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中学・高校受験:学びネット

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2005/11 塾ジャーナルより一部抜粋

そこまでやるか! 実証報告・塾経営勉強会
今、話題の経営者が"生徒募集"と"今後の教育事業"を語る

  2005年10月2日(日)於 大阪・梅田スカイビル
主催 株式会社 SRJ(スピードリーディングジャパン)
 
     
株式会社SRJ(田中俊信代表)主催の塾経営勉強会が、梅田スカイビルで開催された。特別講師に、進級スクール(松山)・松岡功氏、クレデュース(愛知)・細川栄治氏、パシフィックゼミナール(愛知)・吉村寛之氏のほか、公の場で講演することは珍しい株式会社ウイザス・堀川一晃氏の4名が招かれ、自塾の取り組みや今後の夢について本音で語った。大阪はもとより遠方からも多数が参加しメモを取るなど熱心に聞き入っていた。勉強会終了後は講師を交えたフリートーク形式の懇親会も催され、充実した勉強会となった。

キーワードは、自己成長と社会貢献

株式会社ウイザス(第一ゼミナール・第一高等学院)
代表 堀川一晃 氏

創立30年を迎えて改革を推進

株式会社ウィザスは創立して30年が経ちました。再度見直す時期に来たのではと考え、改革を推進しているところです。まずは、柱となる「コーポレートビジョン」、並びに「運営の基本的な視点」についてお話ししようと思います。

コーポレートビジョンは、「"社会で活躍できる人づくり"を実現できる最高の教育期間を目指すこと」です。これは生徒ばかりでなく、600人の社員が自己成長を行い、さらに活躍できることを目指しています。

次に、運営の基本的な視点として三つありますが、一つ目は、「称賛の教育・称賛の運営」です。これはよくやっている、がんばっていると思えば、どんどん言葉にしようということであり、生徒ばかりでなく社員同士でも褒め合おう、という考えです。日本人は褒めるのが苦手で特に大人になって身近な相手を褒めることは少ないと思います。しかし、褒めることでやる気が出たり、成長を促すことにもなるので、非常に大切に考えています。第二に、行動指針として、「積極性(ポジティブ)・信頼・素直・考え抜く・感謝・尽力」を掲げています。「信頼」は、人から信頼してもらうためには、まず自分から信頼していこう、という意味を含んでいます。また、「考え抜く」は、ベストを超えるためにはどうすればいいか、考え抜く、ということです。例えば100mを12秒で走ることができたとして、ベストを尽くす、とは12秒でOK、ということです。我々はそれをいかに11.5秒にするのか、ベストを超えられるのか、に挑むべきであり、そのためにはどうすればいいか、常に考えよう、ということです。最後の「尽力」とは、自分だけのための「努力」ではなくて、人と自分のために力を尽くせ、という意味です。
三番目ですが、本年度の全社テーマとして「人間力の発揮」(能力の発揮+人間性の発揮)を掲げています。人は、心が動かなければ、行動しません。私はよく社員に「職責は何ですか?」と聞きます。職責は、人を心から動かすことです。当社では社員研修をよく実施ますが、単なる研修ではなく、一人ひとりの社員が、自己成長し、自分が変わり、人の心を動かせるような人になるための研修を心掛けています。なお、経営の細かい点については「30のセオリー」としてまとめています。

1/168の追求

私は26歳の時、あるきっかけで市会議員になりました。当時公立の小中学校へ何度か行く機会があったのですが、私は生徒の様子を見て、「こんな状態では、日本の未来はどうなるんだ!」と思いました。それで、何かしなければと思い、市会議員は1期でやめ、開塾したわけです。生活のためにやったわけではなく、何か子どもたちのためにしなければならないという思いだけでした。学習指導の経験も塾経営のノウハウもありませんでしたから、3年で5教室出していましたが、赤字続き、5年で10教室になって、やっと黒字になりました。しかし、その5年間というものは、借金が膨大にふくれ上っていました。黒字になってほっとしましたが、あの5年の日々以上にスリリングなものはないと今でも思っています。

さて、当初から私には仕事をする上で、ひとつのテーマがありました。それは「1/168の追求」です。168は、24時間×7日、つまり生徒の1週間の生活時間のことで、1/168とは、私たちがかかわる時間です。1/168をどのような時間にするのか、その限界を超えるにはどうすればいいのか、考えながらやってきました。もちろん最初は、学習指導を充実させることばかりを考えていて、数年経って意欲や能力開発に対する視点を持つようになってきました。能力開発としては、7年前、速読に取り組みました。学習指導のほかに意欲や能力開発の視点を持つことで、1/168の限界を超え、167/168に影響を与えることができるようになってきたのではないかと思っています。

現在の事業ですが、進学塾の第一ゼミナール、個別指導のファロス、高卒認定予備校の第一高等学院、幼児英語のブルードルフィンズの4つを主に展開しています。第一ゼミナールは120校あり、第一高等学院は、広域通信制高校のウィザス高等学校を含みますが、生徒は3,000名になりました。個別指導のファロスは、最初の導入部分に能力開発として速読を10分間取り入れるとともに、先生に頼りすぎるというデメリットを解消するシステムで、非常に好評です。

将来設計教育の事業化

近未来については、「将来設計教育の事業化」を考えています。現在ニートが85万人、フリーターが300万人おり、大きな社会問題になっています。当社でも、通信制高校に入学する生徒は、多くは引きこもりや不登校児です。ニートは引きこもりの人が多いのですが、そういう状態で大人になると、社会復帰するには大変困難です。この事業は、NPOを事業主体として、指導員を研修・認定し、派遣するものです。生徒に「将来は何になりたいか?」ということを常に考えさせ、前向きに将来を見ることで今、そのためにはどのような勉強をしなければならないか、勉強の動機付けにつなげていきます。

そのほか「高卒認定資格」に関連し、10月の「第1回全国統一学力判定試験」実施に向けて準備を進めています。

最後に、以前、塾は「必要悪」と言われたことがありました。我々はあえてその中に飛び込んだ同志でもあります。競争し合うことが常ですが、時には経営者が集まり、情報交換をすることで、成長のためのヒントが見つかったり、マーケット自体を拡げるきっかけにもなるのではないかと考えております。今回のように交流する機会が増えることを願っています。

社会に貢献する子どもを創りたい

進級スクール(松山)
顧問・松岡 功氏

7年前に「速脳速読システム」と出会った時、私はすぐに取り組むことに決めました。なぜなら当時、子どもたちが本を読まないので困っていたからです。早速1年かけて研修を受け、導入しました。そして全生徒が受講するようになりましたが、この間、20〜30人の生徒がやめたり、教師も去って行った人がありました。そういった犠牲を払ったのですが、速読を取り入れて、子どもたちはたくさん本を読むようになりましたし、ノーベル賞が取れる可能性を秘めた優秀な生徒が出てきました。また、気付けば速読は他塾との差別化になっていますし利益も上がったのです。

何より速読に取り組むうちに、速読のすばらしさを実感し、私は今では「速読で日本を再生しよう」というスローガンを掲げています。学習の基本は本を読むことです。
本をたくさん読み、優秀な、社会に貢献する子どもを育てることが、日本を再生することにつながると考えているのです。

私は現在、顧問という立場になりました。そして、夢であったボランティア15団体を財団法人にしました。ボランティア活動は、会社で取り組んでおり、15団体のいずれに参加しても構いません。そして勤務時間中であっても活動して構わないのです。
社会に貢献する子どもを創りたいと考えているのですが、今の日本の財政は破綻寸前で、子どもたちに大きなしわ寄せがやってきます。この現状を生徒に教え、行動することが大人の責任だと考えています。

説明会・講習会・父母面談の神髄

クレデュース
代表・細川 栄治氏

今後、会社が伸びるには

これからの時代は、強い商品をより強くすること、新商品をどんどん企画すること、そしてオプションの設定などを行っていかなければ勝負することはできないと私は考えています。本で言えば、ロングセラーとベストセラーを持つということです。ベストセラーは、1年で良いので、その時期に最も売れる商品を出すこと、そして毎年出し続けることです。

情報を得ることは大切ですが、課題意識のある人間が情報を得て初めて新企画などが生まれます。課題意識のない者がいくら情報に接しても、通り過ぎるだけです。課題意識のある人間が社内に何人いるかで、会社の将来が決まるでしょう。
また競合に勝つには、2つアイデアを持っていたなら、ひとつしか最初は出さないことです。良いアイデアはすぐにマネをされ、人的にも経済的にも力のある大手ならば、太刀打ちできません。相手が一歩出た時、もうひとつのアイデアを出すことで、勝ち抜くことができます。

また、これからの企画に関するキーワードは、「親子受講」だと考えています。特に速読や英語は、親もやってみたいと思いながら、なかなか習いには行けず、潜在需要があると思います。

説明会・父母面談のノウハウ

体験授業は、入塾を決めるか否かの大切な機会です。これは「実感情報」が非常に大事で、例えば速読なら、効果が数字など目に見えるもので示し、「ほんとにすごいなあ」と実感してもらうことです。すると、自己決定して入塾してくれますので、不満も出ず、あとがラクです。たとえ入塾しなくても、口コミで宣伝してくれたりします。
次に、説明会や懇談会を成功させるコツですが、全員に「YES」を期待するのは無理で、半分「YES」ならよしとします。説明は、ワン・フレーズに徹することが大事です。いくらよい話を聴いても、どんな話だったのか、簡潔に人に説明することは難しいですし、特にお母さんたちは苦手です。印象的なワンフレーズがあれば、記憶に残り、口コミにつながりやすいのです。また、現代人は長時間話を聴くというのが苦手ですから、映像を使ったり、時間は短く効率よく説明することです。実演販売や、TV番組、映画などの上手いプレゼンテーションを参考にするといいと思います。個人面談を成功させるには、「聴く」ことに徹することです。お母さんは必ず「すいません、うちの子ができなくて」と低姿勢で面談に来られます。ところが、心の中では我が子に能力がないと思っている親はひとりもいません。成績が上がらないのは、塾の教え方が悪い、教材が悪い、などと思っておられます。そのことをわかっていて面談するのと、そうでないのとでは、信頼を得るのに大きな開きが出ます。先生というのは自己陶酔しがちで、自分ばかりが話し、親は何も言えないような面談をしている人もいます。それでは、親の悩みは聴いてもらえず、フラストレーションがたまったまま帰ることになり、よい印象は残りません。保護者の話をよく聴き、その後、提案なり意見を言うと短期で信頼を勝ち取れます。

なお、この他にも多数の事例が提供されましたが、細川氏の「情報を得るにはお金がかかる」「お金をいただくのでその分以上を返す」という方針で、掲載できませんでした。

 
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