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2012/7 塾ジャーナルより一部抜粋

[トピックス] 第1回 塾甲子園
「塾から日本を元気にしたい!」
大学生講師のもうひとつの甲子園大会

  2012年4月29日(日)/於 神戸朝日ホール(神戸市中央区)
主催 塾甲子園実行委員会
 
 青春をかける熱闘甲子園は、野球だけとは限らない。4月29日(日)、神戸朝日ホールにおいて大学生による甲子園大会が開催された。題して「塾甲子園」。個別指導塾の大学生講師が子どもたちと向き合い、取り組んできた集大成を発表する、塾業界初のイベントである。会場にはおよそ300人が詰めかけ、出場者の熱気あふれるプレゼンテーションに惜しみない拍手を送った。

 塾甲子園は、塾から日本を元気にしたい、塾業界で働く人が輝ける場をつくりたいという想いから開催された。出場塾がステージで日頃の取り組みを発表し、会場の一般参加者の投票により優勝塾が決まる。

 塾甲子園の記念すべき第1回には、3塾が出場。司会をターザン山下氏と小畑美奈子氏が務め、最初に特別ゲストの大阪市特別顧問・横浜市前市長の中田宏氏による講演が行われた。

 中田氏は、「若い人たちがこれから社会人としてどう生きていくか。この場を学びの機会にしていただきたい」と前置きし、海外旅行を例に、日本という国の信用があるからこそ、スムーズに外国に入国できる。我々は国に守られているとわかりやすく説明。そのうえで尖閣諸島の問題を取り上げ、大学やビジネスで中国人と話すときに、この問題をどう話すかと会場の参加者に問いかけ、「日本の領土であると一方的に主張するだけでは、相手を尊重しているとは言えない。少なくとも歴史的経緯を知り、日本の領土であるという根拠を話せるようになってもらいたい」と語った。そして、「大人として、自分との関係性の中で、日本という国をもっといい国にするにはどうしたらよいかを考えて行動していただきたい」と結んだ。

 続いて、塾甲子園実行委員長の小田原健一氏(個別指導スタディアシスト校長)が、「高校野球は野球を好きな人だけに支持されているわけではありません。塾甲子園も青春をかけて、子どもたちと向き合った講師の集大成。これから講師たちが筋書きのないリアルなドラマを皆さんに熱くお届けします。皆さんにも元気や勇気を感じていただければ幸いです」とあいさつを述べ、塾甲子園の幕が開いた。

■「生徒と本気でかかわり、自分自身の壁を乗り越える」
個別指導スタディアシスト 鈴蘭台駅前校

 スタディアシスト鈴蘭台駅前校の講師たちはこの1年間、生徒の目標を達成するために本気で取り組んできた。しかし、生徒に対して厳しくできないなど、それぞれが壁にぶつかって苦しんだ。それをどのように乗り越えてきたか。講師を代表して2人が発表した。

 1人目は、講師歴1年の女性講師。高校時代に同塾に生徒として通い、先生と生徒の距離が近い塾が大好きだったという。しかし、先生として働き始めて、生徒と十分にコミュニケーションがとれない現実に悩む。そんなとき、それまで元気だった中学3年の女子生徒がふさぎこむようになった。どうにかしたいと思って始めたのが、生徒一人ひとりとの交換日記。そこで女子生徒は悩みを打ち明けてくれ、次第に元気を取り戻していった。この経験から、生徒と互いに信頼しあえる関係を築くことを新たな目標にしたいと決意を述べた。

 続いて、講師歴3年目の男性講師が、勉強嫌いで自信をなくした男子生徒を本気で叱り、全力でぶつかることで、自分自身がいつの間にか自分の殻を破っていたことに気付かされた経験を発表。塾の個別指導を通じて、生徒が人間的に成長する力になれるように日々の指導に取り組んでいただきたいと語った。

■「生徒全員の人生に大きく貢献する」
岡村ゼミナールA−Plus 赤穂駅前校

 数学が嫌いな生徒が、1人の先生と出会って数学が好きになれば、その生徒の人生に大きなプラスとなる。岡村ゼミナールA−Plus赤穂駅前校の講師たちは、生徒全員の成績を上げて、その人生に貢献することを目標とした。

 まず始めに、テスト対策授業を工夫した。ブースを撤去し、通常は1対3の授業を1対6に変更して、生徒が授業を受けられる回数を増やした。さらに指導が行き届かないことのないよう、eフォレスタを活用。

 指導は、テスト範囲の指導から確認テストまでを7ステップに分け、生徒の進捗状況を確認しながら行った。その結果、7ステップ目まで到達した生徒は、やはり成績がアップしたが、全員というわけにはいかなかった。そこで、通常授業の見直しを行い、現在は新人講師の研修・育成に力を注いでいる。

 プレゼンテーションでは、講師歴1ヵ月の新人講師を指導する様子を再現。生徒とのコミュニケーションを双方向のものとするように、具体的な指導が行われた。

 最後に発表者は、生徒だけでなく講師も成長していけるような環境をつくっていきたいと力強く語り、発表を終えた。

■「ありがとう」が集まる空間
教育空間EXE 名谷校

 生徒や保護者にどのような価値を提供できるかを考え、講師たちは「感動」をテーマとした。感動は、実感が期待感を上回ったときに生まれる。逆に期待感を大きく下回ると不満、怒りの感情が生じる。感動も怒りも口コミで伝わりやすい。それは生徒数の増減に直結する。

 講師たちは、生徒・保護者に感動を与えて、幸せになってもらい、自分たちには「ありがとう」という言葉と業績が返ってくることを目指した。

 そのための取り組みのひとつが「完全担任制」。年間を通じた長期的学習計画を立て、保護者面談も担任講師が行う。授業の後も学校の宿題をさせたり、補習を行い、わからないまま帰さないことを徹底した。その結果、講師と生徒・保護者の間に強い信頼関係が生まれる。

 高校受験のとき生徒にとって少し高いハードルも、三者の信頼関係があれば、諦めずに頑張れる。プレゼンテーションでは実際に夢をかなえた生徒のエピソードも紹介された。

 プレゼンテーション終了後、特別審査員の木下晴弘氏(株式会社アビリティトレーニング代表取締役)が講評し、「周りの人を幸せにできたときが究極の自己実現。3塾の先生方のプレゼンはハートに残るもの」と賞賛した。

 この後、来場者の投票により、第1回塾甲子園の優勝校舎は、教育空間EXE名谷校に決定。トロフィーと表彰状が贈られた。

 最後に小田原実行委員長が、「他塾との差別化とよく言われますが、子どもや保護者が求める一番の差別化は、自分のことを見守り、温かく厳しく叱って褒めてくれる先生がいるということ。多くの講師が、連日連夜仕事に打ち込んでいます。そんな先生が誇りを持って日本を元気にしていけるような大会をつくっていきたい」と意気込みを語り、会場からの大きな拍手に包まれて、第1回大会を終了した。

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