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中学・高校受験:学びネット

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2015/11 塾ジャーナルより一部抜粋

九州産業大学

 
  独自のキャリア教育で高い正社員就職決定率を実現
 九州産業大学は約1万人の学生が学ぶ西日本有数の総合大学である。1960年の開学以来、「産学一如」を建学の理想に掲げ、広く産業界の期待に応えられる人材を輩出してきた。リーマンショック後の就職決定率の落ち込みを契機に、2011年度より独自のキャリア教育を開始。日本の社会構造の変化と現状に目を向けさせ、就職およびその後のキャリア形成に対する意識を高めている。キャリア教育導入後の就職決定率の伸びは著しく、全国の国公私立大学の中で、独自性の高い取り組みとして「キャリア教育プログラム開発事業(厚生労働省委託事業)」に選出された。

学 長: 山本 盤男
住 所: 〒813-8503 福岡県福岡市東区松香台2-3-1
電 話: 092-673-5050(代)
交 通: JR鹿児島本線 「九産大前」駅徒歩約1分、西鉄バス 「唐の原」「産業大学前」「九州産業大学南口」各停留所より徒歩約1分
学生数:

10,371名 (2015.11.1現在)

ホームページ: http://www.kyusan-u.ac.jp/

 

全国平均より9ポイント高い
正社員就職決定率

 「終身雇用と年功序列は昭和の遺物。人材は三層化され、人件費は固定費から変動費化しています。現状認識なしに社会に出て行くのは、冬山にTシャツで登るようなもの」。

 こう警鐘を鳴らすのは、基礎教育センターの大西純一特任教授。平成23年のキャリア教育導入に当たり特任教授に招聘された。大西教授は、それまで企業人として全国52大学の就職支援を請け負ってきた。九州産業大学の特任教授以外にも関西大学で非常勤講師を務め、立教大学、獨協大学で講演を行うキャリア教育のスペシャリストだ。

 キャリア教育導入初年度である平成24年3月の就職決定率は、進学者を除く全卒業生の62.2%だったが、平成25年度は76.2%。平成26年度には79.1%と、過去最高を記録した。平成24年から就職決定率は2割近く伸びている。しかも正社員就職決定率は、平成26年度の全国平均68.9%に対して78.6%と高水準だ。これらの数値は、キャリア教育の成果の表れと言える。

 九産大のキャリア教育は入学直後から将来を見据えて段階的に実施される。まず、1年生の前期にほとんど全員が「キャリア形成基礎論」を受講。社会構造と企業体制の変化、大学での勉強との結びつきを学び、社会で生きていくための基本的なモノの見方、考え方、基礎知識を身に付ける。

 キャリア教育を1年前期から始める理由を大西教授は、「大学3年までをどう過ごすかが就活に繋がるだけでなく、その後の人生の基調になります。就職はゴールではなくスタートに過ぎません」と説明する。

 したがって授業内容は、戦後経済の流れから教養までと幅広い。絵画をテーマに取り上げることもある。学生に配布する参考図書・映像資料には、学術書からノンフィクション、文芸書、映画、アニメなどがリストアップされている。

 また、学生が最も就きやすい職種として営業職を紹介する。

 「AI(人工知能)技術が発達しても、人間にしかできない仕事は残ります。営業に求められるのは、コミュニケーション力や問題発見力、分析力、論理的構成力と、人間に対する深い洞察。そのためにも幅広い教養が重要です」

チャンスを逃さない就職対策

 3年後期に受講する「キャリア形成戦略」は、具体的・実践的な就職対策だ。

 まず、限られた活動期間のなかで結果をだすために、受験企業のリストアップが重要な鍵になる。1人の学生が受験できるのは、多くても50社前後。一番失敗しやすいパターンは、全部を日本の代表的な企業で埋めることだ。授業ではリストアップの方法から、エントリーシートや自己PRの書き方、集団面接やグループワークの対策まで指導する。

 「12月になったら全員スーツを着て、臨場感をもって取り組みます」と大西教授。

 さらに、相手の話を全身全霊で聞くことを徹底させる。説明会で単に情報を得るだけでなく、企業の思いを汲み取ることで、志望動機に差が出るからだ。

 講義を受講した学生からは、「早い段階から準備する重要性を感じた」「就活と真剣に向き合うようになった」などの感想が寄せられている。

 キャリア教育と連携して学生をバックアップしているのが、丸ごと一棟、キャリア教育のためだけの施設を有するキャリア支援センターである。そこでは、学部ごとに専任スタッフが常駐。就職希望者全員と個別面談し、就活に関する相談に応じている。また、女子学生を対象に「ブラッシュアップ講座」や「メイク講座」を開催。第一印象から好感の持てる身だしなみ等を指導している。

 その他にも、豊富な資格取得講座や就職対策講座、就活に対する旅費補助など、様々な支援が就職決定率の向上を後押しする。

 大西教授は、「自分を売り込む点で営業活動と就職活動は似ています。営業活動では何社も契約をとらなければならないが、就活は1社契約できればいい。しかし、新卒として正社員になるチャンスは1度きりしかない。キャリア教育を通じて、就活を突破できる意欲と知識を育み、社会人として力強く生きていく核を作り上げたい」と話す。

キャリア教育での学びが
内定獲得に

 経済学部経済学科4年生の山下響(ひびき)さんは、9月末時点で東証1部上場の商社、小売業など3社から内定を得ている。

 1年生のときに「キャリア形成基礎論」を受講。奥の深い授業内容に衝撃を受けたという。同時に、行動することの大切さを学び、語学教育研究センターで英会話のトレーニングを受け、2年生と3年生のときにそれぞれ1ヵ月半、アメリカに留学した。語学教育研究センターで英会話のトレーニングを受けながら、地元のバスケットボールクラブに参加し、体格の勝る現地の若者に混じって汗を流した。

 3年生の終わりに2度目の留学から帰国し、4月から就活を開始。当初は60社をリストアップした。業種・業界は絞らなかった。就活を通して、視野を広げたいと考えたからだ。

 3年生後期の「キャリア形成戦略」は、他の必須科目の関係で受講できなかったため、大西教授の研究室を訪ねた。

 「最初は緊張しましたが、気さくに相談に乗っていただきました」

 就職に対する考え方は、1年生のときに教えられた「2-6-2の法則」から生まれた。最初は飛び抜けて優秀な2割ではなくとも、普通の6割に入ればいい。就職してからが勝負だと。商社の面接で、社会人になったら日々向上心を持ち、スキルを磨きながら業務に取り組みたいという考えを述べたところ、内定を得られた。

 また、常に心がけていたのは、「自分を飾らない」こと。面接で経済政策に関する質問に的確な答えが思い浮かばなかったとき、正直に「宿題にさせてください」とお願いした。これが好感を得たのか、内定が出た。

 最後に山下さんは後輩へ、「就活は気合い。楽しむつもりで突破してください」とエールを送る。

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