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2013/9 塾ジャーナルより一部抜粋

これでわかる私大医学部のすべて

第4回 私立大学医学部の面接試験

私立大学医学部へ入ろう.COM 平野 晃康
昭和53年生まれ。南山高等学校男子部卒業、名古屋大学工学部卒業。大学院時代から塾・予備校の講師を務める。指導歴は約8年。3年前から名古屋セミナーグループ医進サクセス室長として医学部志望者を中心に指導を行う。『私大医学部入学試験を斬る2013』(名古屋セミナー出版)を執筆。

●面接試験の重要性

 私立大学医学部の入学試験には、推薦入学試験・AO入学試験・一般入学試験・センター利用入学試験・編入学試験がありますが、これらの試験のすべてにおいて、面接試験が課されます。

 しかし、各試験において、大学が選抜したい学生のタイプには若干の差があるため、出題される質問の内容や受け答えの内容に対する評価の仕方も、試験ごとに異なってきます。ですから、受験する際には各試験において大学がどのような学生を選抜しようとしているのかを知り、それに合わせた対策をしておく必要があります。

 また、面接試験において、医師として不適格であるとされた場合、学科試験において高得点を上げていても不合格になることがあります。しっかりと練習を行い、自信を持って受験に臨めるように対策をしておくことが大切です。

●面接試験で問われる内容

 面接試験の目的は、医学生として不適格な人物が入学することを防止することにあります。例えば、@)精神的に不安定、あるいは医師になりたいという熱意が欠落しており、学業を修めることが期待できない。A)極端にコミュニケーション力が不足しており、患者や看護師あるいは他の医療従事者と共同作業をすることに支障があると考えられる。というような人物は医学生として不適格と考えられます。

 冒頭に述べたように、それぞれの試験において選抜したい学生のタイプが異なるため、特徴的な質問が行われることがありますが、まず、どの試験でも問われるような共通の内容を4つに分類してお話しします。

1.将来についての考え方と今までの経験

 一つ目は将来についての展望です。つまり、どのような医師になりたいのか。そして、それはなぜか。また、それを目指すうえで、その大学を志望校としたのはなぜか、など、将来についての考え方が問われます。また、そのように考えた理由も言えるようにしておかなければいけません。

  次のことに答えられるようにしよう。

@ あなたはなぜ医師になりたいのか。また、その理由は何か

A どのような医師になりたいか。また、その理由は何か

B あなたはなぜこの学校を選んだのか。また、大学に入ったら何をしたいか

C 結婚後も仕事を続けることができるか(女子)

2.受験生の性格と今までの経験

 受験生の性格や、趣味などについて問われることがあります。当然、答えたことに対する具体的な内容を聞かれます(たとえば、読書であれば、最近読んだ本など。)ので、嘘をついてまで試験官に受けそうな回答をしてはいけません。

 次のことに答えられるようにしよう。

@ あなたの趣味は何か

A 時間ができたとき、あなたは何をして過ごすか

B 尊敬する人物を一人挙げなさい

C @、B、Bの具体的な例を挙げなさい

3.学校・家庭・友人などとのかかわり方

 患者と接する仕事である医師には、他者に自らの考えを伝えるコミュニケーション能力が欠かせません。また、医療チームの一員として働くためには、自立した判断力と協調性が欠かせません。このような力は、家庭・学校などでの両親・教師・友人との人間関係の中で育っていくと考えられます。医師として適切な人間関係を築くことのできる人物であるかが問われます。

 次のことに答えられるようにしよう

@ あなたにとって、学校・家庭とはどのようなところか

A 両親・教師はあなたにとってどのような人物か

B 両親の良いところ・悪いと思うところはどこか

C 学校・受験時代に学んだことは何か

D あなたにとって友人とはどのような存在か

4.最新のニュース・医学への興味

 医学を志すものとして、医学への興味や、最新のニュースに対する関心を持つことは非常に重要です。そのため、面接試験において、有名な医学的知識やその年にあったニュースについて聞かれることがあります。必ずしも医療に関することばかりではないので、学校の社会の先生(現代社会・政治経済など)に聞いたり、インターネットなどで調べるなどしておくとよいでしょう。また、時として受験生が答えられないような高度な質問がなされることがありますが、そのような場合には素直にわかりませんと答えるようにしましょう。知っているふりをしても、すぐにわかってしまいますし、試験官に対する印象をかえって悪くしてしまいます。

 次のことに答えられるようにしよう

@ TPPについて

A 消費税増税をどのように考えるか。アベノミクスとは何か

B 格差社会について、いじめ問題について

C 臓器移植法について

D IPS細胞について

 これらのほかにも、志望理由書や面接前のアンケートの内容、小論文で書いた内容などについて問われることもあります。また、2分間での自己PRなど、準備しておかないと苦戦しそうな問題を出す大学もありますから、受験する大学の面接試験の過去問については、一通り調べておくとよいでしょう。また、グループ討論が面接に課されることもありますが、グループ討論では、最初に題が出され、それに沿って議論をしていくことになります。集団での議論に慣れていない人にとっては難しい試験になります。議論ではなく演説になってしまう人もいますが、こういう人は一見議論をリードしているため高得点であるように思われますが、実際はあまり評価されません。他の受験生の意見をしっかりと聞いて、全体の議論の流れを見極めながら自分の意見を主張したり、反論をしたりしていくことが大切です。当然、話の流れをそらすような発言は減点の対象となります。グループ面接がある大学を受験する際は、練習を重ねておく必要があります。

●面接試験の重要度

 面接試験の重要度は試験によって異なります。

 一般入学試験では学力が重視され、面接試験では相当ひどいことを言わない限り不合格にはなりません。一方、AO入学試験や推薦入学試験のように、学力よりも人格や熱意を評価するような試験においては、面接試験での受け答えが重視されます。そのため、推薦入学試験では各大学とも設問に工夫をしており、例えば、愛知医科大学の推薦入学試験では、写真や絵を見せてタイトルをつけさせる問題や、自分を何かにたとえさせる問題が毎年出題されます。東京女子医科大学の推薦入学試験では、「女子医大生らしさ」という部分が採点されます。東京医科大学では、「電車内でマナーの悪い人に注意することができるか」「倫理とは何か」という問題が出題されたことがあります。また、大学で学ぶ内容について知っているかという問題もあり、例えば、産業医科大学では「産業医とそれ以外の医師についての違いを答えよ」という問題が毎年出題されます。

 再受験生や社会人からの選抜を行う編入学試験や獨協医科大学のAO入学試験では、面接の重要性はさらに高く、質問に対する答えも一般入学試験や推薦入学試験などよりもずっと深いものが要求されます。

●面接試験で好まれる姿勢

 面接試験とは面接官との会話であるということを忘れてはいけません。自分一人で熱弁し、まるで演説のようになってしまう人がいますが、それはたいていの場合、嫌がられます。しっかりと面接官の話を聞き、はきはきと、的確にこたえることが大切です。
また、わからないことについては、無理に答えようとせず、わかりませんと答える素直さも大切です。

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