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中学・高校受験:学びネット

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2009/9 塾ジャーナルより一部抜粋

塾経営の「集客ルール」 この漢字一文字で塾が変わる 元気が出る!

第3回 独自性を出して差別化をはかる

大咲 元延 (おおさき もとのぶ)
学生時代からはじめた英会話教室を経営するなかで数多くの取り組みを実践し、独自のノウハウを確立。さまざまな業種の中小企業の開業・経営・集客などのコンサルティングを行う一方、年間50回を越す講演会やセミナーで全国を回っている。中小企業診断士、書店経営者。趣味は、合気道、遊書。 著書は「小さなお店でガッチリ稼ぐ法」ほか。
URL: http://www.oosaki-k.com/

他にはないものをアピール

 私は以前、約20数年間小中学生向けの英語教室を経営していました。その時に最も力を入れていたのは、他の英語教室や学習塾との差別化です。他の教室にはないものをアピールすることで生徒を集め、生徒や保護者の満足度を上げようと考えていました。
そこで実施していたのは、実用英語検定試験(英検)の合格率を高めることと、英語でのスピーチコンテストを全生徒に参加させることでした。
英検については、小学生で5級や4級、中学生では3級、準2級に合格する生徒がたくさん出ました。フランチャイズチェーンの教室だったのですが、全国の教室の中でもトップクラスの成績でした。近隣の教室では、それほど力を入れていないようで、これは保護者にとって教室選択の上で有効なポイントになりました。

保護者の満足度を高める

 スピーチコンテストは、年に1度大きな会場を借りて、保護者にも見に来てもらい全生徒に発表をさせました。秋に実施するため、その年の春に入学した生徒にとっては半年目です。その生徒たちも、長年英語を習っている生徒と一緒に一人づつ発表します。これを見ている保護者にとっては、この教室に通わせて良かったと満足します。他の教室ではここまでしているところはないからです。
このコンテストには、地元の新聞社やテレビ局も取材に来て大きく取り上げてくれました。マスコミも、何かおもしろいことや特色があることをしていると取り上げてくれます。当日の夕方のニュースでコンテストの模様が流されるのを見て、保護者の満足度も高まったことと思います。

明確な他との違いが必要

保護者の間では、「あの英語教室に通わせると、英検資格が取得できる。英語が話せるようになる」と噂になりました。
単に英語を教えていただけでは、他の教室との違いを伝えることは不可能です。いくら一生懸命に指導をしても、それは当たり前であり、教室の良さは保護者に伝わりません。まして口コミで広がることなど考えられません。伝わるためには、明確な他教室との違い、教室独自のオリジナル(独自性)が必要なのです。

地域の教育を担う

 では独自性はどのように作ればいいのでしょうか。それには、「ターゲット」「提供方法」「商品」の3点から考えていきます。
塾は確かに子供の学力をつけるところであるのは間違いありません。しかし、子供が成人したり、いなかったりという人にとっては、まったく関係のない場所です。
ここで地域の教育を担うという観点から自分の塾をとらえて、それをオリジナルにすることはできないでしょうか。ターゲットを他にも設定するということです。

英文詩の朗読クラス

 私の英語教室では、保護者向けに英語の詩の解説と朗読の時間を設けていました。月1回で希望者に来ていただいていました。当初はミニ英会話のクラスと考えていたのですが、これは近隣に英会話教室がたくさんあります。そうではなくて、ホイットマンなどの詩を原文のまま声を出して読むというクラスにしたのです。英文詩の韻を踏むここちよさと美しさを体感してもらいたかったからです。子供が英語を学ぶのをきっかけにお母さんも英語を再学習しませんかといったところです。最初は少なかった受講生も徐々に増えてきて、次回の開講まで待ってもらう状況になってしまいました。
これは平日の昼間に保護者向けに無料で行っていたクラスだったのですが、英語への関心、教室への関心と教室へのロイヤリティを培うという意味では功を奏しました。

塾の存在を明確化

 これを応用すると、お母さん向けの「源氏物語や万葉集を読むコース」、「戦国時代を旅する歴史学習コース」、ビジネスマンであるお父さん向けには、「ビジネス英語コース」や「人前で上手く発表できるプレゼンテーションコース」、年配の方向けには、「やさしいパソコンコース」「漢字検定コース」などさまざまなコースが考えられます。
教室の空き時間などの経営資源の最大活用という観点からも一考に価するのではないでしょうか。これらを実施することで、地域の教育の担い手として塾の存在を明確化することができます。
こういったことを周りの塾でやっていなければ、保護者間で話題になります。自分の子供がどこの塾に通っているかは言わない人でも、自分が何を習っているかは話したいものです。教育熱心な塾として、他との差別化が図れます。

1週間の休校、その時どうする?

 次に「提供方法」という観点から独自性を考えています。大阪では、今年5月に新型インフルエンザ感染予防で、小学校から高校まで1週間休校になる措置が取られました。中学生や高校生にとっては1学期の中間試験前という重要な時期でした。その時、大半の塾でも休みにされていたようです。インフルエンザが蔓延している地域ならばいざ知らず、大阪府下ほとんどの地域が、まったく影響はない状況でした。
この大切な時期に、生徒を午前中から夜間まで缶詰にして試験勉強をしていた塾がどれほどあったか知りません。そういったやり方をしていたとしたら、その生徒の試験の成績は格段に上がったのではないでしょうか。それと同時に塾の評価もあがったに違いありません。もちろん生徒全員ということではなく、保護者も納得の上での希望者対象で構わないと考えますが。

保護者は何を求めているか

 塾に子供を通わせる保護者の願いは一つです。学力をつけて試験でよい成績を取ること。そして希望する学校に入学できること。であれば徹底的に勉強させることを拒絶する保護者は少ないのではないでしょうか。
平日が部活などで帰りが遅く塾に通えない人向けには、週末合宿というかたちで、金曜日から日曜日に毎週合宿を行い、夜遅くまで勉強をするというのはどうでしょうか。宿泊の問題や食事のことなどクリアすべきことはたくさんありますが、決してできないことではありません。これを実施することで保護者には、徹底的に勉強させる塾というイメージがつくことは間違いありません。

コーチングという商品

 最後に「商品」での独自性という点で考えてみます。ここでは教科という商品ではなく、生徒のメンタルサポートとしてのサービスです。思春期の真っ只中にいる生徒にとっては、進路についての悩みなど、自分ひとりではどうしていいか分からなくなるものです。その時、しっかりとしたコーチングのスキルを持った教師がいると救われます。どうしても教師は、コーチングではなくティーチングになりがちなので、しかるべき研修でコーチングスキルを身に付けることをお勧めします。
生徒にとって頼りになるコーチがいる塾というのは、保護者にとってもありがたい存在です。また、他塾とは明確な差別化が図れるものと考えます。

独自性を発信する

 塾の看板やチラシを見ても、同じような内容が書かれているため、どこの塾に入るかを決める判断ができないところが多く見受けられます。自分の塾は他とはこういったところが明確に違う、これに合った生徒に来て欲しい、といったメッセージを発信することが必要と考えます。「発信する情報でお客の質が決まる」これは流通業で一般的にいわれていることです。お客を選ばない会社は、お客からも選ばれないのです。塾の独自性をメッセージに込めて発信してもらいたいものです。

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