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2017/3 塾ジャーナルより一部抜粋

〜永遠に未完の塾学〜

第18回 モンスター・ペアレンツとの消耗戦をいかに戦うか

俊英塾 代表 鳥枝 義則(とりえだ よしのり)
1953年生まれ、山口県出身。
京都大学法学部卒業後、俊英塾(大阪府柏原市)創設。公益社団法人全国学習塾協会常任理事、全国読書作文コンクール委員長等歴任。関西私塾教育連盟所属。
塾の学習指導を公開したサイト『働きアリ』(10,000PV/日)には、多くの受験生
や保護者から「ありがとう」のコメントが。
成りたい人格は「謙虚」「感謝」「報恩」…。

 私の塾はずっと、保護者とはほとんどもめることがなかった。もちろんお客様相手のサービス業だから、出会いがしらの遭遇戦や、弾丸が身をかすめる局地戦は何度か経験したが、これまでのところは単発で終わり、長期戦を戦うことはなかった。ところがこの半年、そんな我が塾が、創業以来最強のモンスターペアレンツとの消耗戦を戦うことになろうとは…。今回はそんな、「非常識な保護者」について、書いてみたい。

対モンスター戦の模擬例

 仮にもお客様であった方の行動をつまびらかに述べることは、職業上の倫理にも反するであろうし、個人を特定して非難するのがこの稿の目的ではないので差し控えたいが、その一端を述べておかないと話が始まらないので、これにやや近いことがあったという、私の作り話を書いておく。

 先週、小学生クラスが終わって中学生がぽつぽつ顔を見せ始めた頃、その女性は「訴えてやる、訴えてやる」と喚きながら階段をのぼってこられた。入試に合格して月の途中で退塾されたので(こちらから退塾を勧めた)、約束していた授業料の日割り計算分をお返ししようと席の前に返還分の封筒を置くと、金額も計算の詳細も見ないうちに「こんなはした金では納得できない!」と大声で喚かれる。

 要求を要約すると、「入試に理科社会は使わなかったのにむりやり受講させられた、その教材費を返せ。」

 私『いやいや、必要かもしれないから受けたいとおっしゃったのはお客様ですよ。』

 「冬期講習は全く役にたたなかった。受けなくてもよかったのに受けさせられた。講習費を返せ。」

 私『だからぁ、こういうことになりそうだから冬期講習は受けなくても大丈夫ですってお断りしてたのに、受けたいと言ってこられたのはあなたのほうではないですか。』

 (この物語はフィクションであり、登場する団体・人物・出来事などはすべて架空のものです)

モンスターを事前に
見抜くのは可能か

 塾という仕事柄、どんな人と関わりになるかをこちらからは選べない。しかし、モンスターに特有の、いくつかの共通点は摘出できるように思う。

非通知で、または
公衆電話から電話をかけてくる人

 私の塾の場合、非通知で電話をかけてこられる保護者の割合は2%未満だ。非通知でかけて来られる方皆が「変な人」だとは言えない。しかし、「変な人」は大半が、非通知でかけてこられる。

 さらに、「非通知」+「公衆電話」のダブル・コンポだと、「変な人」の割合は一気に百%にハネ上がる。

 私の携帯電話は着信拒否設定ができるが、調べてみたら、拒否できる二つが「非通知」と「公衆電話」だった。携帯電話会社は、悪質な電話の二大類型が非通知と公衆電話だと、とっくにご存知なのだ。

 今時、公衆電話など探すほうが難しい。しかし、「変な人」は、その公衆電話を苦労して探し出して、ばれていないとあざ笑いながら、アドレナリンを噴出させて電話してこられるわけだ。

やめた前の塾の悪口を言って
塾に入ってくる人

 入塾面談で、やめてきた塾の悪口を憎しみを込めて語られる保護者は、しばらくすると今度はこちらにクレームを頻発されるようになる。

 トラブル・メーカーは、何もかもが自分の思い通りにならないと我慢できないのだろう。だから悶着を起こして、やがてそこにいられなくなって他を探すことになる。

 自惚れ屋だった私は、以前は、「よし、おれは違うぞ、うちで満足させて、前の塾の鼻を明かしてやろう!」と張り切ったものだが、ことごとく失敗して今は目が覚めた。

 「人の悪口を平気で言う人は信用できない」という先人の教えは、尊い。

交通道徳がない人

 塾をやめる際、後味が悪いやめ方をされる方に多い共通点として、交通道徳に欠ける人が多いこともあげることができる。

 駐車場を十二分に確保できていないこちらに非があることは重々承知だが、送り迎えをされる際、よその人の土地に平気で無断駐車する、道のど真ん中に駐車して後ろから車が来てもよけようともしない、民家の軒先で長い間アイドリングしたままで苦情を受けたら逆切れする…、こんな方たちで、塾を最後までまっとうされた方は一人もいない。

 やはり、すべてが自分の思い通りにならないと気が済まない、自分勝手で世間の良識や常識などは無視したい人たちなのである。

塾が増長させてしまうこともある

 時間割の都合で、一週間のうちのある一日、何も予定がない日が生じることがある。そうしたときは職業柄、成績不振や学力不足が気になっていながら、忙しくて助けてあげられていない子の面倒を見たくなる。

 こちらから押し売りしていると思われるのはいやだから、お金はいただかないで好意でさせてくださいということになる。

 ところが、こういうことをして後で感謝されたことは一度もない。逆に、さらにそれ以上の無料サービスを要求されたり、無理難題を持ちかけられたりするようになる。

 どういう心理的な仕掛けが作動するのかはわからないが、塾の思慮のない行き過ぎたサービスが、増長したお客さんを産み出してしまう。自分の人間観察力の未熟さに歯ぎしりすることになる。

顧客第一主義の陥穽

 私の観察では、大量のモンスターペアレンツの出現は、サービス業における『顧客第一主義』の流行と軌を一にしていたように思われる。「お客様は神様です」精神が生み出した、際限なく自己中を増殖させる魔物、それがモンスターペアレンツだ。

 だから、対抗策としてはまず、我々のものの考え方、職業倫理を見直す必要がある。「私にはこれができる、だが、これしかできない。それを買いたい人だけが私を買ってください。そうでない人は寄ってくるな」に改訂しないといけない。特に塾は。

 それが、まっとうな親と塾生を大切にして守り抜くことにも直結する。

対モンペア戦の武器は?

 モンスターペアレンツも無敵ではない。最後に、対モンペア戦の戦法を考察してみたい。

 まず、敵の、共通で最大の武器は、「あのとき確かにおまえはこう言ったではないか!」だ。こちらの職業道徳をついてくる。こちらの反撃、「そんなことは言っていない」は、証拠が残っていないと全く通用しない。

 だから、こちらがこの人はモンペアだと判断したら、それから後の問答はすべて記録し、録音し、録画しておかないといけない。

 敵も歴戦を経ているので、無断録音・録画が証拠とはならないくらいの悪知恵は持っているが、あって困るものではないし、実はいろいろな意味で役に立つ。意外だが、一番強力な武器は、日報などの定期的な記録類だ。日付を入れて、こんなことがあった、こういうことが起こったと記したものは、最も証拠能力が高い。

 次に、モンペアはモンペアで、悪いことをしているという自覚を潜在的にはもっている。やくざと同じで、弁護士と警察には弱い。

 だから、自分たちで処理しようとしないで、さっさと弁護士に相談し(相談料だけだと安い)、何かあればすぐに警察に届け出ることだ。法的、公的な処理に訴えること、それが敵への最良で唯一の反撃法であり、最もこちらの傷が少なくてすむ。

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