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2008/3 塾ジャーナルより一部抜粋

数学を学んで「知の財産」を貯めよう!

 

財団法人日本数学検定協会  松本 精一

 
 

今回は、8級・7級・6級の問題と解説です。8級の出題範囲は小学校2年生から4年生までです。7級は小学校3年生から5年生まで、6級は小学校4年生から6年生までです。したがって、主な受検者は8級小学校4年生、7級小学校5年生、6級小学校6年生となっています。

この問題は6級から8級までの共通問題として出題されました。教科書では扱わない、学年と無関係の問題で、受検者が検定会場で問題を見て初めて解き方を考えるようになっています。問題文も説明の部分が必要ですので、他の問題より長くなっています。問題自体はそれほど難しくありませんが、検定を受けているという緊張感のなかで、それを読み取って、理解し解答しなければなりません。 (1)、(2)は程度は変えずに階級ごとに設問を変えました。(3)は同一の問題を出題しました。

正答率は次のようになりました。

(1)は、各階級とも正答率は90%以上で、とてもよくできていました。熱量の単位kcal(キロカロリー)は、学校では学びませんが、日常生活では「カロリーひかえめ」などとよく見かけます。そのため抵抗感もなく問題に取り組めたものと思われます。

(2)は、問題は階級ごとに異なりますが、すべて同程度の問題です。2種類の食品から何種類の食品群が摂取できるかという問題ですが、すべて第4群が重複しています。重複しているものは1種類と数えるということが理解できるかを問う問題です。8級と7級の正答率はともに40%台ですが、この種の問題としては低くありませんでした。また、8級と7級に差は見られませんが、6級は他の階級よりも約20ポイント高くなっており、学習が進み理解力が深まっていることが分かります。

(3)は、食品群と熱量について問う問題です。「正しい」場合は、食品群と熱量の双方について言及しなければなりません。「正しくない」場合は、条件に合わないほうを述べればよいことになりますが、問題文に書かれている順序から考えると、食品群の条件を見てから熱量の条件を見ることになります。「数検」の受検者はリピーターが多いことが分かっています。正答率が8級から6級へと高まっていることから、受検階級が上がるにしたがって学習が深まっていくと考えられます。

OECDが実施している生徒の学習到達度調査PISAにおいて、日本は高等学校1年生を調査対象としています。数学的リテラシーに関して日本は2000年1位、2003年6位、2006年10位、また科学的リテラシーに関しては2000年2位、2003年1位、2006年5位と低下傾向が見られます。2006年調査の結果発表で、『日本の生徒は様々な科学的分野にわたりすばらしい知識基盤を備えているが、初めて出会う状況で、知っていることから類推し、知識を応用する必要がある場合や、問題と取り組む前に科学的問題を特定し、組み立てる必要がある場合は、成績が下がる』と指摘されています。

何事においても経験が必要です。新たな局面と向かい合ったときに、どのように行動すればよいか、その姿勢も経験から生まれます。小学生のときから、今回取り上げたこのような問題に触れることで、新たな問題に直面しても、自ら考え解決策を見い出す力を身に付けていただきたいと思います。

 
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