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中学・高校受験:学びネット

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2018/11 塾ジャーナルより一部抜粋

新学力の評価軸「思考コード」で
受験生の多様な資質を導き出す

     

株式会社 首都圏中学模試センター
取締役 教務情報部長 北 一成さん

中学受験の四大模試の1つ「首都圏模試(通称: しゅともし)」。毎年1万3000人もの受験生が利 用する、首都圏最大規模の模試だ。  教務情報部長の北一成氏は首都圏模試に入る前の 28年間、日能研本部の入試・学校情報と出版の部署 に在籍し、中学受験情報誌「進学レーダー」の編集 長も務めるなど、長年にわたり中学受験の最前線に 立ってきた。そんな北氏に新しい学力の評価軸「思 考コード」導入の狙いや、中学入試の動向について インタビューした。

首都圏の私立中学
全300校の合否を判定

 ――首都圏模試の概要を教えてく ださい。

北 首都圏模試が誕生したのは1 990年、今から2 8年前のことで す。1985年以降、首都圏では 日能研模試の受験者が増え、四谷 大塚模試の受験者と肩を並べるよ うになりました。こうした特定の 塾が主催する模試に対して、その 他の塾から中立的な模試を求める 声が高まったことから首都圏模試 は生まれました。

 現在、首都圏模試では、2科4 科目受験の小5・6の「統一合 判」と「最難関模試」。小5・6 の適性検査型「公立中高一貫校模 試」、そしてこれから中学受験を 考えている子どもを対象にした小 3・4・5の「中学受験スタート 模試」を実施しています。中でも 統一合判は、小6の1 2月の模試で は1万3000人以上が受験する、 首都圏では最大級の規模の模試と なっています。

――首都圏模試の特徴は何でしょ う。

北 他の四大模試(サピックス、 四谷大塚、日能研)と比べると、 上位層の生徒というよりもボ リュームゾーン。いわゆる普通の 受験生が受験している模試と言え ると思います。また、特定の塾の カリキュラムに則ったものではな いので、どんなタイプの塾の生徒 も受けやすいと自負しています。 首都圏の私立中学300校全ての 合否判定をしているのも、首都圏 模試だけです。

――公立中高一貫校模試を始めた のは、いつからでしょう。

北 2015年からです。実は、 それ以前から適性検査型の模試を 実施してほしいというリクエスト はかなりありました。しかし、首 都圏模試は私立とその受験生を応 援するという主旨で運営されてい ましたので、実施に踏み切るまで には試行錯誤がありました。とは いえ、中学受験において公立中高 一貫校の存在は大きくなっていま したから、そうした受験生にも、 私学の良さを伝えていこうという ことで模試を始めました。現在は 毎年3000人ほどの受験生が受 けてくれています。

――統一合判と公立中高一貫校模 試では、受験者層は重なっていま すか?

北 両方受験しているのは2 0%ほ どだと思います。ですので、公立中高一貫校模試は完全に新しい市 場です。この模試は記述型の問題 が多いのが特徴ですが、従来型の 中学受験の勉強をしていない受験 生でもしっかり記述できる受験生 が多いことが、答案を通して分 かってきました。従来の私立受験 の勉強をしている子どもたちと、 ちょっと勉強の仕方が違う素質を 持った子どもたちがいると感じて います。

 私学でも適性検査型(思考力 型)入試を実施する学校が増え続 けています。2018年は136 校、延べ応募者数は1万1000 人台に上りました。来春はそれ以 上になると予想しています。

――公立中高一貫校模試では、ど のように合否を判定しています か?

北 今までの統一合判と同様、偏 差値が基準になっていますが、記 述問題の比重がとても大きいので、 新たに「思考コード」というもの を開発し、それを評価の指標にし ています。これは公立中高一貫校 模試だけでなく、全ての模試に取 り入れています。本格的に導入を 始めたのは昨年からです。

――思考コードとはどのようなも のなのでしょうか。

北 横軸をA「知識・理解思考」、 B「論理的思考」、C「創造的思考」 の3 つ、縦軸を1「単純」、2 「複雑」、3「変容」に分け、合計 9つの領域に学力を分類していま す(表1参照)。そして、それぞ れの領域における偏差値を出して います。また、模試の種類によっ て判定する領域は異なります(表 2参照)。

 表1に偏差値が出ている受験生 はB2の記述問題はパーフェクト でしたが、A2の知識を問う問題 ができていませんでした。全体の 偏差値は4 8の生徒ですが、実は表 現力に優れていることがわかりま す。このようなタイプの受験生は、 知識さえ身に付ければ非常に伸び る素質を持っていると思います。

 すでに統一合判の解答には、各 問題に対してどの領域の問題か 「B1」や「A2」など明記して 解説しています。同時に、問題に 取り組むことによって身に付けて ほしい1 0の「思考スキル」(表3 参照)も一緒に示しています。今 の時点では創造的な思考力の部分 が弱くても、問題を解くためにこ ういうスキルを付けたらいいよ、 という指針になるものです。

受験生の二極化が加速
英語入試はさらに増加

――受験生の動向について、教え てください。

北 業界の皆さんはすでに感じているとは思いますが、受験生は 「二極化」しています。サピック スや早稲田アカデミー、四谷大塚 などに通い、私立中学受験に必要 な学力を付け、難関校にチャレン ジする受験生の数はあまり減って いません。

 一方、難関校を狙うゾーンから の下の通塾生は減っています。今 の保護者や小学生には、4年生か ら塾に通って中学受験に備えよう とは思わず、習い事の方に重点を 置く傾向が強まっているからです。 中学入試の受験者数はここ数年上 向きになってきましたが、4科の 受験生は減っています。受験者数 を増やしているのは、「新しいタ イプの入試(適性検査型、思考力、 英語入試など)」(表4参照)です。 そして、こうした入試を受けてい るのは、習い事を一生懸命やって きた子どもたちです。今の小学生 の保護者には新しい価値観や教育 観が広がっています。

 習い事を優先し、あえて塾通い や私立中学受験を選ばない家庭も 増えています(表5参照)。よく 私立中学を受験しないのは「経済 的な理由」という方も多いですが、 そうした理由もある一方、塾に通 わせるのと同じくらい習い事にお 金をかけているケースも多くあり ます。そうした子どもたちが「や はり私立中学を受けようか」と考 えた時、新しいタイプの入試で受 験しているのです。

――英語入試を実施する学校も随 分増えました。

北 首都圏では2018年に英語 入試を実施した学校は112校。 志願者は1000名以上にもなり ました。英検3〜4級を持ってい る受験生が多かったようですが、 実際に合格するのはほぼ3級以上 の英語力を持つ受験生だと思われ ます。

 一方、英会話教室に通っていて、 英検を受けていない子どもも増え ています。そうした受験生はペー パー入試ではない、会話とスピー チのみという英語入試を受けてい るようです。

 英語入試も二極化が進み、中学 受験塾には通っていなくても英検 2級、凖1級を持っているような 生徒が入学するケースも出ていま す。小学生の段階でそのような級 を持っている子は、他の教科を勉 強していなくても地頭はとても良 いのです。実際、そのような英語 ができる生徒が大学進学実績を上 げている例も出てきています。そ れがわかってきたので、英語入試 を実施する学校が増えてきたのだ と思います。

 来年から慶應湘南藤沢が英語入 試を新設します。レベルは英検2 級から凖1級と明示しています。 これがキッカケとなり、他の難関 校も実施するようになり、英語入 試はさらに加速するのではと思っ ています。

――首都圏模試では、英語入試の 模試を実施しないのですか?

北 そうですね。ここまで増えた ので、英語の模試をやらざるを得 ないだろう、と研究中です。

新しいタイプの入試で 塾選びの傾向が変わる?

――従来からの「2科4科」、「適 性検査型」の他にも、「自己PR 型」「グループワーク型」など、 様々な種類の入試が生まれていま す。この状況はどうなっていくと 考えていますか?

北 首都圏模試では、今の状況を とても歓迎しています。今まで2 科・4科の入試では評価されな かった子どもの資質や才能を見出 すことができるからです。保護者 や受験生も歓迎していると思いま す。これからボーダレス化・グ ローバル化が加速する世界で、子 どもたちにどういう力を持たせて あげたいかを考えたら、保護者た ちが新しいタイプの入試に移行し ていくのは当然でしょう。

 一方で、従来型の受験指導をし てきた塾の中には、新しいタイプ の入試に対応し切れていない塾も あると思います。もちろん、従来 型の競争スタイルが残るとは思い ますが、英才教育からの思考力講 座やプログラミング講座を取り入 れているような新感覚の塾へと、 受験生の流れが変わっていく可能 性も考えられます。

 先ほどの思考コード(表1)に ついては、受験業界外の人からの 問い合わせが増えています。例え ば日本青年会議所のような、これ からの人材育成や事業創造を考え ている団体です。今では勤勉な社 員が求められてきましたが、これ から先、創造的思考力がなければ、 新しいサービスは生み出せません。 思考コードがそうした評価の指針 にならないかと考えているようで す。

 今の日本の教育者の中には、思 考コードでいうところの基礎がな ければ、創造的な思考はできない、という考えが根強く残っているよ うに感じます。しかし、最初から 創造性を持った子どもは存在する のです。知識はなくても興味を持 ち、自ら考え、仲間と話し合うこ とを体験する中で知識を吸収して いこうとする。こうした学びの手 法はすでに生まれていると私は思 います。

知られざる私学の良さを 伝えていきたい

――ホームページもリニューアル されました。

北 はい。5年ほど前にリニュー アルをしました。私が首都圏模試 に入社したタイミングとほぼ同じ ですが、長く務めてこられた社長 の樋口義人氏と事務局長の新井隆 志氏が退任され、世代交代をした 時期に刷新しました。

 ホームページでは、学校の情報 や入試情報を見やすく届けること を心がけています。今、模試の申 し込みの半分以上はスマホからで す。1 0年前は大手塾からの模試の 申し込みが6割を占めていました が、今は逆転して個別指導や個人 単位の申し込みが6割に達してい ます。今の保護者や受験生の傾向 として、塾からの情報に頼るので はなく、自分たちで情報を集めて、 模試の結果も検討したいと考える 家庭が増えているように感じます。 アクセス数も以前に比べて非常に 増えていますね。

――今後の展望をお聞かせくださ い。

北 今、教育の世界では、個性を 尊重する考え方が広まっています。 私たちも生徒一人一人にカスタマ イズし、最適化された成績表や教 材を作っていけたらと思っていま す。

 現在の中学受験指導は、同じカ リキュラム、オールインワンパッ ケージの教材が主流です。しかし、 その子の志望校にあったカリキュ ラムが組めれば、費用的にも時間 的にも子どもたちと保護者の負担 が減ると考えられます。英会話や 音楽、スポーツなどの習い事を辞 めないで、しっかり力をつけられ る学びができてくると思います。

 あとは新しい学びのスタイルの 学校を積極的に紹介していきたい と考えています。現在は名の知ら れた難関校に何名合格したかが、 塾の評価に結びついてしまってい ますが、実はそうした学校以外で 世界標準の教育をしている学校も 増えています。そうした学校の良 さを伝えていきたいですね。

――本日はありがとうございまし た。

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