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2015/3 塾ジャーナルより一部抜粋

緊急取材 「未経験者が業界を変えられる」30歳の新世代トップランナー
創業6年目に国内外35教室を展開!

  株式会社 わ (愛知県名古屋市) Hero’s/青葉セミナー
代表取締役 松田 考平さん
 
     
1対5の個別指導で「1コマ1,000円」の手頃な価格設定、「自立学習」の定着を促すとともに「楽しい塾」という口コミで、名古屋を中心に近畿・関東圏に5年間で一気に31教室を展開した「ヒーローズ」。株式会社「わ」代表取締役・松田考平氏は、塾の新世代を率いる30歳の新星。「未経験者が業界を変えられる」強みを原動力に、5期目の年商は3億4,000万円。3年後には自社展開100教室(ヒーローズ全体で500教室)を目指す。

慣習や前時代的考え方を覆す

 「教育には答えがない。『こうすれば良い』も時代と共に変化する。大事なのは柔軟な対応。また企業の役割は雇用の創出。働き手と場を増やすには“展開”していかないと。生徒と、社員のためにも」

 松田考平氏は、(株)「わ」代表取締役と個別指導専門塾「ヒーローズ」を全国展開する東海出版(株)(静岡県浜松市)の社外取締役を兼務している。

 「自分のアドバイスにオーナーさんたちの生活がかかってくる。普段から筋の通ったことをしっかり伝えないといけない。そこに年齢の上下は関係ありません」

 若きリーダーと塾業界との出会いは、求人会社の新米営業だった22歳の時。「ヒーローズ」を運営する東海出版の代表取締役・鈴木克美氏に「君は将来どうなりたいの?」と聞かれ「僕は社長になりたいんです」と臆せず答えた。

 鈴木氏のもと、2009年にフランチャイズ1教室目を名古屋に開校、同年に自社設立。翌々年には5教室、今春35教室目開校と破竹の勢いだ。展開する基準は「社員が働きたい場所と物件次第。新卒でもイキナリ教室長にさせます」。創業6年、新卒採用者の離職率はゼロ。

 「中途採用にも塾経験は関係ない。ただ、ウチは他塾に比べて研修が相当多い。新人研修のほか、教務力アップの勉強会が月2回。「論語」や経営理念の本を読み、感想を書いてディスカッションし、社員同士で考え方を共有します」

 学生時代から起業家を目指していた松田氏も、経営力・職能アップの外部研修や講座で研鑽を積んだ。鈴木代表のことも「勉強量はトップクラス」と敬服している。

 「鈴木さんと僕が塾業界未経験ということが、ヒーローズの強み。業界の慣習や前時代的な考え方に『それは良くない』と気付ける。研修の厚さがヒーローズの土台にあり、各地のオーナー同士も研究会を組織している。自己研鑽の面では負けないと思っています」

生徒、家族、先生が心を開き
学び合う場に

 開業2年間で2教室を松田氏一人で運営、約130人の生徒を集めた。「成績が上がる」ほかに生徒や保護者を引き付けた魅力は何か。

 「お母さま方からよく言われるのは『子どもが塾を楽しんでいる』。僕自身はやんちゃで歓迎されない生徒だったから『塾は嫌だな』と思っていた。ウチに入塾するのも勉強嫌いな子たち。『間違えたり、わからないことはダメだ』と上からの価値観ではなく、同じ立場に立って考える。子どもがどう成長したかをよく知ろう、一緒に楽しく勉強して良い教育をしていこう、とかかわるみんながコミュニケーションすると居心地の良い場所になる」

 1対5の指導スタイルには、教えすぎず依存させず、自立学習を促す目的がある。「解く手順」がわかりやすい教材を生徒が読み、理解し、質問があれば「どうやって解く? 一緒に考えよう」と初めて教える形だ。

 教室長は定期テストを軸に学習スケジュールを管理し、50分授業の時間の使い方、勉強の仕方をアドバイスする。紹介入塾が大部分を占め、合格実績を宣伝に使うことはない。「高校も大学もぶっちゃけ行っても行かなくても同じ」というのが松田氏の本音だ。

 「合格・不合格は学校が決めること。それで人生は変わらない。子どもと保護者に伝えているのは、『受験当日まで一生懸命頑張った経験が人生につながっていく』。人生のつらい局面を乗り越える時、『自分は頑張れるんだ』ということをしっかり認識してほしいんです」

 こうした「価値観教育」に難しさとともにやりがいを感じるという。教室数を増やし、勉強する価値を信じられる子どもを増やしたい。

かかわる人それぞれの
「幸せ」の拡大創出へ

 「ヒーローズ」フランチャイズの特色の一つは、低料金(初期投資250万円〜)で開業が可能なこと。損益分岐点を下げて1、2年で回収できるように、8〜15坪の教場で20席、50人程度の生徒を教室長と5人の先生で見る。バイトは時給1,000円、売り上げのうち、バイト人件費率は12%。現在31校舎ある教室の個性は各々違う、と松田氏。

 「教室内のデザインや使用教材は教室長やオーナー自ら選んだもの。推奨テキストは用意していますが、できる子を教えるのが得意な人、勉強が苦手な子に対応するのが得意な人もいます。地域・生徒層に合った教材を選べます」

 そうした柔軟さは社員に対しても同様だ。今春開校の東京校の教室長は新卒2人。半年間の新卒研修中で松田氏と共に経営ビジョンを創り上げている。京都教室は現事業部長が「京都で開校したい」と就職してきたことがキッカケだ。

 「ベトナムにも3月開校予定です。それを知り、戻ってきた社員もいます(笑)。社員がどこで働きたいかは大事なこと。社員の力量を育成しつつ、『地元に帰って開校』という流れも作りたい。『仕事は趣味だ』は、僕が最初に会社を興した時の理念。前向きに仕事を頑張るのは楽しい。社員にも早く気付いてほしいので、常々言っています」

 松田氏は、鈴木代表と共に「ヒーローズ」株式上場に向けて動き始めている。少子化社会に向かう中、市場があるうちに「事業拡大」ができる素地を作っておきたい思いがある。塾経営をメインに、研修システム・最新情報等の提供を通して中小企業を活性化する取り組みも思案中だ。東京にも10教室を進出予定、来期の売り上げは5億円を目指す、と言い切る。

 「地域や考え方が違えど、『子どもに幸せになってほしい』親の思いは同じ。『幸せ』とは、子どもが楽しく学校や塾に通う、楽しく生きる、そして成績が上がること。その3つをサポート、共有できるなら場所はどこでも構わない」

 塾業界の風雲児の心の奥底に流れているのは、こんなシンプルで温かい「親心」にも似た思いだ。

 

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