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中学・高校受験:学びネット

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2006/7 塾ジャーナルより一部抜粋

塾長さん、宣伝費にお金をかける時代ではないですよ!
講師を教育することに投資してみませんか!

瀧山 敏郎(たきやまとしろう)
大学講師(大阪工業大学、園田女子大学)・【衛星放送・スカイパーフェクトTV講師】・全国英語研究団体連合会理事・京都私立中学・高等学校英語研究会会長を経て、現在、東京・大阪を中心に教師を指導する教師として、教師アカデミーを主宰しその代表として活躍中。また大手塾・・高等学校(特に健全経営のための魅力あるコース作り)の顧問として、その経営と大学受験の指導にあたっている。
アメリカ・テネシー州名誉州民
著書 『英語長文の完全征服』【山口書店】・『滝山敏郎の入試英語に強くなる実況放送上下巻』【東進ブックス】・『滝山敏郎の入試英語ココから出る語法』【栄光出版】ほか多数
 

塾長さん、宣伝費にお金をかける時代ではないですよ!
講師を教育することに投資してみませんか!本物の塾をマジで作りませんか!
衛星放送のデジタルより人間の匂いがするアナログの時代だよ!

授業における差別化とは

 前号で情熱・努力・感性についての重要性を書いたが、だから即トップ講師になれるわけではない。瀧山が言う情熱・努力・感性は出発点である。端的に言うと、情熱・努力・感性のない奴は教壇に立つな、去れと言いたい。塾の講師も、学校の教師もサービス産業で働いているという自覚が必要だ。

 最近ある塾講師に会った。男性、年齢34歳、独身、塾歴10年、真面目、高学歴。彼が私のところに相談にきたのは、授業についての相談。内容は、(1)生徒がついてこない (2)支持率が下がってきた (3)授業が空回り (4)教室の生徒が減ってきた (5)塾長から叱られ、給料が減った。以上が主な相談事である。彼はまさしく、情熱があり、努力をし、少しだが感性がある。なぜか?情熱を丸出し、夜遅くまで予習し、努力しているのに。「仏作って魂入れず」である。「生徒は大事である」という総論はいいのだが、問題は各論である。彼は私の教材である。彼の悪いところから学んだことをシリーズで列挙して各論に迫ろう。

ヘタな授業…元気がない・覇気がない・聞き取りにくい・単調すぎる・変化がない・メリハリがない・説得力がない・わかりにくい

聞き取りにくい、覇気がない、メリハリがない、説得力がない、単調すぎる、おもろないは、その結果は生徒側に (1)集中力の阻害 (2)意欲の阻害 (3)思考の阻害 (4)理解の阻害 (5)記憶の阻害がおこる。

君の授業をちょっと変えるだけで大きく変わる。

声・・・
基本的な発声で大事なことは、声が前に出ているかどうかである。生まれつきの声質は仕方がないが、それを話すスピード、声の大小、声の強弱でカバーすべきである。生徒が授業中によく眠るのは、おおいに教師側の声にある。大きな声を出していると眠らないのかと言うとそうではない。声の大小ではなく、声の一定で眠るのである。メリハリのある授業の一つには声の大小・強弱・高低・スピードをうまく取り混ぜる訓練をすべきである。授業を参観した父兄の感想のなかで、授業が短かったというのがある。これは上記の声の使い方がうまい教師なのである。FM放送のアナウンサーが受けるのはこのことを言っているのである。塾にも、学校にもボイストレーニングを採り入れるべきだ。特に、学校では一人の教師にまかせきりで、何のチェックもなしだ。だから、M教師(問題教師)が続出しているのが現状である。教師をもっと科学的に訓練さすことだ。
言葉づかい・・・
幼稚、乱雑、粗雑。言葉の誤りは思想の誤りである。時として、生徒に近付くテクニックとして乱雑に話すことも必要であるが、基本はきちんとすべきである。ヘタな授業をしている教師には必ず、言葉グセ、ムダ語が多い。これが聞き取りにくい、眠たいの要因になり、聞き手に嫌悪感を与える。重要なポイントを教える最中にクセ、ムダ語が出てくると生徒の集中力がガクッと落ちるのである。典型的なムダ語、言葉グセに次のようなものがある。「あの〜」「え〜と」「まあ」「その〜」「ねえねえ」このクセが長ければ長いほどまた繰り返すと上記の5つの阻害が起こるのである。
「ぼかし言葉」「逃げ腰言葉」「弱腰言葉」もできるだけ避けるべきだ。
「多分」「できるだけ」「とりあえず」「かもしれない」「だと思います」このような言葉が出るのは自信のない証拠である。要するに自分の教科に関して、徹底した予習をしていない、データ、分析がないからである。ひどい教師は解答だけを教科書に写しているだけ。実際、私の長い教師生活で何回も目撃している。こんな教師に、講師に、教育を語る資格はないのである。
言葉の間・話の間・・・
「間」は話すことを商売にしている人にとっては一番大事である。しゃべりっぱなしは相手を無視して、自分よがりの不快感を与えるだけである。自画自賛で申し訳ないが、私は「間」の名人であるとよく言われる。私がよく使う例を挙げておこう。授業では教室に入ってすぐに授業をするのでなく、ほんの少し「間」をおく、その間に生徒がこちらを向くのを待つのである。授業中にここ一番の重要な問題を解いているときに、少し「間」をおくことで生徒の視線を私に向けさせる。「あれ、何で黙ってるのだろう」と不思議に生徒は思う、その時に「もう一度繰り返すぞ、むちゃくちゃ大事だからな」「間」は、また生徒に考えさせるためにも必要である。但し、「間」を下手に使うとそれこそ生徒は怠けてしまうし、ダメ教師のサボリの場になる。また教師、大人を相手にした講演の場合は最初の冒頭に10秒くらいの「間」を取る。一番ヘタな講演者のイントロの言葉は「ただいまご紹介いただきました〜です」私は最初から本題に入ることにしている。または、「昨日、電車に乗っていると、ある人に会った。その人が、私に…」といった具合に授業とは関係のないことを言って、こちらを向かせて、何を言うんだろうという興味を持たせるのも一つの手だ。また「間」は時間を置くだけじゃなくて立て板に水のごとくにしゃべることも必要である。かつて私の友人であり、ライバルである古典の荻野先生はよく「間」を学ぶために私の授業を覗いていたものだ。先生は「間」を学ぶために、露天商のお兄さんの叩き売りの口上を学んだり、落語を聞きに行ったりしたそうだ。私は特に、桂枝雀の落語を聞きに行ったものだ。トップと言われる講師は絶えず学ぶことを忘れない。

センテンスの簡潔性

 下手な講師のしゃべり方の典型的なものは、だらだら長く、要点を絞らないで、しゃべっている言葉に終わりがない、聞き手の頭の中で、句読点が打てないようなトークはいけない。生徒の頭の中に、ノートに生徒自らまとめやすくしてやるためには、ワンセンテンスの簡潔性が大事だ。生徒が「何を言ってるのかわからない」「眠たくなる」の現象はセンテンスの簡潔性がないのが原因である。百歩譲って講師の言ってる内容が重要で、的を得てたとしても、わかろうわかろうとする生徒の思考を邪魔しているのである。もったいない。少し改めるだけでまったく生徒の反応が変わる。これは授業の営業である。家に帰って、親が「塾の先生はどう、よくわかる」と聞かれて、子どもが「よくわかるよ」と言わせるのが大きな営業である。講師は意図的に変える授業をしなければならない。説得力のある授業は歯切れのいい簡潔なセンテンスを丹念に、丁寧に積み重ねることだ。

 次回もこの地味で大事なシリーズを続ける。

 

 

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