 執筆者ら多数が集い
発刊を祝う
当日、祝賀会開催の東京プリンスホテルには全国から続々と来賓、執筆者、関係者らが集まった。その数、優に２５０人を超え、14時30分の受付が開始されると、長蛇の列が続いた。15時からの式典は、総合司会を松田邦道日本教育者倶楽部会長（実行委員）が取り仕切り、開催の運びとなった。
主催者挨拶で登壇したのは、筒井勝美実行委員長、坂田義勝全日本学習塾連絡会議代表幹事、佐藤勇治編集長、中嶋浩一一橋大学名誉教授の４人。開会の辞での坂田氏は会場の参加者やスタッフたちに「皆様のご協力の賜物」だと感謝の意を表明した。本書発刊後、ある学生が論文の研究資料にしたいと問い合わせがあったと報告。教育的にも価値ある一冊だと語った。続いて、編集実行委員でもある中嶋氏の挨拶は、巻頭言の１９１２年に開塾した時習塾の話題を出し、それから今年で１００年が経つと、百年史発刊の意図を説明し、「塾業界の資料がいっぱい詰まっている歴史書だ」と話した。皆様にはこの本をしっかりと活用し、人づくり強いては日本の国づくりに邁進していただきたいとも述べた。
最後を締めくくったのが、佐藤編集長のお礼の言葉。
人生の前半は塾一筋で子どもたちを指導してきたが、後半は自分に何ができるのか。佐藤氏は「これまでの経験を生かし、学習塾の歴史を後世に残したい。自分の土俵で塾に貢献したい」と考えたという。そして、多くの団体の記念誌作成に携わってきたことや、今回の百年史発刊の経緯を話した。
本書編集にあたっては50年かけて撮りためた４万２千枚の写真から厳選した９００枚の写真を掲載。「まさに壮絶なる戦いの６年でした。皆様の応援があってこそ、日の目を見ることができました。ありがとうございました」と深々と頭を下げた。
来賓挨拶や執筆者の紹介、スクリーンにみる百年史紹介で、第一部の式典は終了した。
会場を移動し、増澤空日本青少年育成協会会長の乾杯の音頭で、第二部の懇親会が華やかにスタートした。学習塾関係者、私立学校、学習塾団体、教育関連企業とそれぞれのグループに分かれて登壇。挨拶と自己紹介が時間の許す限り続いた。
後世に残る歴史書として
保存版
北は北海道から南は沖縄まで、学習塾・私立学校・その他関連企業からの寄稿は１，１７０頁という。編集、校正は佐藤編集長、菅谷友豊香副編集長、編集委員24人で行われた。すべて塾関係者だけに、時間との戦いは想像に絶するところだ。
さて、この歴史書を紹介すると、
題字・ 大塚瓊草 書家
表紙絵・小嶋良三 画家
口絵・ 三村克彦 画家
巻頭を飾るのはアルバムで綴る百年史カラー、カラー64頁（１３８枚）、白黒73頁（１５５枚）。各界の有識者や公立・私立の学校長による特別寄稿。全国の大手、中小、個人塾からの寄稿。塾団体の五十年史の概要など、貴重な資料がふんだんに散りばめられている。記念論文の「江戸時代の寺小屋と現代の学習塾」などはかなり克明に書かれており、興味深い内容だ。
アルバムの注目は、明治45年２月（１９１２年）、浅草に時習塾を開塾した島本龍太郎塾長や塾生たちだ。当然白黒であるが、授業風景や夏期合宿、臨海学校などでの子どもたちの元気な様子が写真から見て取れる。カラー写真になると、各塾団体のイベントや勉強会風景になる。親睦を兼ねた旅行では、普段見ることのできない塾長たちの素顔が掲載されており、微笑ましい限りだ。
なお、「学習塾百年の歴史・塾団体五十年史」は東京をはじめ、全国の図書館（国立含む）などにも寄贈されている。
 ◎本書は全国に好評発売中である。興味のある方、読んでみたいと思われる方は、ぜひ下記までお問い合わせいただきたい。一口5.000円の浄財で一冊頒布している。
全日本学習塾連絡会議 発行
編集部 電話 042-482-1481 FAX 042-483-1618 |
2012/11 塾ジャーナルより一部抜粋
