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2014/3 塾ジャーナルより一部抜粋

塾におけるストロークの活用法 〜子供の心に栄養を〜

第6回 自分にストロークを与えるスキル

大咲 元延 (おおさき もとのぶ)
1975年に学生起業家として英会話教室を開設。その中で数多くの取組みを実践し、独自のノウハウを確立。現在は中小企業診断士として、さまざまな業種の中小企業をサポート。心理カウンセラーとして経営者の悩み相談も受ける。
『インターネットテレビ「大阪の社長tv」に出演中』
URL: http://www.oosaki-k.com/

自分でストロークの壺を満杯にする

 前回は、相手にストロークを与えるということについてお話ししました。相手を勇気づけ、応援し、褒めてあげることで相手は自信をもって生きていくことができます。相手のストロークの壺を一杯にしてあげることは非常に重要です。

 今回は、自分に対してストロークを与えるスキルについて述べていきます。これは誰でも今すぐでき、効果抜群なのですが、なかなかされている人はいません。自分のストロークの壺を自分自身でいっぱいにする方法をお話しします。

自分を認める

 英語検定試験を受けるように勧めた際、このように言う生徒が必ずいます。「今受けても絶対合格しないから受けない」「絶対合格するのなら受けるけどそうでないのならイヤ」検定試験は入試とは違い力試しなので、絶対に合格することを目的とはしていません。自分の実力を試す試験だということを言っても、今の子供は失敗することをことのほか嫌がって受けようとはしません。

 完璧にできるようにならないと、何事も前に進めないというのは本人にとって非常に苦しい生き方です。完璧な人間なんていないのですから。自分に対する要求レベルが高かったりすると、「まだまだこんなレベルではだめだ」「自分には能力がない」と落ち込んでしまいます。

 今まで自分なりに一生懸命やってきたのだから、辛いことや悲しいことも乗り越えてきたのだからと、頑張ってきた自分を認めてあげましょう。結果ばかりに目を向けるのではなく、過程もしっかりと見ることで、自分に自信をつけていきましょう。

 社会に出たら、周りからは過程よりも成果が求められるようになります。そんな時でも、自分は自分自身に対して、「自分なりによくやった」と認めることで、バランスを取ることができます。

自分の良いところを探す

 社会人向けに「自分の魅力捜しセミナー」というのをやっています。ここでは、自分が知っている自分をカードに書き入れます。次に周りの人から見た自分をカードに書いてもらいそれを受け取ります。

 人は、自分のことは自分が一番知っていると言いますが、果たしてそうでしょうか。自分が知っている自分を自画像といいます。他人から見た自分を他画像といいます。この二つには重なっている部分とそうでない部分があります。完全に重なることはありません。自画像で重なっていない部分は、自分だけが知っている自分です。他人には分かりません。他画像で重なっていない部分は、他人から自分がそう見られているという一面です。

 自分が思ってもいないことを、他人は自分に対して思っています。良い面もありますし、悪い面もあります。そういったことを全部含めたものが自分の魅力です。

 人には必ず良いところ(魅力)があります。良いところは素直に認めて自分を褒めてあげましょう。悪いところは反省することも大切ですが、見方を変えることで新たな魅力になります。「落ち着きがない」というのは、行動力があるということです。「飽きっぽい」のは、好奇心が旺盛だということです。

 自分の良いところをたくさん知っているということは、自分のセルフイメージを高め、ストロークを貯めていく最も効果的な方法です。

うまくいったこと、できたことを思い出す

 脳は、失敗したことを強烈に記憶しておく性質があるようです。これは長い狩猟生活では、過去の失敗体験を深く記憶にとどめておくことで、生き残りにつなげていくという脳の仕組みがあったからです。しかし、現代に生きる人間には、失敗によって生命の危機に陥ることはそれほどありません。環境が変わったことで、この脳の機能も時代遅れになっているのではないでしょうか。

 それにもかかわらず目一杯アクセルをふかしても、失敗したことがブレーキになって前に進めないという人がいます。やったことすべてうまくいったという人はいません。成功者と言われる人は、上手くいったことと同じくらい失敗した数があるといいます。

 世の中すべてバランスがとれていると言われています。であれば、自分にとっても、うまくいったことはたくさんあるはずです。一度リストアップしてみましょう。どんな小さなことでも構いません。うまくいったこと、できたことを挙げていくと、実にたくさんの成功体験があることが分かります。

 自分が自信を失いかけた時、このリストを見直すことで、たくさんのうまくいったこと、できたことを確認して思い出すことができます。これをすることで、自分に何度でもプラスストロークを与えることができます。

感謝されたことを思い出す

 「ありがとう」は魔法の言葉といわれます。人は感謝されると心の底からうれしさがこみあげてきます。そして、またやってあげたくなります。どうも人は周りの人に感謝され、喜ばれるために存在しているみたいに思えます。これは仕事の面でもそうだし、プライベート面でもいえることです。

 人から「ありがとう」と言われたことを思い出しましょう。電車で席を譲った時、おばあちゃんから「ありがとね」と言われた。ベビーカーを抱えて駅の階段を上がろうとしていたお母さんに手を貸して、「ありがとうございます。本当に助かりました」と言われた。塾生のお母さんから「うちの子は、先生のお蔭で合格できました。ありがとうございます」と言われた。たくさんの「ありがとう」が自分に向けられていたことを思い出しましょう。その事実だけでも「生きていることに意味がある」といえます。

 これもリストアップしておくと、落ち込んだ時、ストロークが不足しているときに読むことができます。そしてちょうど栄養ドリンク剤のように、元気ハツラツになることでしょう。

大好きな人の顔を思い出す

 サイモンとガーファンクルの歌に「明日に架ける橋」という名曲があります。「君が弱気になった時、目に涙をいっぱい貯めた時も 僕は君の涙をふいてあげよう 僕はいつも君の側に寄り添っていてあげる 辛い時が来ても 友達が見つからなくても 激流にかかる橋のように 僕は君の側にいてあげよう」

 この歌を聴くと、誰もが自分にとって大切な人が側にいてくれるイメージを思い起こします。大好きな人の顔を思い浮かべると元気が出て、多少の困難でも立ち向かっていけそうに思います。

 辛く感じた時には、心の中でその人と話をしてみます。一言二言でも構いません。あなたの方からストロークをかけるのです。すると、きっとその人からよいストロークをもらうことができるはずです。心の中の大好きな人からいつでもストロークをもらうことができるなんて素敵だと思います。

自分にストロークを与える方法をマスター

 塾では、先生はたくさんの生徒を相手にされています。一人ひとり十分にストロークを与えているつもりですが、必ずしもできない時があります。

 生徒には、自分で自分に対してストロークを与える方法を教えてあげてください。他の生徒をいじめる人はストローク不足であることが多いようです。他人からもらうストロークが不足しているのなら、自分で補充する方法をマスターするようにしたいものです。

 今回で、『塾におけるストロークの活用法 ~子供の心に栄養を〜』のシリーズを終了します。一年間ご愛読いただきありがとうございました。

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