教員の能力向上へ
工夫を凝らした研修を日常的・組織的に実践
最寄り駅より続く、四季折々の花が彩るのどかな道を抜けると、白い校舎に青い屋根が印象的な銀河学院中学校・高等学校が見えてくる。国道や駅からも近く、通学利便の場所ながら、自然に囲まれた緑多い静かな理想の学習環境である。
開校して21年の若い学校にもかかわらず、受験生の人気は毎年高い水準を保ち、多くの入学希望者が集まる状況が続いている。この現状を、吉岡直人教頭はこう分析する。
「地域の信頼を集めるために努力を惜しまないのは、どの私学も同じだと思いますが、本校は生徒のためになることであれば、特に柔軟な姿勢で取り組むようにしています。それが評価されているのではないでしょうか」
歴史や伝統は確かに浅いが、その分、自由な企画を試みることができる。また、教員からの意見も、良いと思われれば即導入、実践される。
「若い教員が多いため、実践を試みながら、実践を語り合い教員全体が活気に満ちています」
もちろん、最も重要とされるのは生徒の持つ能力をいかに引き出すかということ。そのため、各教員は個々の指導に様々な工夫を凝らしながら、努力を続けている。
教員の研修も数多く用意されており、
毎年研究授業、新規採用者研修、部長・主任研修や夏期全体研修などを実施している。新規採用者研修は年間計画に基づき毎月実施するが、メインは5月に行う鞆の浦にある銀河学院研修センターでの合宿研修である。今年は、模擬授業に新任の先生のうち6人が挑戦した。今、社会や大学入試で求められている課題解決能力を育てるために、授業も指導案作成から「問題解決型の授業づくり」にこだわっている。学力向上に向けた授業改善を目指して、一人ひとりの教員が指導技術をみがくことを心がけているが、この研修には30名を超える先輩教員も加わり,発問の工夫・教材準備・板書計画から板書の方法・チョークの色の使い方に至るまで徹底的に指導し、6月の研究授業に備えている。
一方、部長・主任クラスの教員は両コースの年間の月別目標をもとに各学年の月目標を立て、運営委員会で成果を発表する。それをもとに年評価・改善を交流する。そうした実践をもとに年1回の部長・主任の合宿研修を行うことにしている。
「部長や主任は、学校教育目標達成に向けて、今自分が何をすべきかを認識する必要があります。特に、学年ごとに生徒の実態を把握し、改善を図りながら常にマネジメントサイクルでの実践を大切にしていきます。マネジメント能力の習得は、学年経営を任されるこのクラスの人材には必須です」
マネジメント能力を身につければ、難しい問題にぶつかった場合、混乱したり諦めたりすること無く落ち着いた対応ができるようになる。これは学級経営にもつながるため、最終的には全ての教員が習得することを目指しています。
「教員は、授業を大切にする必要がある。授業で勝負する教員になる」と、吉岡教頭は語る。より力をつける授業を行うために、問題解決型の授業づくりや、課題対処のための連携づくりなども、教員の研修内容に取り入れられている。
一人ひとりの学力向上に向けて
特進Sクラス担任者会を実施
6年一貫指導の中で、生徒一人ひとりの能力を引き出すため、入学時より特別クラス編成となる。特進Sクラスは難関国公立大学を目標に、特進Hクラスは国公立・有名私立大学を目標としているが、ともに生徒の希望や成績によってクラスを変更することができる。しかし、特進Sクラスから特進Hクラスへの移動は、本人や担当教員の努力次第で成績が維持できるとみなせるなら移動は見送られる場合が多い。「一度決めた目標を途中であきらめない」という銀河学院の教育方針によるものであり、全ての教科において、どちらのクラスも生徒本位に特色ある内容の授業が進められているのが特徴だ。
1年入学時より取り入れた特別編成のクラス経営も昨年度で1年が経過した。6年間の見通しを持って生徒を育てていくためにも学期に1回、特進Sクラス担任者会を学年主任を交えて実施している。会では、所属する生徒の生活課題から家庭学習時間の推移,各種成績分析や教科の授業担当者への要望など細部にわたって交流する。学年主任は学年課題として受け止め、日常的な授業のあり方や家庭学習の定着に向けて、特進Sクラスだけでなく特進Hクラスにも目を向けていく大切な機会としてとらえる。学年全体を引き上げていく原動力となるのも学年主任の組織力であるが、ここでもマネジメント能力が発揮される。 |
銀河の学びを習得する
集中力と持続力を育てる一〇〇〇分学習と勉強合宿
先生たちの頑張りは入学当初の生徒にも向けられている。入学当時にはまだ小学生の学習態度から抜けきれない生徒は多い。家庭学習の方法が分からないために予習や復習をしないという。そのため学習姿勢を身につける一環として取り入れられているのが、一〇〇〇分学習と呼ばれる勉強合宿だ。中学1年の4月に行われ、2泊3日で合計一〇〇〇分間の学習時間をこなすスケジュールが組まれる。基本の学習方法の習得とともに、目標達成の喜びと自信、ともに過ごす時間での仲間意識の発達を目標としているが、終了後には、「やって良かった」と笑顔で答える生徒も多く、不登校などの問題を抱える生徒の減少という良い影響も現れている。
一方、高校では夏期休暇中に6泊7日の東京合宿が実践されている。大手予備校の有名講師による銀河学院独自の特別講義や、予備校の難関大学進学に向けた夏期講座など、レベルの高い講義をともに受講する。学習意欲を刺激する目標以外に、東大や慶応などへ進学した卒業生と触れ合い、助言や受験対策を聞くことができる時間も予定に加えられている。参加は高校一年から三年までを対象とした希望制だが、中心となるのは高校2年。毎年約20人から25人程度が参加し、充実した時間を過ごしている。
自分の居場所を見つけ、しっかりとした目標を認識することができる。それが、銀河学院に通う生徒やその保護者、そして志望する受験生たちからの信頼につながっていることは間違いない。



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