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中学・高校受験:学びネット

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2014/3 塾ジャーナルより一部抜粋

セミナーレポート 学習院セミナーに学べ!
地方の壁を越え、全国区の学力向上を目指す 情報紙を発行し、教育理念を発信

     

株式会社育英システム(香川県善通寺市)
代表取締役・塾長 寺嶋 謙次さん

大学卒業後、大阪のコンピュータ関連会社に勤務。「教えることが好き」という一念で塾講師に転身。28歳(昭和63年)で香川県に帰郷し、「学習院セミナー」を開塾。6年後、本格的に高校生を受け入れるため、東進衛星予備校に加盟する。後に個別指導を導入し、現在は県下(善通寺市・丸亀市・坂出市・高松市)に5教場を展開。塾生は約400人に上る。

 学習院セミナーをはじめ、ZMSグループを主宰する塾長・寺嶋謙次さんの教育方針は、「教え続けるのではなく、主体的な学習態度が身に付くよう指導する」こと。教育の最終目標が卒業後の自立なら、広い視野を持つ社会人としての基盤を築くことを重視すべきと考える。そのため、指導スキルの高い講師を育成し、加盟する東進の教育システムを活用。また、スタッフとともに執筆する情報紙で教育事情、教育理念を発信し続けている。なお、全日本私塾教育ネットワーク・エリア四国代表としても活躍中だ。

高校生中心に
指導する塾へ転向し
東進衛星予備校に加盟

 26年前に「学習院セミナー」を開塾するため、勤めていた塾講師を辞め、大阪から香川に帰郷した寺嶋さん。当初は善通寺で小・中学生を対象に指導していたが、すでに少子化が予測され、どのように塾を発展させるかが課題だった。

 学年を広げることを対策のひとつとし、自ら教鞭を執る英語・数学以外の教科を増やし、大学受験に臨む高校生に対応できる指導体制をとった。20年前、創業間もない東進衛星予備校に加盟し、5年後、丸亀駅前校を開校した。

 しかし、当時は映像授業に対する信頼感が保護者になく、生徒も「首都圏の良い先生の良い授業を受けている」という実感はわかなかったという。

 「東進が提供してくれるのは、映像(IT)授業という教材で、それを使って生徒に学習させ、本物の学力を身に付けさせるには、指導スキルの高い講師(担任)が必要」と強調する。自塾の実績が評価のすべてであり、以来、講師の人財育成に奮闘している。現在、講師は約20人で、平均年齢は約30歳と若い。

 「54歳の私は、学校でいえば校長先生くらいの年齢です。生徒は若い講師には遠慮なく話せるようで、それも学習意欲を高めているようです」と話す。

 10数年前までは、塾の先生という職業は社会的地位が低かったが、今は高校生の通塾率も上がり、講師に寄せる期待は大きい。保護者や周囲に認められることで、職業意識を高くもってほしいとエールを送る。

●経営のポイント
少子化対策として、高校生中心の塾展開に

●指導のポイント
指導スキルの高い講師(担任)を育成し、映像(IT)授業の学習効果を高める

主体的な学習態度を修得させ
教育レベルを引き上げる

 香川県は全国でも教育レベルの高い県として知られていたが、ここ20〜30年、その評価は相対的に下がっている。

 センター試験を受けた生徒の東大合格率を最近のデータで比較すると、東京都では70人に1人だが、香川県では200人に1人に留まるという。これは教育環境の地域格差を示す数字であり、開塾以来、全国区の学力向上を目標にしてきた寺嶋さんは、「理解不足のところを教えるだけでなく、主体的に学習できるよう指導するのが教育者の役割」と警鐘を鳴らす。定期テスト対策に意識を集中していると、木を見て森を見ずという結果に陥るという。

 また、ゆとり教育の影響で学力差が開き、指導の流れも一斉から個別へシフトしていることを実感していたものの、「困ったら先生に聞く、依存するという悪い習慣がつく」という危惧があった。そこで、個別で実績を上げている塾を新潟まで見学に行き、ノウハウを学び、5年前に個別を導入した。現在、小・中学生は一斉と個別の2本立てだが、ますます個別に傾くだろうという。そして、個別の内容に付加価値が求められる時代が来ると予測する。

 「首都圏で起こっている状況は、数年で必ず地方にやってくる。できるだけ視野を広くし、情報を把握しておこう」というのが寺嶋流だ。本棚に目をやると、塾ジャーナル・ダイヤモンド・プレジデント等、情報誌が並ぶ。

 10年前から生徒募集のチラシはつくらず、タブロイド判の情報紙「ジュニア・タイムズ/ZMSタイムズ」を隔月刊で発行し、新聞折り込みにしている。塾長とスタッフが執筆する手づくりツールだ。世界情勢を読み解きながら、教育事情、教育理念を伝える内容で、子どもの夢を育み、親の理解を深めるよう編集されている。

 本紙の一隅に記載されている塾の合格実績を見ると、東大をはじめ、難関国公立大学、有名私立大学の名前がずらりと並ぶ。

 「就職を考えた場合、地方の国公立大より関東の私大へ進学するのが有利です。将来の展望を視野広く持つためにもお勧めします」と断言する。

●指導のポイント
全国区の学力向上を目指し、主体的学習態度が身に付くよう指導

●運営のポイント
広く情報収集するとともに、現場のリアリティーを体感すること

子どもとともに成長するという
親の意識が大切

 地方では、生徒数400人規模の塾は少なく、何かと注目を集めるZMSグループ。今後どのような教室展開を計画しているのかを聞いた。

 「65歳で引退する予定です。あと10年で講師を育て、後継者を決めます。積極的に教室展開するというより、職員が安定して勤められる規模の塾にしたい」ときっぱり。子息は医学部を今春卒業し、医師の道を歩むという。

 都心に負けない教育環境を整え、塾のクオリティーを高めることに邁進する、そんな覚悟が感じられた。

 「将来の夢を話す真剣な表情に接すると、教育者になって良かったと思います」と微笑む寺嶋さんに、子どもの夢を育むのに大切なことは何かと問うと、

 「やはり親の意識改革ではないでしょうか。子どもは見たことも体験したこともないものに憧れようがありません。旅先で、子どもの好奇心を刺激する場所を見学し、憧れの大学の食堂で食事をとるのもいいかもしれません。子どもと同じ本を読んで語り合うことも、学力を高めるきっかけになります」と明快な答えが返ってきた。

 本当の教育は、本やものを買い与えるだけ、通塾させるだけでは成し遂げられないというメッセージが込められている。

●経営のポイント
規模拡大より、教育理念を実践する塾へと質を高める

 

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