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中学・高校受験:学びネット

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2019/11 塾ジャーナルより一部抜粋

白山4校合同の中学新入試体験会
未来につながる新しい学びに
キミはこの夏、出会う

 

 4科・2科以外の新しいタイプの入試を導入している、京華中学校、京華女子中学校、東洋大学京北中学校、駒込中学校の4校合同企画による「新入試体験会」が8月31日、駒込中学校で開催された。夏休みの最終日、小学3~6年生とその保護者が、文京区内・白山を中心に集結しているこの4校の新しい試みを体験しようと集まった。

 

首都圏模試センター取締役・
教育研究所長
北 一成 氏

新タイプ入試の受験者数は
全体の2割にも

 体験会の冒頭には、首都圏模試センター取締役・教育研究所長の北一成氏による講演イベント「様変わりする中学入試と日本の教育・大学入試」が行われた。

 「中学入試は今、新しいタイプの入試が増え、多様化が進んでいます。このことはつまり、自分の強みや素質、意欲を見てもらえる入試が増えてきたということです。こうした新タイプ入試の受験者数は、首都圏全体の中学受験者数15%~20%にも達していると思われます。東京大学教育学部附属中等教育学校や東京学芸大学附属国際中等教育学校など、国立大学附属中学でも適性検査の導入が進み、2021年度からはお茶の水女子大学附属中学校でも導入されます。

 国連が掲げる『SDGs(持続可能な開発目標)』の目標達成年度は2030年です。この年はまさにお子さんたちが社会に出る時期と重なります。実は、SDGsに関する問題は公立中高一貫校の適性検査で数多く出題されています。それは今後の大学入試でも同じことが言えます。中学受験で新しいタイプの入試に挑戦することは、将来の社会で求められる力に繋がっているのです」と北氏は語った。

「大人って何?」を
みんなで話し合い

 体験が行われたのは、京華「適性検査(国語系・算数系・理科系・社会系)」、京華女子「適性検査(社会系)」、駒込「STEM」「自己表現」、東洋大学京北「『哲学教育』思考・表現力入試」の入試。

 京華の適性検査の国語では、町田英幸校長自らが問題への取り組み方を解説した。適性検査型では評論がよく出題されるが、「なかでも多いのは、前に書かれた文章に対して、対立した意見を述べる評論文です」と町田校長。参加した小学生は真剣な表情で町田校長の板書を書き写し、過去問に取り組んでいた。

 京華女子の「適性検査(社会系)」では、名探偵になった気分で資料を読み解く謎解きが行われた。参加した小学生は、先生の自己紹介文を元に、様々な場所で撮影された写真を時系列に並べ換えるゲームに挑戦。楽しみながら資料を読み解くヒントを教えてもらっていた。

 大人気だったのは駒込の「STEM」入試。プログラミング学習用ソフト「スクラッチ」を使い、猫のキャラクターを三角形の線上に動かすプログラムをつくる体験をした。2回の体験に40名近い親子が参加。「面白い」「つい夢中になってしまった」と言った声も多く聞かれた。

 東洋大学京北中学校の「『哲学教育』思考・表現力入試」では、テーマ「おとな こども」に沿って、輪になって座り、話し合いを行った。「20歳になったら、大人になれるの?」という問いに、先生からは「本当になれると思う?」「そもそも、なぜ20歳なんだろう」と質問が投げかけられる。子どもたちは考え込みながらも、しっかりと自分の意見を伝えていた。

4校の校長先生から
メッセージ

 体験会が終わった後には、4校の校長から15分ずつ小学生と保護者にメッセージが送られた。

 京華中学校の町田英幸校長は、「これから君たちが社会に出る10年後の社会は未知の世界です。やりたいことを突き詰めていける力がなければ成功しない時代がやってきます。京華では一人ひとりが好きなことを見つけて、一生懸命取り組める環境を用意しています。もちろん学習面でも充実したバックアップで、一度も塾に行かないで早稲田や一橋に行った生徒等、たくさんの生徒がいます。今日の体験をキッカケにぜひ本校に来てください」と呼びかけた。

 京華女子中学校の塩谷耕校長は「本校では平成29年度から適性検査型入試を始めました。公立中高一貫校の併願校として多くの受験生が受験しています。その理由として『京華女子は英語や体験型授業が充実』『指定校推薦が多い』などといった声が寄せられています。来年からは英検利用入試も始まります。これは英検準2級なら90点、3級なら70点という風に英検資格を点数化し、入試当日は英語の試験は行いません。加えて国語か算数の1科目試験と面接で判定します。適性検査型も英検利用入試も特待制度がありますので、ぜひチャレンジしてみてください」と話した。

 東洋大学京北中学校の石坂康倫校長からは、混沌とした時代に何が必要か、石坂校長の思いが語られた。

 「本学の建学の理念は『諸学の基礎は哲学にあり』です。これは、どの学問の基礎も哲学にあるという意味です。哲学とは『生き方を追求する学問』であり、『真理を探究する学問』であり、『考える力を身に着ける学問』です。保護者の方はきっと、お子さんに幸せになってほしいと願っているでしょう。本校でも、社会に貢献し、生きがいや喜びを感じ、幸せを実感できる生き方を生徒たちにしてほしいと考えています。これからも豊かな心と教養を持った国際人を育てていきたいと思っています」

 最後を締めくくったのは、駒込中学の河合孝允校長。「これからは一芸に秀でた子どもたちが21世紀のリーダーになります。優等生はいらないのです。これからの学びがどう変わっていくのか。大人である私たちは、どういう価値観を子どもたちに与えなくてはいけないかが今、問われています。本日、京華、京華女子、東洋大学京北、駒込の4校がこのような体験会を開催したのは、そのような意味があると考えています。3年間、もしくは6年間の大切な時間を私たちに任せていただければ幸いです」

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