつながります。こういう気持ちで私たちに接してくださっていたんだなと思いました。4月から頑張りたいと思います」と感想を述べた。

 講師と参加者の熱意が交わり、新たな意欲の芽生えを感じる講演会だった。

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