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中学・高校受験:学びネット

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2009/7 塾ジャーナルより一部抜粋

新社長が目指す 新生“ウィザス”

  株式会社 ウィザス 代表取締役社長 生駒 富男氏  
     
 株式公開している塾の中、唯一高卒認定予備校や通信制高校・サポート校を複合した事業を展開している株式会社ウィザス(グループ)。平成18年に創業30周年を迎え、31期から新創業元年として新たな企業改革を行ってきたが、今年6月、その集大成として、新社長が就任した。49歳という若きトップは、これからのウィザスという大きな船の舵取りをどのように行っていくのか。インタビューでその展望を明らかにする。

キャリア実現支援企業が実践する
感動発信の場であり続ける

 この度は社長就任おめでとうございます。まずは、就任に至るまでの経緯を聞かせてください。

生駒 ウィザスは平成18年に創業30周年を迎え、翌31期を新創業元年として、さまざまな改革に取り組んでまいりました。堀川一晃前社長もまた、新たなウィザスを創るために奔走されておりましたが、理念の浸透と共有化、そしてアメーバ経営により、組織がポジティブに活性化し、成熟してきたことを背景に、新経営体制への移行を決断をされたと伺いました。

 社長就任に当たっての抱負は何でしょう。

生駒 当社ではウィザスコンセントブックという冊子を社員全員が携帯しております。「Vitamin for Vitality of With-us」のサブタイトルから、社員全員が『ViVi(ブイブイ)ブック』という愛称で呼んでおりますが、その内容は、当社が創業から大切にしてきている理念や事業に対する考え方および社員の行動指針等を記したものです。この考えを受け継ぎながら、一年前から本格稼動したアメーバ経営を当社独自のウィザス経営に発展させ、事業を推進・拡大していきたいと考えております。当社のコーポレートビジョンは「“社会で活躍できる人づくり”を実現できる最高の教育機関を目指す」ですが、このビジョンをより高い次元で実現するために、社員全員で次の新創業元年へ向けての最初のステージ作りに努力していきたいと考えています。

 実現に向けての教育内容を教えてください。

生駒 私は24歳で入社し、社会科の教員として教壇に立ってきた人間ですが、この間、ウィザスが生徒・保護者からの支持を拡げてきたのは、感動を発信することの積み重ねによる結果であったと実感しています。その根源的な考え方が、『われわれが行っているのは教育サービス業ではなく、生徒たちのキャリア実現を支援する感動発信企業である』という前社長の想いです。生徒に感動を与えるためには、まず、社員・スタッフが生徒からの信頼を得るよう、成長していかなければなりません。そして、その成長を基盤とし、生徒への「育む」教育の実践へとつなげていきたいのです。

 その「育む教育」とは、どのようなものですか。

生駒 私たちは「1/1の教育」を教育理念として掲げています。意欲喚起を前提とした「本気の個客主義」「本気の成績向上主義」により、一人ひとりの生徒に応じた指導を徹底して、志望校合格に導いていきます。また、個々の事情により、不登校や進路変更を行った生徒たちに対しても、当社および当社グループの高認予備校・通信制高校・サポート校など、さまざまな教育の機会や場を通じて、全生徒一律ではなく、一人ひとりの生徒と向き合って、一人ひとりの生徒の幸福を願って、一人ひとりの生徒を「育む」ことを重視する「1/1の教育」を実践していきたいのです。

塾業界に厳しい風が吹く中
過去最高の塾生数を確保

 現在の御社の教育事業の状況を聞かせてください。

生駒 第一ゼミナールやファロス個別指導学院に代表される学習塾事業。第一高等学院の高認・サポート校事業、グループ内でのウィザス高等学校・ウィザス ナビ高等学校の通信制高校事業を展開しております。中でも、少子化や不況で、塾生確保が難しいと言われる昨今、第一ゼミナールが昨年度の33期末で1万7,755人の過去最高の生徒数になったことと、開校4年目の通信制高校の生徒数(2校合計)が5,854人と、早期に支持を拡げられたことが良い点としてあげられます。

 その他の事業はいかがでしょう。

生駒 平成20年度からは、新たにインターネット上の各種教育事業の集合体として、いつでも・どこでもトータルな教育サービスが受けられるスクールシティー事業を開始しています。TV会議システムを活用して、ネット上で同じ目標をもった生徒でクラスを編成していますので、自分一人で学んでいるのではなく、多くの友人たちと励まし、意見を交換して、切磋琢磨できるシステムとなっています。現在、直営の高卒認定コースが250人、中学生の東書コースが40人ですが、特に高卒認定コースでは、以前より格段に継続率が高くなりました(継続率99%)。これは、「ホームルーム」や「メール指導」等によるチューターからの意欲喚起がその効果を高めているものと考えられます。
他塾さんにも当社が開発したプラットホームを提供しており、市進、LEC、グローバルエール、チームラビット、Z会など、多様な顧客ニーズに応えられるシステムになっています。今後も多くの教育機関に導入を進めていく予定であり、生徒の継続率を実感していただくことで、新たなウィザスの事業の柱になる、と確信しています。

 学習塾の伸びがすごいですね。

生駒 これは、昨年の社内テーマとして設定した「決意と全力&ふわふわワクワク」にもとづくポジティブ思考の浸透とアメーバ経営による社員の意識変革、行動力向上が効果を上げた結果だと思います。自分たちの目標を自分たちで作り、それを達成する方法を考え抜いて全力でやりきる。一方で、数字だけを追うことなく、全員でさまざまな課題をプラス思考で解決していくという意味を持っており、嫌なことや難しい問題もポジティブに受け止めて、乗り越えていく効果を生み出しました。そして、今年度は「もっともっと自分を好きになる自分づくり」を全社テーマが始動しています。こういったテーマは、一方的に押しつけるのではなく、社員が自分自身で考え、行動することが求められていますので、自己目標を乗り越えていこうという意識が持てるため、社員全員が、意識を非常に高く持って、問題解決にあたっていけています。

 ボトムアップを重視されているのですね。

生駒 前社長は、基本的には自分から「こうしなさい」と社員に命令することはありませんでした。ただ、理念に基づいたミッションの提示はあり、特に校の責任者のミッションは「任された地域での支持拡大」と「自分を含めた周りの人をハッピーにすること」であると示されました。私たちはどうすればその目標が達成できるのかを考え、自ら行動するということの重要性を学びました。

 これは、生徒の自立学習を促す方法にも同じことが言えます。一方的に教えるだけではなく、自己教育力をつける生徒指導を重視しています。社員・生徒ともに、自分が決めて実行するという意識を持たせることで、すべてに意欲的に取り組んでいけることでは同じことですね。

先を読んだ投資で利益ダウンするも
売上高はアップ傾向

 昨年度、第33期の売上高などを教えていただけますか。

生駒 売上高は137億6,900万円、前年度より4.9%アップしましたが、営業利益は8億4,900万円で18.5%ダウンになっております。これは第一ゼミナールの独立校舎化や第一高等学院の新規開校等、先を見た投資が短期的利益確保には影響しました。また、2009年度の通期予想としては、売上高が139億2,200万円、営業利益が6億7600万円となる見込みです。これは高認・サポート校事業および通信制高校事業において、売上計上基準の変更に伴い、売上高が約5億9,000万円の減額になる見込みのためです。そのほとんどは利益に直結するため、利益面で本年度に限って、マイナスの影響が出ます。

 塾部門では、成績向上・志望校合格のための生徒指導内容の充実による合格実績の向上に加え、単科での受講を可能にしたため、今後も生徒数の増加が見込まれます。まずは多くの生徒に第一ゼミナールやファロス個別指導学院の良さを知ってもらうことが最優先で、その後、授業コマ数の受講数増加等により、売り上げを上げていけるものと期待しております。

 学習塾と通信制高校やサポート校を有しているところはあまりありませんよね。

生駒 そうですね。株式公開を行っている塾は現在19企業ですが、その中でもサポート校の全国展開や通信制高校を持っているのはウィザスだけではないでしょうか。これは、前社長が創業時に「日本の歴史に残るような民間教育機関を創る」という信念を持ち、それを今までしっかりと根底に置いて事業を切り開いてきた結果の一つの表れだと考えます。

 そういった学習塾以外の学校の状況はいかがですか。

生駒 売上高の構成比としましては、学習塾事業が52.7%、その他の学校事業が通信制高校開校後43.5%と、この数年間で比率が高くなってきておりますので、2本柱として、当社を支える事業に成長してきたことは、間違いありません。

自分が本当になりたいものを探す
セルフコーチプログラムの導入

 今後の展開を教えていただけますか。

生駒 まず、今年度、全学年の入塾生にセルフコーチプログラムという冊子を渡しています。生徒自身が将来を考え、自分がどのようになりたいかを模索します。そして、そのなりたい自分になるためには、高校で、中学校で、小学校で、何が必要かを逆算して考え、プログラム化するものです。これにより、生徒は目の前の志望校合格だけでなく、広い視野でものごとを見るようになり、ひいては、「社会で活躍できる人になりたい」と努力の意味を理解し、前向きに取り組むようになります。これがウィザスのキャリア実現支援であり、これにより、『子どもの真の成長による顧客満足』『ウィザスの新たな企業価値の創造』『社会への貢献』といった3つの効果が同時に得られるのです。

 そこに、生徒のハッピーがあるのですね。

生駒 まさしくそう思います。生徒への意欲喚起教育、社員には自己成長に基づくやりがいのある仕事を、そして、そのことを通じた社会への貢献。この3つの貢献「顧客への貢献」「社員への貢献」「社会への貢献」こそが、ウィザスの目指す経営理念に他ならないのです。

 最後に、これからの社長の抱負を聞かせてください。

生駒 ウィザスで働く社員全員が、「私は感動発信企業で働いています」と誇りを持って言える会社に成長させていきたいですね。そのためには、多様な教育ニーズに対応していくことはもちろん、新たな教育市場を作り出す「勇気」と「知恵」が必要だと考えております。社員・スタッフ全員の力を結集し、日本の将来のための“新しい教育”にチャレンジしてまいります。

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