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中学・高校受験:学びネット

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2016/9 塾ジャーナルより一部抜粋

ネット高校「N高等学校」と提携
代ゼミが挑む新たな学び

  学校法人 高宮学園 代々木ゼミナール
代ゼミNスクール事務局 室長 富田 祥弘氏
 
     
 「代ゼミNスクール」は、カドカワ株式会社が2016年に開校したネットの高校「N高等学校」と提携して創設された、大学受験に特化した高校生専用スクールだ。大学受験予備校として60年以上にわたり名を馳せてきた学校法人高宮学園代々木ゼミナールが、新たな学びのシステムとして同時期に取り組みをスタートさせた。自分の時間を多く持てるN高等学校の特性を生かし、志望校合格に向けて自分だけのスケジュールで勉強することができることが最大の強み。従来の教育スタイルとは一線を画する、これから増えていくだろう「本当のキャリア教育」に注目が集まる。

学生時代の多様な経験が
時代が求める創造性を育む

 情報技術の発達が著しい近年、社会の仕組みは大きく変化した。それに伴い、時代は創造的な人材をより求め始めている。しかし、学校の教育スタイルは依然として変わらず、個々の適性や意欲の伸長を促すとは言い難い。そのような状況に一石を投じるのが、この春スタートした学校法人角川ドワンゴ学園N高等学校だ。独自のプログラム構成で生徒たちに考える時間や環境を与え「本当のキャリア教育」を提供する。

 一番の特徴は、学校の授業はもちろん、レポート提出や教師への質問もネットで行われることだ。それにより場所や時間を問わずに参加できるし、双方向性も加わる。拘束時間が短く、自分がやりたい勉強の時間を確保しながら、高校の卒業資格が得られ、かつ多くの経験値がたまる課外授業を受けることができることが魅力だ。

 その中で、大学受験を目指す生徒を受けとめる場を担うのが、提携通学コースである「代ゼミNスクール」だ。大学進学予備校として十分な実績を持つ代々木ゼミナールが既存のコンテンツを活用し、N高等学校に通う生徒の東大や国公立大医学部といった難関大学への受験をサポートする。

 今回のインタビューで、代ゼミNスクール・学びのプロデューサーとして生徒たちに対応している富田祥弘氏は、「受験は生徒自身が目的を持って取り組むことが重要です。N高等学校で多様な学びを経験し視野を広げることで、大学進学が選択肢のひとつになることが理想です。“なぜ学ぶのか。何の学びを深めたいのか”が明確になった生徒たちを、ネットとリアルのハイブリッドでサポートすることが、N高等学校と代ゼミNスクールの提携の意義だと考えています」と語る。

代ゼミのコンテンツで
主体的な学びをサポート

 代ゼミNスクールでは、代々木ゼミナールの大学入試対策講座を学年に関係なく、一人ひとりに合ったスケジュールで受講することができるフリーセレクトプランを採用している。生徒は2000以上の多彩な講座ラインナップから習熟度に合わせた講座を自身で選択でき、受験界で定評のある実力派講師の中からお気に入りの講師を選ぶことができる。いつでも入学が可能なうえ、通学日数は週1〜6日と幅があり、自分のペースで受講できることも特長だ。

 「生徒自身の判断だけではベストな選択にならない可能性もあるので、“学びのプロデューサー”と呼ばれる専任の担任スタッフが生徒一人ひとりに付き、現在の学力と志望校を考えて選択を提案します」

 費用も通学日数に変化がない限り、入学時の授業料のみの一定額であり、夏期講習などの講習会受講で、別料金が発生することもない。SAPIX YOZEMI GROUP模試も無料で受験でき、自習スペースなどの代ゼミNスクール内の施設は通学日以外でも自由に利用することができる。

 「N高等学校に通う生徒たちはネットを活用することにより、空き時間を大幅に増やすことができます。その時間を有効活用し、大学受験に特化した勉強を効率よく行えるのが代ゼミNスクールの最大のメリットです」と、代ゼミNスクールの室長でもある富田氏は話す。

 「今までの予備校は全教科の総合点を元にしてクラス分けがされていました。そのため、個々の得意科目や不得意科目が考慮されず、各科目で生徒のレベルが混在。各個人に応じた授業が受けられませんでしたが、代ゼミNスクールでは自由に講座を組み合わせられることでアダプティブ・ラーニング(個々人に最適化した適応型学習)の実践がなされています」(林 正和 学びのプロデューサー)。

日本を率いる
トップランナーを育てるために

 N高等学校も代ゼミNスクールも2016年4月に開講してから約半年が経つ。初年度であるため生徒数には物足りなさもあるというが、2017年度の大学入試ではある程度の実績が出せる見込みだという。

 在籍している生徒の現状を聞くと、「代ゼミNスクールに通う生徒は、N高等学校生のすべてではないので、正確なところはわからないのですが、割合としては、何かしら原因があって不登校になってしまった生徒がやや多いかもしれません。ただ、通ううちに見違えるようになったと、つい先日の面談でも保護者の方が話してくれました」と富田氏。

 一方で、N高等学校のコンセプトが本当に気に入って入った生徒もおり、そういう生徒は対面授業をどんどん受けて、豊かな人間関係も築いているという。東大や医学部を目指す生徒、難関大学を志望して寮に入るため、県外から引っ越ししてきた生徒もいる。生徒一人ひとりが持つ背景はさまざまだ。

 だからこそ、学びのプロデューサーは繊細な対応が求められる。

 「言葉選びは大切にしています。何気なく発した『久しぶりだね』の一言が『あまり学校に来てないね』の意として伝わり、傷つけてしまうかもしれません。当スクールにはオリジナルの総合学習管理システム(SMS)があるので、そのログを確認し、『自分のペースでうまくやれているね』など『ちゃんと見ているよ』ということを折々に伝えるようにしています」(富田氏)

 「受け身になりすぎないように、自分で考えて選択させるようにも心がけています。学びのプロデューサーは講座受講後に『本当に理解できているか』と毎回チェックを行ったり、生徒の志望校に合わせて有料の個別指導を提案したりと、きめ細かくサポートします。それにより考えなくなってしまうことがないように、物事のプラスとマイナスを見せ、最終判断をゆだねるようにしています」(林氏)

 それほどまでに生徒の主体性にこだわるのには理由がある。これまでは言われたことをきっちりやる人が良しとされてきたが、それでは日本を率いるトップランナーにはなれない。現在は自分で考えられる、自分なりのスタイルを持った人間が求められている。そんな人間を育てる場をつくりたいというのが、代ゼミNスクールの考えなのだ。

 現在はまさに学校教育が岐路にあると富田氏はみる。「ひとつの教室で一方的にというのは時代にそぐわない。これからはN高等学校のようなタイプの学校が増えていくでしょう」。

 新たな時代の到来は、新たな能力を求め、学びを変える。代ゼミNスクールの今後に期待したい。

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