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中学・高校受験:学びネット

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2012/5 塾ジャーナルより一部抜粋

次世代を担う講師たち 秀進アカデミー 代表 北山秀人さん
強気な指導に生徒・保護者が共感 塾業界に現れた風雲児

     
 安定した塾経営を続ける若き塾長でありながら、一方で「塾が嫌いだ」と堂々と語る。この塾業界に現れた風雲児──北山秀人秀進アカデミー代表がその本人だ。安価な授業料や高い合格実績など、注目すべき内容を打ち出しているが、実質はさらに目を見張るべき深い指導方針を基本に、生徒一人ひとりが自ら考え、努力し、そしてそれを楽しむようになることを重視している。合格実績や模試の高順位などはすべてその指導の結果に過ぎないと主張する、“他塾と比較することさえできない”塾を率いてきた北山代表。その本質を取材した。

指導方針のひとつは
保護者教育の実践

 優しい笑顔の下に、熱く世界を見つめる目を持つ男。それが秀進アカデミー代表 北山秀人さんの第一印象である。

 弱冠25歳で塾を設立し、数年で地域の信頼を得て、ゆるぎない土台を確立した。現在では開設8年目を迎える鵜の木校舎(東京都大田区)に250人超。2年目となる蓮沼校に90人ほどの生徒を抱え、日々の指導に当たっている。

 「メインは小学生から中学生。210人ほどの生徒が通っています。高校生は40人弱ですが、最近では中学を卒業して、高校に進学した生徒の在塾率が高くなりました。幸い、指導力のある講師陣はそろっていますから、今年度からは大学受験にも力を入れています」

 その指導は他塾とは全く異なるものだ。北山さんは、「塾が嫌いだ」と堂々と語った。だからこそ、せめて自塾では納得のいく指導を行いたいと考えているというのだ。

 その方針のひとつが、「保護者教育」の実践。

 入塾希望生の保護者との面談時、「勉強しない」「本を読まない」「話をうまく組み立てられない」などの子どもに対する親の悩みは一蹴。親自身が本を読む態度を見せないから子どもも本を読まない、話を組み立てられないのは、子どもの話を親が先回りして話させないから、話を組み立てられないなどを訴えている。

 「確かに実力アップは大事ですが、小・中学生のときは、それよりも人間の脳が最大限に発育する目標を立て、それを達成するところから始めるように話しています」

繰り返し目標達成を行う
努力を楽しめる子は伸びる

 成功率が100%の目標なら、子どもは何も努力しない。成功率が極端に低い場合は、最初から諦めてしまう。そのため、現在の状況では50%ほどの達成率しかない身近な目標を立て、まずはそれをクリアさせる。そしてひとつを達成したら、また次の50%の目標を立てて向かわせる。これを常に繰り返し、その努力が楽しいと感じられるような指導を行えば、生徒は伸びていくのだと語る。

 また、受験に失敗することを大きく捉えないというのも、北山さんの方針だ。中学受験に失敗しても、目標を自ら立てて計画し、それを繰り返し達成する。努力を楽しむことを理解していれば、3年後の高校受験では、かなりのハイレベルな高校へ合格することも可能になる。そしてそれは、必ず将来、社会で役に立つはずだと北山さんは胸を張る。

 「子どもに『ここまでやれればいい』、という上限を作らないことも大事ですね。学校の定期テストで点が良くても、褒めて満足させず、なぜ100点が取れなかったのかを追求させ、次回のステップアップにつなぎます」

 この指導により、秀進アカデミーは駿台模試で全国一位の成績や中学1年で英検2級取得というレベルの高い生徒を輩出してきた。だが、北山さん本人もそこで満足せずに、次の段階へと生徒を導くからこそ、周辺の大手塾にも負けることのない人気を誇る塾として成長しているのだ。

徐々に「教えること」から
手を引く難しさ
教育のプロだからできる指導

 北山さんの厳しい目は、塾内で指導をする講師にも注がれている。生徒の中に多く潜む逸材を磨くことができない塾講師が巷にあふれているのではないかと懸念しているのだ。

 「面倒見の良さだけでは、生徒指導には足りません。講師も保護者もすべてを教えるのではなく、徐々に自分で学んでいく姿勢をつけさせるように、学年が進むごとに手を引いていく必要があるのです」

 この“徐々に”が難しいのだと北山さんは話す。それができるのは親ではなく、高等教育まですべて指導することができる講師の腕なのだ。宿題なら、単に答えを埋めるだけではなく、その内容を考え、似た設問が出ても解けるよう、本当に理解してこそ意味がある。しかもこれを生徒自らが率先してできるようにする指導は、確かに教育のプロでないとできない。

 「自ら学ぶ姿勢を持ち、広い視野で社会に羽ばたく子を育て、その結果が受験合格として現れるだけという塾でありたいのです」

 その腕を持つスタッフがそろっていることが秀進アカデミーの特徴である。彼らは皆、厳しい北山さんの目にかなった実力のある講師。北山さんの考えに共感して、都心の大手塾を辞め、秀進アカデミーで力を尽くしている逸材も多い。もちろん、彼らに北山さんも全力で応えている、やりがいのある仕事とともに、通常の塾業界よりも高額の報酬で評価しているのだ。自分一人が潤うのではなく、得たものをともに分け合いたい──その考えを持つ北山さんだからこそできるシステムである。

合格・不合格よりも
自分が変わったことを
喜べる塾でありたい

 本当の意味で、社会で生きる人材を育成する。その過程に受験があるに過ぎない。その考え方は他の多くの塾とは一線を引いている。この考え方を学んだのは、教育現場や自分の頭の中だけではない、と北山さんは言う。異業種の経営や不動産管理など、職種をまたいで活躍する北山さんは、その中にもあらゆるところにアンテナを伸ばし、さまざまな情報を集めて役立てている。その結果が、塾運営の安定や講師陣の充実といった良方向に塾を導いているのだ。

 「今後の時代でも塾経営はさらに厳しくなるでしょう。その中で弊社がどう展開していくかを考えたとき、農業への進出や海外への発展もありうる。町の個人塾の経営者がグローバルな考えを持ってどうすると笑われる方もいるやもしれません。しかし、その視点を持ち、情報を分析できるレベルの力がないと、塾や教室で子どもたちに将来を語ってはいけないと、自分も他者をも戒めています」

 塾生の高校進学後の在塾率が高くなった今、高校生指導にも力を入れるため、今後は近隣の予備校に通う予定の生徒を勧誘していく予定だ。しかし、「入試合格」よりも「子どもが変わる」塾であることには変わりない。合格したことだけを喜ぶよりも、合格しようが不合格になろうが、自分が変わったことを生徒自身も周囲も喜ぶような、そんな塾であり続けたい。塾業界の風雲児は、自ら育てた侍を率いて強くそう未来を語った。

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