プレミアクラスの理科実験授業に潜入をした。理科室では、大庭典子先生が実験の手順を説明しているところだった。内容は「二酸化炭素を発生させよう」。教科書を使っての座学は昨日既に終えている。今回は夏ということで炭酸水を使用しての実験となった。
理系にシフトしたプレミアクラスだけに、生徒たちの実験器材の取り扱いはベテランの域だ。先生が「試験管に炭酸水をついでもらいますが、その量はどれぐらいだった?」と質問をすると、生徒から「5分の1から4分の1」とすばやく返事。続いて「沸騰後に小さな泡が出てきます。これは何の泡でしょう」。「空気の泡!」とこれも素早い。
4班に分かれた生徒たちは先生の指示で、炭酸水の入った試験管を支持管にセットしていく。この試験管にはゴム管がつながれており、反対側は石灰水の入った試験管に入れておく。そして炭酸水の入った試験管を加熱する。「ガスバーナーは弱火ですよ。石灰水は何でできていますか」。常に質問をすることで把握できているかを確認しているのだ。「水酸化カルシウム!」迷いのない返事だ。「アルカリ性の薬品なので、液体が手についたらすぐに洗ってね!」と注意もおこたらない。
先生が各班を巡回していくうちに、加熱をしている炭酸水の入った試験管にはぷつぷつと泡が出始め、沸騰していく。しばらくすると、反対側につながっている石灰水の色が白く濁ってきた。二酸化炭素が発生したことを証明している。その様子を注意深く観察する生徒(安全めがねをつけて)。「白く濁れば、加熱をやめていいですか?」と声が上がる。
その後、先生は全員を集合させ同じ実験器材を使って「逆流」という現象を実験してみせた。気体と圧力の関係やそこには温度が作用することも。試験管の水が一気に逆流し出すと「わー、すごーい」と科学の不思議を目の当たりにする生徒たち。まなざしは真剣そのものだった。
生徒に感想を聞いた。「難しい授業でも合間にこういう実験をすることで理解できます」「実験は楽しかったです。クラスのほとんどが理科部に入っています」「医者を目指しています」など積極的だ。なかには「プレミアの1期生として頑張りたいので入学を決めました」と誇りと自覚を持った返事もあった。 |