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中学・高校受験:学びネット

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2008/1 塾ジャーナルより一部抜粋

大学が名門になるには100年かかる。高校は5年で名門になる

瀧山 敏郎(たきやまとしろう)
大学講師(大阪工業大学、園田女子大学)・【衛星放送・スカイパーフェクトTV講師】・全国英語研究団体連合会理事・京都私立中学・高等学校英語研究会会長を経て、現在、東京・大阪を中心に教師を指導する教師として、教師アカデミーを主宰しその代表として活躍中。また大手塾・・高等学校(特に健全経営のための魅力あるコース作り)の顧問として、その経営と大学受験の指導にあたっている。
アメリカ・テネシー州名誉州民
著書 『英語長文の完全征服』【山口書店】・『滝山敏郎の入試英語に強くなる実況放送上下巻』【東進ブックス】・『滝山敏郎の入試英語ココから出る語法』【栄光出版】ほか多数
 
 

アホか!大学合格実績上乗せ

大阪のG高校は優秀な一人の生徒に73学部を受けさせその実績を上げていた。B高校は生徒5人に213学部を受けさせ139に合格していた。インチキ高校の情けない話である。しかし、ほとんどの中堅以下の高校は日常茶飯事的にこの類のことをやっているのである。生徒の頭数でなくて、延べ人数で発表し、現役受験生と浪人生を合わせて、現役生が合格したように見せかけている高校は五万とある。校長も教師もこれを当たり前のように容認している。組織ぐるみの改ざんである。

このインチキの合格実績を中学校に堂々と示しているのである。自校の校舎に大きな垂れ幕をたらし、この数字を世間に公表しているのである。教育的良心のかけらもない。こんな学校はつぶれたほうがいい。こんな学校に限って教師の学力低下はひどいものである。
最近の名門の私立高校は採用試験を実施しているようだが、中堅以下のひどい学校は採用試験をしていないところが多い。理事長、校長、教頭の知り合いの縁故採用が圧倒的である。残念ながら、公立の教員の学力とは比べものにならないのである。一度全教員を辞めさせ、学力テストをした上で採用したほうがいい。

私はかつてある超底辺の高校に招かれて、再建策はないかと相談を受けたことがある。集まった理事長、校長、副校長、教頭、教務主任、進路指導主任等総勢10人ぐらいだったと思う。冒頭理事長が「この学校の再生のための先生の意見を聞きたい」と言った。私は即座に答えた「この私の前に座っている偉い人全員即やめたほうがいい」と。この極端なことをしないと、今の私立学校は救えないのである。

一方塾は改ざんしにくいのである。生徒同士がよく知っているのである。唯一改ざんが出来るのは教場を多く持っている多店舗展開の塾にこの改ざんの可能性がある。塾が改ざんをやったらおしまいよ。私は一貫して公立学校に対して民間教育(私立学校、塾)の重要性を説いてきた。にもかかわらず仲間内から裏切り者(改ざん学校)が出てきたのである。私はコラム連載1で「話にならん経営者・話にならん教師」を提言した。再度経営者、校長、教師、講師に提言したい。

私立学校経営者の大問題点

経営者に理念がない・・・「公教育との差別化は進学実績・躾」
進学実績は改ざんしなくても合格できるし、成績が上げられる。以下のようにすれば短期、中期、長期の5年で完成する。(1)目標大学の設定 (2)無駄をはぶいたカリキュラム (3)受験プロによる教科書の選定 (4)自校の教師と外部の受験プロ講師の連携と役割 (5)プロ講師による目標大学の受験問題の分析。 (6)生徒個人の特性と希望大学のしぼりこみ (7)生徒をバックアップするチューター制度の確立 (8)週一回の情報・成績・到達度・勉強態度の交換会議。

このことをしつこくやることだ。当たり前のことを当たり前にやっていないのである。現名門私立高校のほとんどはかつては誰も行かない底辺校であった。典型的な例は京都の東寺高校、現在の洛南高校である。今や東大19・京大98・国公立全体で19年度273名の合格者を出している。経営者の理念、姿勢が全てを決める。洛南高校は社会に優秀な人材を多く輩出しているのである。

また、進学実績のない学校ほど躾がなってない。茶髪、服装の乱れ、化粧、だらしない靴の履き方等いくらでもある。ある私立女子高校の入学式の光景だが、生徒は茶髪とパーマをかけ、靴のかかとを踏んづけて親と式に参加していた。親も親である、注意をしない。しかも厳粛な入学式にもかかわらずしゃべりっぱなし。この学校の1年間の退学者は30人に達し、校則を守らない生徒の別室指導は一クラス分を超えるのである。

こんな生徒を入学許可した学校側に問題がある。トップが教師に生活指導を徹底して命令していないのである。同時に教師も生徒を怖がって思い切った指導が出来ていない。叱らない先生がいい先生と勘違いしている生徒がおり、教師がそれに迎合しているのが実態である。経営のためには何でも入学させる。掃き溜めの学校になっているのである。こんな学校に限って生徒が守らない立派な?校訓がある。わけのわからん抽象的人間教育論をなんぼ生徒に校長が語ってもクソの役にも立たない。

もう一つの差別化は躾である。躾で生徒を呼べる

他校との差別化は進学実績だけではなく「しつけ教育」も看板になる。東北のとある中堅の私立高等学校の話。進学実績では地元の公立高校に軽く負けているのが実情だが、とにかく生徒たちの挨拶がすばらしい。学校に来る業者をはじめどの来客者にも挨拶をするのである。地元の人たちに聞いてみると、地元の進学校に引けを取らないくらい、評判がいいのである。生徒数も安定して集めている。礼儀を買う親も多いのである。躾を教え込むのに理屈を言っていない。強制的にやらせているのである。
塾でも同じ話を聞く。「あの塾にいってから子どもが朝、夜におはよう、おやすみと挨拶するのでびっくりした」と親が出来てない躾を塾がやってくれたと感動している。「おはよう・いってきます・ただいま・いただきます・おやすみ」と言えることのすばらしさを教えようではないか。私は強調して言いたい、この挨拶の出来る子どもたちは必ず100%成績が上がるとお約束する。先ず挨拶から差別化を。

塾経営者の大問題点

  1. トップが講師、社員に弱腰である。辞められるのを怖がっている。トップのリーダーシップがない。人格的に失格。
  2. 社員教育、講師教育がまったく出来ていない。宣伝にしか金を使わない。教育費に金を使う経営者がいない。
  3. 塾講師の学力は公教育の教師に軽く負けている。力のある講師を採用出来ていない。採用できる人脈、ルートをトップがつかんでいない。
  4. 場当たり、無計画な塾展開、不透明な経営内容。そのために社員、講師の不信が授業に影響していて、生徒を大事にしない。
  5. 戦略がない。時流に乗っていない。他塾との差別化ノウハウがない。親対策、イベント対策、効果的な広告対策、営業対策がまったくない。
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