理論的思考力を養う数学、英語長文を
読みこなせる文法力を徹底指導
名古屋市に隣接する愛知県日進市。地下鉄・私鉄の交通アクセスが良く、県都・名古屋市や自動車産業の盛んな豊田市への通勤・通学が便利なベッドタウンとして発展してきた。
この街の主要駅、地下鉄・赤池駅の駅前に算数・数学ULPS(アルプス)・ことばの学校赤池校がある。少人数個別指導で、ULPSでは高校生の数学・英語・国語と大学受験指導、併設することばの学校赤池校では小中学生の国語・算数・英語と高校受験指導を行っている。
高校クラスの生徒の学力レベルはさまざまで、上位校から医学部を目指す生徒から中堅から下位高校の生徒までが在籍する。生徒の状況により各高校の準拠指導も行い、遅くとも高3の春からは受験対策に絞り込む。
開校当初は「高校数学徹底指導」を掲げてスタートしただけに、数学指導には自信と実績がある。必要な生徒には基礎の復習から始め、センター試験で80点以上得点させることを目標にしている。
「数学を学ぶ目的は、ものごとを論理的に考え、思考を積み上げていく力を養うこと。それは文系・理系を問わず求められる能力です。数学の学習を通して、生きていくために必要な力を身に着けてほしいのです」と、塾長の木戸正氏は話す。
英語は文法重視の指導、語彙数を増やすための毎週の単語テスト、そしてオーディオ教材を使っての多聴多読で長文を読みこなす力をつける。
「英語嫌いにさせないためか、現在の中学の教科書は体系的に英文法を学べる内容ではありません。しかし受験英語の長文読解は文の要素(主語・動詞・補語・目的語)とそれ以外(修飾部)を見分けて、文の構成を掴むことが大切です。
単語を正確に読み取り、構文を把握するために語彙力と文法理解を鍛えます」単語テストは高校指定の問題集やキクタンに準拠したオリジナル問題を作成して実施している。授業では正しい発音とアクセントにも注目させている。「正しく読めれば正しく綴れるし、忘れない」が信条だ。
●指導のポイント
塾生の学力レベルはさまざま。個別指導で学び直しから医学部受験までフォローする。数学は文系志望者にも基本事項から徹底指導している。
国語・英語の多読、聴読で
言語能力を伸ばす、ことばの学校
ことばの学校赤池校は夫人の木戸美佐子さんが11年前に開校した。国語・英語の良書の朗読音声を聴きながら黙読するシステム「読むとくアプリ」を使い、集中力・読解力・ヒアリング力を伸ばす。児童書、古典文学、著名人の名演説など多彩な教材を揃える。
また、漢字検定や語彙・読解力検定へのチャレンジを積極的に応援。言語能力を高めることで考える力を鍛錬する。
美佐子さんはアルプスジュニアの中学生の高校受験指導や、ULPS本科生の高校国語、小論文指導なども担当。塾OBの就活エントリーシートの書き方を指南することもある。面倒見の良い、アットホームな雰囲気だ。塾生は授業がない日も塾に来て、自習や読書をすることができる。
「今の子どもたちはLINEメッセージが来たら、すぐ返信しないと仲間外れにされるので片時もスマホを手放せません。それなら毎日、ここに来て『塾ではスマホ禁止だから』と言って、塾を悪者にしなさいと言っているんです。集中できる環境をつくってあげるのも私たちの役割です」
●指導のポイント
朗読音声を聴きながら読む、ことばの学校メソッドで読解力・理解力を培う
合格の先にある将来を
見据えた進学指導を
木戸塾長の学習指導歴は40年以上。高校時代から近所の小中学生の家庭教師を引き受けていた。補習塾や受験予備校を経て、愛知・岐阜に展開する大手、名進研の立ち上げから参画し、20年間、授業だけでなくカリキュラム・テキストの作成、模試の作問、講師の育成にも携わった。独立、開校したきっかけは長女の大学受験だった。
「大手予備校は難関大学や医歯薬学部に合格するためのクラスは充実していますが、長女が通っていたような中堅高校の生徒のための受験学習の場がありませんでした。経験を生かし、見落とされてきたニーズに応えたいと開校しました」
受験テクニックと合格率ばかり追求してきた反省もあった。「学ぶことは本来、楽しいことであるはず。そして合格はゴールでなく、新しい学びのスタートです。どの学校で何を学ぶのかを自分で選択できる力をつけてあげたいと思っています」
高1からオープンキャンパスに行くように勧めて「この分野を学びたいから、あの大学に入りたい」という目標を持たせる。また、社会人入学やキャリアアップのために学び直したい大人も受け入れている。
「講師は私と家内だけ。規模を拡大するつもりはありません。それぞれの将来像を実現できるよう、一人ひとりを丁寧に教えることで地域に貢献できればと思っています」
●運営のポイント
集団指導や教室展開はしない。受験の先にある、それぞれの将来をかなえるために丁寧な個別指導に専心する
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