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中学・高校受験:学びネット

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成城中学校・高等学校

 
  伝統の男子教育とグローバル教育の両輪で
次世代の人間力あるリーダーを育成
平成27年に130周年を迎えた成城中学校・高等学校。創立当初から文武両道を掲げ、国家や社会に貢献できる、知徳の優れた男子の育成を続けている伝統校だ。2013年の栗原卯田子校長着任以来、カリフォルニア大学の大学生と作り上げる「エンパワーメント・プログラム」を筆頭にグローバル教育を導入。新しい風を吹き込むと同時に、男同士の環境で長い時間かけて築かれた「Hidden curriculum(隠された教育)」に誇りを持ち、人間力の高いリーダー教育を目指している。

校 長: 栗原 卯田子
住 所: 〒162-8670 東京都新宿区原町3-87
電 話: 03-3341-6141
交 通: 都営大江戸線「牛込柳町」駅西口より徒歩1分
学生数: 中学校 833名
高等学校 797名 (2015.5.1現在)
ホームページ: http://www.seijogakko.ed.jp

 

海外エリート大学生と学び
「自分とは何か」を探る

 都立屈指の人気校である都立小石川中等教育学校から成城中学校・高等学校へ。明治18(1885)年創立の伝統男子校に栗原卯田子校長が着任したのは2013年4月のこと。

 着任後すぐに取り組んだのは、グローバル教育だ。その年の8月には「エンパワーメント・プログラム」をスタート。同校にカリフォルニア大学の学生を呼び、中3生から高2生の希望者を対象に、夏休みの5日間、1日6時間英語のみで、さまざまなテーマについて議論・企画・発表を行うというものだ。

 成城生5人のグループに大学生(大学院生)が1人入り、「私のアイデンティティ」や「リーダーシップ」についてディスカッションしていく。参加しやすいよう、英語のレベルに合わせて「基礎編」「発展編」「リピーター編」の3つにカリキュラムに分かれている。

 「このプログラムの目的は自己の確立です。単に英語力の向上を目指すだけのものではなく、『自分とは何か』という生き方の本質を問うことで、今の日本の若者を変えたいという目的が根底にあります」と栗原校長は話す。

 このプログラムを始めたことで、生徒の意識や行動が目覚ましく変化した。まず、参加生徒の9割が「将来、海外で学びたい」と希望するようになり、国際教養大学や上智大学、ICUへの進学者が増えた。医学系を志望する生徒の中にもグローバル志向の大学を目指す者が増加している。

 さらに実際に大学を見てみたいと、自分たちで計画を立て、カリフォルニア大学を訪問する生徒も出てきた。自分のやりたいことを海外に求める意識が着実に芽生えている。

火が点いたら男子は伸びる
台湾・オーストラリア研修も

 このプログラムに参加していない生徒でも、カリフォルニア大学を訪問した生徒がいた。プログラム期間中、同大の大学生は成城生の家庭にホームステイ。その際に、参加していない生徒もホストファミリー宅に集まることが多く、プログラム以外で交流していた。

 その生徒の高1時の英語の偏差値は40台。部活に打ち込んでおり、勉強で目立つタイプの生徒ではなかった。しかし「未知の世界が見てみたい」と渡米した後は目の色が変わった。猛勉強を始め、高3の英語の偏差値は70超。慶応義塾大学に進学後はパリ政治学院にも短期留学を果たすなど、教員も保護者も想像もつかないほどの大変身を遂げた。

 「女子に比べ、男子は周囲がハラハラするほど行動を起こしません。しかし、火が点いたら行動は速い。その後は手を離しても自分で成長していきます」

 この他、同校ではホームステイをしながら行うオーストラリア・グローバルリーダー研修や台湾・グローバルリーダー研修も行っている。

 台湾研修は2017年から日本台湾教育センターと共同で実施する。台北医学大学において、熱帯医学や感染症学についての最先端の講義が予定されている他、台湾の最難関校・台北市立建国高級中学も訪問。淡江大学でもレクチャーを受けるなど、オリジナルの研修を行っていく。

 「成城という学校の中で6年間過ごすだけでも、生徒の満足感は高いと思います。しかし、私としては海外に出て、自分の生き方を見つめてほしい。『武者修行に行ってきなさい』という気持ちで送り出しています」と栗原校長は話している。

「どういう男になっていくか」
真の人間教育を貫く

 この他、同校で力を入れているのが「探究学習」だ。中1では理科分野で関心のある生物を調べてポスターセッションを行う。中2では「私たちの身のまわりの環境地図作品展」に全員が参加。2016年には成城生が最高賞の国土交通省国土地理院長賞を受賞した。

 このように5年間にわたって興味のあることを探究し、発表する活動を続けている。

 栗原校長が着任した翌年の中学入試では、志願者が爆発的に増え、高い学力層の生徒が入学。その学年は今年、高1になった。3年後の大学受験でどのような結果を出すか、期待が高まっている。

 近年、中学入試では共学校人気が続いているが、栗原校長は「本校の教育は男子校でなければできません」と断言する。その理由は目には見えない「Hidden curriculum(隠された教育)」があるからだ。

 「男同士で学び合うことによって、自然に植え付けられることがあります。例えば、中1で行く臨海学校。千葉県南房総で全員が修泳を行いますが、このとき、高2から選抜された指導補助員も指導に当たります。後輩のために働く先輩の姿は中1生の憧れです。この臨海学校は大正14年から開設していますが、こうした行事は絶対にやめてはいけないと思います。公立高校から来た人間だからこそわかる、伝統の重みが本校にはあるのです」と栗原校長は語る。

 2020年の大学入試改革の不安から、保護者が大学附属校を選ぶ傾向もある。栗原校長は「子どもはどこかの容れ物に入れて育つのではありません。成城には温かい先生方に囲まれ、先輩たちの姿を見ながら『どういう男になっていこうか』と考えさせる道があります。私たちが担っているのは『人間教育』です。進学校でありながら、人として成長し、グローバルに活躍できるトップリーダーを目指す。これは男子校のこの環境でないと実現できないと思っています」と話している。

 
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