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中学・高校受験:学びネット

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2009/7 塾ジャーナルより一部抜粋

塾経営の「集客ルール」 この漢字一文字で塾が変わる 元気が出る!

第2回 先に欲しがるものを提供する

大咲 元延 (おおさき もとのぶ)
学生時代からはじめた英会話教室を経営するなかで数多くの取り組みを実践し、独自のノウハウを確立。さまざまな業種の中小企業の開業・経営・集客などのコンサルティングを行う一方、年間50回を越す講演会やセミナーで全国を回っている。中小企業診断士、書店経営者。趣味は、合気道、遊書。 著書は「小さなお店でガッチリ稼ぐ法」ほか。
URL: http://www.oosaki-k.com/

同じ土俵に立たない

 ポスティング業者の男性が相談にきました。営業に行ってもなかなか取り合ってくれない。やっと担当者に会えても、低価格を要求されるので大変だということでした。

 確かに今や、ポスティング料金は以前のような価格ではできません。1枚3円前後の新聞折込との競争になっています。それは同じ土俵に立っているから、価格競争に巻き込まれるのです。ではどのように営業をしたらいいのでしょうか。それが今回の、「先に欲しがるものを提供する」です。

お客様は何を求めているのか

 ポスティングや新聞折込で宣伝をしようとするお店や会社が、一番求めているものは、広告宣伝費に対して十分な効果があるチラシをどのように作ればいいのかということです。ポスティング業者側からすると、それを教えることができれば、自分の会社のお客様になってくれると考えられます。

 でも彼は、毎日チラシを配っているにもかかわらず、その効果まで検証していないため、どういったチラシが効果があるのか分かりませんでした。

セミナーを開催した

そこで、セミナーを開くことを提案しました。テーマは「ポスティングで効果があがるチラシの作り方」。経営者や広告担当者が一番気になるところです。本当に役に立つ内容であれば、時間を割いて来てくれます。

 計画を立てた翌日から、会社訪問をはじめました。今回は、営業ではないため気が楽です。なにしろ無料セミナーの案内に行くのですから。しかも、誰もが聞きたい「効果があるチラシ作成方法」です。続々と出席の通知が入ってきました。欲しがるものを提供すると、案内をするだけで、お客様の方からやってくるのです。

顧客名簿を作成

当日は、約20名の出席がありました。私が講師として、約1時間効果があるチラシ作成について事例を交えて話をします。その後、約10分間、効果的なポスティングのやり方について、彼が話をします。これがポイントです。ここで話をすることが、後々生きてくるのです。

 このときにしなければいけないのは、出席された方の連絡先、会社名、出席者名などを書いてもらうことです。顧客候補の名簿作成です。 

先に欲しがるものを提供する

セミナーの翌日からは、その名簿をもとに営業に回ります。でも今回は、無料セミナーというある意味「恩」を売っているのと、顔を見せているため簡単に会ってくれます。しかも、そのときの相手の態度が、以前とはガラリと変化していました。今までは、仕事をもらいにきている単なる「ポスティングの兄ちゃん」でした。しかし、セミナーで10分間にしろ皆の前で話をしたことから「広告宣伝の専門家」ととらえてくれるようになったのです。

 営業先では、チラシ作りの相談を受けるようになり、ポスティングの価格については、問われなくなりました。また、印刷業者を紹介することでバックマージンが入り、利益構造も変化してきました。
先に欲しがるものを提供すると人は集まってくるのです。このやり方は、業種を問わず可能です。

塾の集客はギブ&ギブ

 塾における集客に際して、お客様である生徒および保護者が欲しがるものといえば、入試情報や勉強方法に関する情報、体験授業、ウチの塾にくれば必ず希望する学校に合格できます、または、席次を上げるという確約、生徒を励ましたり褒めたりすることで自信をつけさせることなどがあります。ここで学力を向上させるということは、塾においては当たり前のことなので、集客の武器にはなりません。

 どれを先に提供するかという違いはあっても、集客においては、とにかくギブ&ギブでなければなりません。

保護者にとって価値ある情報

 入試合格や成績向上の確約は難しいと考えます。もしこれができるのであれば、合格しなかった場合の返金制度をつくるとよいでしょう。また、他の塾などでも提供することができるものであれば、自分の塾のオリジナリティがなくなってしまいます。よく、〇〇高校に〇名合格。というのは、塾側からすると自分の塾独自のものと思われるでしょうが、保護者からすると、それほど価値のある情報ではありません。単なる自慢としか映らない場合もあります。保護者にとって関心がある情報というのは、自分の子供にとって役に立つかどうかということです。他の子供がどこに合格しようとあまり関心はありません。

不安解消の情報提供

 ではどういった情報が喜ばれるのでしょうか。そしてそれが入塾につながるようにするにはどのようにすればいいのでしょうか。

 新中学一年生の募集を例にとります。自分の子供が初めて中学生になる保護者としては、小学校の時と違いどういった勉強方法をしていけばいいのか不安です。まして英語という新たな教科が加わり、はたして4月に入ってからの学習でいいのか疑問で頭が一杯の状態ではないでしょうか。

 また、どこの塾に入ろうかという選択基準は、ほとんどが口コミです。チラシだけでは、どこも良いことばかりが書いてあり、どれを信じていいのか分かりません。

無料セミナーの開催

 そこで、こういった保護者に向けて、中学校に入ってからの勉強方法などについての無料セミナーを開催します。前半でお話したポスティング業者と同じです。前もって顔を見せておくと、人は安心します。ましてその時にためになる情報を提供されていれば、信頼感をもってくれます。

 ここでもう一段階踏み込むためには、セミナーを1回で終わるのではなく、3回連続のセミナーにするのです。いわゆるテレビドラマの「つづく」です。次回につなげるようにするのです。この目的は、顔をあわせる回数を増やすということです。人は3回も顔をあわせるとファンになってくれます。これは、経営戦略であるランチェスター戦略にも、接近戦というやり方でハッキリしめされています。

自分が欲しいものを先に提供する

 このセミナーの募集はチラシで秋頃から行うのですが、この際は、塾の宣伝文句は極力控えます。セミナーの内容と開催日時場所を前面に出したものにします。

 セミナー当日には、次回の案内を差し上げますということで、必ず参加された方の住所氏名を書いてもらいます。案内の際には、無料相談券などを一緒に送ります。また当日には、参加された方のみに配る資料を用意しておき、参加すれば得すると思ってもらうことが重要です。これが口コミにつながるからです。

 人は、自分が欲しいものをもらうと、その人に好感をいだきます。ましてそれがためになるものであれば、参加された方にとっても塾にとっても良い結果につながるものです。

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