全生徒にタブレット端末
オンラインスピーキングに活用
「S特進コース」「進学コース」「スポーツコース」の3つのコースがあり、生徒の夢や目標に合わせた学びができる中央学院高等学校。文武両道の精神の下、部活動も盛んな活気のある学校だ。
平成30年度からタブレット端末を使った学習をスタート。今年度で全生徒にタブレット端末の配布が終了した。
1年生はオンライン教材「すらら」を使い、中学の学習内容まで振り返りながら、基礎学力の定着を図る。2、3年生では「スタディサプリ」を使用。成績や進路希望に合わせて講義動画を見て、学習を進めている。
この他、タブレットを使った英語のオンラインスピーキングも導入。海外のネイティブスピーカーとの英会話で、英語の4技能の向上に活用している。
新型コロナウイルスの影響で休校した際には、Microsoft Forms やMicrosoftTeams でホームルームを実施。学校の課題やオンライン教材で学習指導を行なってきた。「今回のことで、タブレット端末の可能性は未知数なことがわかりました。次年度以降はネットワーク環境や機材の整備を進め、さらに活用できるように研究を進めたいと考えています」と横田一弘校長。授業再開後の11月には、50周年記念式典や生徒会による記念行事も行う予定だ。
特色ある3つのコース
検定試験にも積極的に挑戦
横田 一弘 校長
国公立・難関私大への現役合格を目指すコース「S特進コース」の特長は、正課外学習が充実していること。週4回、放課後に1コマ100分の講習を実施。春・夏・冬季の長期休暇中にも講習を行なっている。2、3年次の夏休みには志賀高原での勉強合宿に参加。1日600分を超える学習に挑戦する。しっかりと学習時間を確保することで、一般入試での現役合格を目指す。2年次からは、国公立を含む難関私大を希望する「SXクラス」と難関私大の「SSコース」に分かれる。
「進学コース」は中央学院大学をはじめ中堅私大進学を目指すコース。まさに文武両道、勉強も部活動もバランスよく頑張りたい生徒のためのコースだ。進学コースの生徒は、2年次にS特進の「SSコース」に上がることも可能。成績による選考はあるが、「毎年25人ほどの生徒がこのSSコースに進みます。非常に勉強に対する意識が高いですね」と横田校長。また、高校生の時に異文化体験をしてほしいという思いから、このコースの修学旅行はハワイに行く。
「スポーツコース」はバドミントン、陸上競技(長距離)、サッカー、剣道、野球のいずれかの部活に所属する生徒を対象にしたコース。全国レベルでの活躍を目指し、県外から入学する生徒も多い。関西、沖縄からもスポーツコースに入りたいと、進学を決めた生徒もいるほどだ。将来はスポーツ推薦での大学進学の他、私立文系大学など幅広い進路を選択することができる。
勉強や部活動と並行して「プラスαの自分づくり」として、推進しているのが検定試験だ。英検、漢検他にも理科検定など10検定が校内で受験できる。検定前には対策講座も開講。大学進学や将来の就職時にも役立つとして、毎年多くの生徒が検定試験に挑戦している。
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男子は剣道、女子は弓道
武道に触れ、人間として成長
同校の特色の一つに、武道の精神を学ぶ「校技」の授業がある。男子は剣道、女子は弓道を全コースの生徒が3年間学ぶ。創立以来続いている伝統の取り組みだ。
入学時に生徒は道具一式を購入。自分の竹刀や道着を持つことで、道具の扱い方や物を大切にする心も育む。「礼に始まり礼に終わる」礼儀作法も、武道を通して身につけていく。
練習の成果を披露する「校技大会」も毎年開催。「剣道はクラス対抗の団体戦。スポーツコースの剣道部の生徒は出場しませんが、学年関係なく対戦します。2年生クラスやS特進クラスが優勝することもあるんですよ。弓道では1年生は個人戦、2、3年生はクラスの団体戦を行います。卒業しても、武道の精神や所作は必ず役に立つと考えています」と横田校長は話す。
社会性や人間性を磨く取り組みとして、地域活動やボランティア活動にも積極的に参加している。地元のバス通りに花を植える「花いっぱい運動」に参加したり、「あびこカッパまつり」ではチアリーディング部と書道部がパフォーマンスを披露している。
キャンパスツアーで大学を知る
大切にしたい「建学の精神」
中央学院大学との高大連携も同校の魅力の一つだ。中央学院大学進学予定者には特別講座を開講し、大学入学後には単位として認定している。
また、中央学院大学への合格を得た上で、他大学へもチャレンジできる制度もある。「毎年本校から50名ほど中央学院大学へ進学しています。この大学に進学したいという理由から、本校に入学する生徒もいます」と横田校長。大学の入学金30万円も全額免除になる。
同校では大学について知ってもらう機会として、毎年生徒たちを連れて、大学生が大学を案内してくれるキャンパスツアーを開催。また、保護者会を大学施設で開催することもあり、保護者にもキャンパスの雰囲気を感じてもらう機会をつくっている。
横田校長は最後に「生徒には、建学の精神である、常に感謝の心を忘れないことを伝えていきたい」と語る。同校の建学の精神は、創立者の高楠順次郎氏の言葉。「誠實に謙虚に生きよ」「温かい心で人に接し奉仕と感謝の心を忘れるな」「常に身を慎み反省と研鑽を忘れるな」という言葉は、高校生にもわかりやすい。
「100年以上前の言葉ですが、時代が変わっても、すべての人に通じる言葉だと感じています。当たり前のように高校に通えたり、部活動ができるのも保護者の方のおかげ。感謝の気持ちを忘れないでほしいと思います」
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