入学から卒業まで
「自学自習」を支える
長尾谷高等学校は、大阪府内で8校しかない大阪府認可の私立通信制高校である。
竹中均校長は、「校舎や教職員数、教育課程など大阪府は全国でも厳しい基準を設けています」と話す。
認可校という安心感に加え、経済的なメリットもある。国からの就学支援金の他に、条件を満たせば大阪府から補助金も支給されるからだ。
通信制・単位制高校は、登校日や履修科目、学習スタイルを自由に選択できる。生徒は、レポートとスクーリング、単位認定試験により卒業に必要な74単位を修得する。「自学自習」が基本だ。
同校では「自学自習」をサポートするために、様々な取り組みを行っている。
入学と同時にチューターがつき、生徒のレポート提出やスクーリング出席の状況などを把握。必要に応じて生徒や保護者に連絡し、場合によっては面談を行う。
また、生徒が履修しやすいように多くの授業を設定している。授業コマ数は、科目によっては必要単位(時間)の5〜10倍にも上る。生徒は、そのなかから自分のスケジュールに合わせて受講できる。もちろん毎回受講も可能だ。
「できるだけ教員と、あるいは生徒同士のふれ合いを大切にしたい」と竹中校長。
そのため年間を通じて多彩な特別活動を実施。観劇やスケート実習、修学旅行などに多くの生徒が参加し、交流を深めている。
一人ひとりを応援する
「人才育成プログラム」
入学してくる生徒の学力や進路目標は実に様々だ。なかにはプロゴルファーやレーサーをめざす者もいる。そんな生徒たちのニーズに応えるために誕生したのが「人才(才能)育成プログラム」である。
そのなかの「新入生バックアップシステム」は全校で実施している。中学校で不登校や別室登校を経験した生徒が、スムーズに高校生活をスタートできるようにクラス制を導入。「無理せずゆっくり確実に」をモットーに、担任がきめ細かくサポートする。 |
難関大学進学をめざす生徒のためのプログラムもある。梅田校では「クラス・ブルーオーシャン」と名付けた校内塾。予備校や塾講師による本格的な受験指導を、通常より低料金で受けられる。京都校では、ハイレベルの単位認定講座や有名進学塾との連携講座を設定。ここから京大など超難関国立大に合格者をだしている。
その他、海外語学スクーリングや簿記・色彩検定などの資格取得講座、公務員受験対策講座も開講している。
時代の流れとともに社会の価値観が多様化し、通信制高校の社会的役割も変化してきた。そのなかで25年の実績を持ち、確かな教育システムを築いてきた長尾谷高等学校の存在意義は大きい。
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