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2019/7 塾ジャーナルより一部抜粋

半世紀以上にわたり受験生を支えてきた模擬テスト
入試で問われる学力の変化を追求していく

     

株式会社五ツ木書房
代表取締役社長 池上 佳嗣さん

関西圏で知らない人はいない五ツ木の模擬テスト。中学入試・高校入試の学力判定や志望校選びに活用している受験生は多い。その模擬テストを作成・運用しているのが株式会社五ツ木書房である。1956年(昭和31年)の設立以来、60年以上にわたって教育事業に携わってきた専門企業。この春、池上佳嗣氏が社長に就任し、新たなスタートを切った。大学入試改革や学習指導要領が大きく変わりつつある今、同社の現状や今後の展開をじっくりインタビューした。

近畿圏最大規模の模擬テスト
志望校での受験も可能

――社長ご就任おめでとうございます。

池上 ありがとうございます。私は昭和62年の入社で、今年33年目を迎えます。5年前に取締役になり、2年前に専務に就任しました。このたびは取締役会からの指名を受け、社長に就任することになりました。現在、弊社の事業は、模擬テストと学校教材が二本柱となっています。おかげさまで両者とも安定した経営状態でして、これからも一層充実をはかり発展させていきたいと考えています。

――模擬テストの現状を教えてください。

池上 昭和35年に、中1・2生対象の学力テスト会を始めました。それを皮切りに、中3生、小学生と対象を広げ、現在は五ツ木・駸々堂中学進学学力テスト会(小5、6対象)、五ツ木のテスト会(中学生対象)、五ツ木・京都模擬テスト会(京都の中3対象)の3つのテストを運営しています。

 小学生対象のテスト会は年に7回開催しており、年間3万6000人の生徒が参加しています。私立中学を志望する受験生の約55%にあたる数でして、近畿圏では最大規模の模擬テストになっています。中3生対象のテスト会は年に8回、こちらは17万人近い受験生を集めています。また、中1・2生対象の学力を見るテスト会も年に2回開催しています。

――年間スケジュールに「特別回」とあります。

池上 毎年、五ツ木・駸々堂中学進学学力テスト会では第5回と第6回のあいだのテストを特別回として、志望校で受験できるようにしています。本番さながらの環境で模擬テストを受けられると評価いただいて、昨年は95校にご参加いただきました。テストだけでなく、個別相談会を開催したり、学校案内や願書、過去問を配布される学校が多く、中学校にとっても生徒募集に役立つと喜んでいただいています。また、高校受験も第7回を特別回にしています。学校を会場としてお借りしていますが、運営は弊社の社員が担当しています。

強みは問題の精度の高さ
3世代で受験する家族も

――問題作成は大変だと思いますが、どうされているのですか?

池上 問題作成は、教科ごとに専門的に作成しています。入試が終わると試験問題を取り寄せて分析し、傾向を把握します。それを踏まえて弊社の編集部で協議を重ね、次年度の模擬テストを作成していきます。60年以上続くなかで、入試で問われる学力を真摯に追求し続けています。五ツ木模試の強みは、精度の高さもありますが、入試に向かう受験生が学力を上げ、入試を知り、志望校を決めるための有効なツールになっている点にもあると自負しています。

――模擬テストの中身は、志望校ごとに違うのでしょうか。

池上 いえ、1種類です。超難関校から普通校まで志望するすべての受験生が、同じテストを受けます。というのも、模擬テストは「ひとつの物差し」として活用してもらいたいからです。自分の学力を知った上で、志望校選定の材料にしていただきたい。ですので、一つのテストの中に基礎から発展、応用問題、学力上位者同士のわずかな差を計り取る難易度の高い問題まで、弊社独自のバランスで配しています。これらの問題を解き直して身につけることで力がつく良問だという評価もいただいています。

 ある程度の時期までは模擬テストを受けて志望校を決め、受験前の最終段階になると個々の志望校の問題対策へと移るケースが多いです。

 受験生だけでなく、学校や塾にも模擬テストの成績を目安として活用していただいています。例えば、「このコースを狙うなら、五ツ木模試でこのくらいの成績を目指してください」とか「特待生として求めるのは、五ツ木模試でこのくらいの成績を取る力のある方です」と、客観的な物差しとしてもらっているのです。最終的な基準は入試の成績ですが、その前の時期の目安としてご活用いただいています。学校や塾からご信頼いただいていることは、何より弊社の財産だと思っています。

詳細な個人成績表で
すべての受験生を応援

――テスト結果は個人成績表で通知するそうですが、非常に詳細ですね。

池上 高校受験の場合、1回につき4ページの個人成績表を送っています。まず5教科の得点と全体の平均点、それに対する偏差値と順位をお知らせします。そして志望校別の合格可能性をAからEまでの段階で判定しています。現在地から目指してもらうために「Bまであと何点」「Aまであと何点」も出しています。各教科の解答用紙をスキャンして掲載しており、採点結果から、今後どこに着目して勉強をしていけばよいかを詳しくアドバイスしています。

 また、問題の項目別の得点率を出して「第1志望校合格レベル」と比較を示し、個々の生徒に苦手を伝えることで、今後の学習の参考にしてもらっています。この個人成績表は9年前に始めましたが、実は私自身がリードして開発、実現させたものです。

――そうなんですね。でも、数万人の受験生に送るのは大変では。

池上 弊社で開発したシステムで成績処理していますので、個々に作成するほどの手間はかかっていません。

 以前、塾へ模擬テストの営業に回っていたことがあります。大きな母集団による公平で客観的な指針を届けられることと、私立高校の会場で受験してもらうので、本番さながらにいつもと違う知らない人たちと知らない場所で実力を発揮する経験を積むメリットを感じてもらっていました。これは今も変わりません。ずっと私ども自身の手で会場運営し、成績の信頼性につながる適正な試験環境を保つことに心を配っています。

――京都は独自のテスト会を開催されています。

池上 京都の北大路書房という出版社が50年ほど模擬テストを行っていましたが、事業譲渡の話があり弊社が継ぎました。京都の公立高校入試は一度の受験で複数校の合否が判定されることがあるために形式が他府県とは違います。京都独自の問題で公立私立とも判定できるテスト会を開催しています。

教育が変わりゆく時代に
柔軟に対応していきたい

――大学入試制度や学習指導要領が変わりつつあります。

池上 大学入試が変われば、早晩、中学・高校入試も変わります。この点は常に状況を注視しています。微細な変化を見逃すことなく、先を読める体制を整えたいと考えています。昨今増えている私立中学校の英語入試はまだ一部の学校が実施しているに過ぎませんが、今後はおそらく変化していきます。その時にどうアプローチするか、常にアンテナの感度を高めるよう努めています。

――少子化の影響で生徒募集に苦戦する学校もありますが。

池上 子どもが減っているのは事実ですが、おかげさまでかなり多くの受験生に模擬テストを利用してもらっています。1回だけではなく、何度も受験して成績の推移を見た上で志望校を選ぶ生徒が増えています。年ごとに多少の変動はありますが、少子化でありながら安定した経営を続けています。

――出版事業はいかがですか。

池上 学校直販教材で、教科書の内容理解を時期ごとに確かめる教科書評価教材、夏休みや冬休み用、入試対策用の教材などを出版・販売しています。一般の流通ルートではなく、おもに全国図書教材協議会に加盟している販売代理店を通じて、全国の中学校に届けています。創業当初、こういった教材の出版・販売から始めました。こちらも経営状態は良好で、安定しています。

――今後の抱負をお聞かせください。

池上 模擬テストと学校教材という二本柱をさらに充実させていきたいと考えています。私どもは高校入試、中学入試で問われる学力を真摯に追い、問題を作る力を高めてきました。計るだけにとどめず、学力の伸長にも生かしてもらえるよう努めてきました。そうした私どもの強みをさらに磨き、創立者の「誠実に、謙虚に、一生懸命に」の心を仕事に込めながら、学校や塾、生徒や保護者の皆様により広くより深く貢献できる事業にしていきたいと考えています。

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