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2014/1 塾ジャーナルより一部抜粋

これでわかる私大医学部のすべて

第6回 来年度受験する皆さんへ

NPO法人 私立大学医学部へ入ろう.COM 平野 晃康
昭和53年生まれ。南山高等学校男子部卒業、名古屋大学工学部卒業。大学院時代から塾・予備校の講師を務める。指導歴は約8年。3年前から名古屋セミナーグループ医進サクセス室長として医学部志望者を中心に指導を行う。『私大医学部入学試験を斬る2013』(名古屋セミナー出版)を執筆。

 新年あけましておめでとうございます。今年、受験を間近に控えた皆さんは過去問題や弱点補強に忙しい日々を送っておられると思います。この時期には、もう後ろは振り返らず、受験校も変更せず、自分が決めた目標に向かって一直線に向かっていってください。

 今回は、来年度受験される方、また、その指導に当たられている方に向けて、受験校の組み立てについてのお話をさせていただこうと思います。

1.入学試験の変更点と受験生の動向の関係

 私立大学医学部では、毎年のように入学試験の変更が行われます。募集人数の変更や、学費の変更、入試会場の追加、日程の変更などです。これらの変更により、受験者数が増減して、大学の難易度が変化することがあります。

 以下に変更点とその影響について簡単にまとめておきます。

『受験者数が増加する要因』

@ 学費の減額
A 入試会場の追加
B 日程の重複の解消

 受験者数の増加要因となるのが@〜Bの変化です。学費が高額な私立大学医学部では学費の減額があると、受験者数が大幅に増加します。学費が減額されれば、国公立医学部の志願者の一部がその大学を併願できるようになるなど、受験者の層が広がるためです。また、日程の重複が解消されると受験者数が増加します。私立大学医学部の場合、極端に言えばどの大学でも入学できればよいと考えている受験生がほとんどです。日程の重複が解消されれば、両方の大学に出願できるようになるので、その分、受験者数が増加するのです。

『受験者数が減少する要因』

@日程の重複
他大学との日程の重複が新たに起こると、一般入学試験の受験生が減少します。特に、同レベルの大学の日程が重複すると、受験生が分散してしまうため、受験者数が大きく減少することがあります。杏林大学・兵庫医科大学と重複した2013年度の岩手医科大学が良い例です。

2.2013年度入学試験に見る、入学試験の変更点と受験者数の変化

 では、実際に2013年度入学試験の結果と入学試験の変更点を照らし合わせてみることにします。

 まず、2013年度の主な入試変更点と、2012年度及び2013年度の受験日程の一覧を示します。(表1・2参照)

 入試変更点の(1)〜(4)は全て受験者数が増加する要因になるものです。日程では、2012年度に比べて重複の仕方が変わっているのが分かります。

『入試変更点』

1) 岩手医科大学:1次試験に福岡会場を追加
2) 昭和大学:学費減額、特待生は6年で1900万円
3) 関西医科大学:1次試験に東京会場を追加。学費を6年間で200万円減額
4) 福岡大学:1次試験に名古屋会場を追加

 では、入試変更点や日程の変更によってどのように志願者数が変化したのかを例示し、その理由について考察してみます。(表3参照)

 まず、受験者の増加が最も多かったのは東海大学です。東海大学はもともと受験会場を全国に持っており、受験しやすく受験者数の多い大学だったのですが、2013年度には急激に受験者数が増加しました(1215名増加)。

 これは、帝京大学との日程の重複が解消されたためです。2013年も東京医科大学と日程は重複しましたが、偏差値が違うため、受験者層が重複していません。

 むしろ2012年度に重複していた帝京大学とは受験者層が完全に重複しています。
そのため、帝京大学との日程の重複の解消がそのまま受験者数の増加につながったと考えられます。実際、帝京大学でも876名増加と大きく受験者数が増加しています。

 次に、日本大学(784名増加)に注目してみます。日本大学は2012年度も2013年度も他の大学との日程の重複がありませんでした。では、なぜ日本大学が受験者数を伸ばしたのでしょうか。

 それは、他の大学の重複の仕方が変わったためです。2012年度と2013年度の日程を見比べてみると、2012年度は過密スケジュールながら同じ日の重複が少なかったのに比べて、2013年度は最初の7日間に17校がひしめき合っています。そのため、2013年度の方が選択肢が少なく、思うように併願校を受験できなかった受験生が日程の後半にあって、ほかの大学と試験が重複していない日本大学に殺到したと考えられます。

 最後に、受験者数が減少した大学を見てみます。藤田保健衛生大学(356名減少)と岩手医科大学(250名減少)です。この二校は、2012年度はどちらもほかの大学と日程が重複していません。ところが、2013年度には岩手医科大学は杏林大学、兵庫医科大学と、藤田保健衛生大学は埼玉医科大学、近畿大学と重複するようになりました。これらの大学は偏差値上、ほぼ同じランクに位置するため、受験生が分散してしまい、受験者数が減少することになりました。

 特に、岩手医科大学は会場を新設したのですから、本来は受験者数が増加するはずなのに、むしろ減少してしまいました。このような日程の重複が受験者数にいかに大きな影響を及ぼすかが分かります。

 以上のように、入試の変更や日程の変更によって受験者数は大きく変動します。受験校を決める際にはこのような変更点に注意してください。

3.最後に

 早いもので、3月号から始まった連載も今回で一旦終了となりました。一年間、お付き合いいただき、ありがとうございました。

 心より感謝を申し上げます。

 今後はNPO法人私立大学医学部に入ろう.COMのHP上で各種情報をお伝えしていこうと思います。わからないことがありましたら、HPから何なりとお問い合わせください。

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