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中学・高校受験:学びネット

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2010/3 塾ジャーナルより一部抜粋

塾経営の「集客ルール」 この漢字一文字で塾が変わる 元気が出る!

第6回 あこがれる存在を見せ続ける

大咲 元延 (おおさき もとのぶ)
学生時代からはじめた英会話教室を経営するなかで数多くの取り組みを実践し、独自のノウハウを確立。さまざまな業種の中小企業の開業・経営・集客などのコンサルティングを行う一方、年間50回を越す講演会やセミナーで全国を回っている。中小企業診断士、書店経営者。趣味は、合気道、遊書。 著書は「小さなお店でガッチリ稼ぐ法」ほか。
URL: http://www.oosaki-k.com/

将来の仕事

 毎年どこかの調査会社がこのような調査結果を報告しています。小学生に将来なりたい職業は何?男の子は、スポーツ選手、医師、大学教授など。女の子は、ケーキ屋さん、獣医師、幼稚園の先生などです。しかし、実際現場での仕事ぶりを見ている子どもは少ないのが現状です。そのため、今の勉強が将来どのように役に立つかを想像することができません。

 成人してからも、こういった職業があるのか、このような仕事をしている人がいるのかといった感想を持つことが多くあります。子どもの時に知っていたら、そういう道に進んでいたかもしれないと思う人もたくさんいるのではないでしょうか。

今の勉強が役に立つのか

 最近、職場体験を実施している小学校や中学校が増えてきています。しかし、内容は、商店や幼稚園、老人福祉施設など限られています。仕事をする現場を垣間見るといった程度です。働くということを身を持って体験するということからは、大変意義があります。しかし、将来のあこがれにまでつながっていくという点からは、少しかけ離れている感が否めません。まして、今の算数数学、英語、国語、理科、社会といった勉強が、どれくらい役に立つのかはまったくつかむことはできません。

モチベーションを高める

 あこがれている人ということになると、イチロー選手、石川遼選手、テレビタレント、歌手などがでてきます。たとえばそういったあこがれる人から直接話を聞くことができれば。そしてその人の子どもの時の話、その時学んだ勉強が役に立ったという話を聞くことができれば、子どもの学習に関するモチベーションはいやがうえにも高まるのではないでしょうか。

 もちろん、そういった有名人から直接話を聞くという機会を持つことは難しいです。しかし、身近にいるさまざまな職業の人であれば、それは可能です。

幸せな社員さんたち

 昨年秋、ある広告代理店の研修会に招かれました。その会社では、2か月に一度土曜日の午前中に講師を招いて研修会をしているということです。なぜこういったことを経費をかけてしているかというと、社長さんは、自分の会社の社員は、自社のことや自分の仕事に関すること以外、あまり関心を持たずに、いわゆる世間知らずのところがある。そのため、あらゆるジャンルの人から、さまざまな話を聞くことで、見聞を広めてほしいということでした。

 今までには、お坊さんや神主さん、心理カウンセラーなど多彩な人を呼ばれたそうです。それらはすべて社長さんの広い人脈から呼ばれたということです。直接的な効果はともかく、幸せな社員さんたちだなと思いました。

塾で多彩な講師を招く

 塾でこれをするとどうでしょうか。目的は、生徒の学習へのモチベーションを高めることです。だから講師には、勉強していることがどのように将来役に立つのかということを話の中に入れてもらいます。

 招聘する人は、さまざまな職業の人が考えられます。会社や商店経営者、大工さんや美容師さんなどの職人さん、医師や弁護士などの資格をもって仕事をされている方、音楽、芸能、スポーツ関係の仕事をされている方、CAやファッションモデルなど華やかに見える仕事をされている方、新聞テレビ雑誌などマスコミ関係の仕事をされている方などバラエティーに富んだ方がいいでしょう。

 これらの人は、人脈から探していくわけですが、そういった意思を持ってたくさんの人に会い、話をしていくと、人と人とのつながりができてくるものです。これからの時代を担う子どものためという大義名分があるのですから、意気に感じてくれる方も多いのではないでしょうか。

生の声の威力

 こういった会は少人数でするのがいいようです。講演の後で、互いに話ができる環境をつくることが重要です。そこでより一層深く触れ合うことができるからです。直接話を聞き、疑問に思ったことを質問できるというのは、生徒にとって良い経験であるとともに、自分の将来像を描き、希望が持てるようになります。

 今の時代は、リストラや派遣切りなど社会的に暗いニュースが多く、子どもにとっても将来を不安に感じています。一生懸命勉強して大学をでても、働くところがないのではとか、結婚できるのだろうかといった不安が先にたち、勉強に身が入らなくなるのも分かります。

 だからこそ、マスコミで流されていることだけでなく、実際に仕事をされている人の生の声を聞くことで、明るい将来を見据えていただきたいのです。

感想文の効果

 こういったセミナーで話を聞いた後は、必ず感想文を書いてもらうようにします。これは印象を深く脳に刻みつけるという意味と、文章力をつけるという意味があります。人は、他人から聞いたことや本で読んだことよりも。自分が経験したことは、文章にしやすいものです。だから、文章を書くことが苦手な生徒にも、これは文章力増強の最良の手段にもなります。

塾内文庫の意義

 では、このようなセミナーや講演会でないと生徒が将来像を描いたり、学習のモチベーションを高めたりすることはできないかというと、そうではありません。塾内文庫として、偉人伝や経営者の立身出世を書いた本、研究者の書いた開発話の本、DVD、CDなどを揃えて貸出することも、目的に合致するものです。

 イチロー選手やオバマ大統領などのポスターを貼ることも、イメージづけをするのに一役買うことでしょう。ただしその際は、ポスターの下に、その人が言った一言や簡単なエピソードを書いておくようにするとより一層印象深くなります。

自分で考え行動する人間に

 学習のモチベーションというのは、親や先生など周りがうるさく言って芽生えるものではありません。しかし、芽生えるための環境を整えることはできます。

 塾では、生徒に学力をつけるのは当たり前です。しかし、生徒の将来まで見据えた教育をしてくれていると感じられる塾がどれだけあるでしょうか。希望の学校に入学するまでが塾の仕事であると考えるか、いったんかかわりを持った子どもの将来まで大きく良い影響を与え、自分で考えて行動できる人間にしていくのが仕事と考えるのとでは大きな違いがあります。

塾の中心軸を定める

 今回で、塾経営の集客ルールというシリーズは終了します。6回に渡りどのようにすれば生徒募集がうまくいくかという集客方法について書いてきました。結局のところ、塾経営の中に中心軸があるかどうかということになると思います。中心軸とは、得意分野と対象顧客の2つで成り立っています。この2つが定まっていないと、この軸はぶれてすぐに倒れてしまいます。

 自分の塾の得意分野、得意商品は一体何なのか。何を目的としてその商品を提供していくのか。そしてそれらはどういった生徒に向けて発信していくのかを考えていかないといけないのではないでしょうか。

 塾に生徒が集まるというのは、経済学における一種の投票行動です。生徒と親が時間とお金という一票を自分の塾に投票してくれるかということです。納得して、さらに他の人をも誘って投票してくれる、そういった塾にしていただきたいと考えます。

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