世界情勢について
英語で読む・聞く
同校では、中高の6年間を2年ずつ「前期」「中期」「後期」に分け、高校2・3年生に当たる5・6年生では、進路の希望に応じて自由にカリキュラムが組める科目選択制をとっている。
今回取材した3つの授業「時事英語」(6年生)、「応用英会話」(5年生)、「ELA(English listening A)」(5年生)はいずれも、そうした選択科目。
「本校では文系・理系といったコース分けをしていません。ホームルームの生徒はそれぞれ、自分の選択科目の教室に移動して授業を受けています。どのような進路に進むのであれ、お互いの個性を認め合い、色々な考えの人たちと刺激しあって勉強してもらいたいのです」と、本山早苗副校長。
時事英語では、CNNのニュースやジャパンタイムズなどを使い、日本や世界のニュースが英語でどのように発信されているかを学ぶ。
この日、題材となったのは「世界幸福度報告書2019」。北島裕子先生の英語と日本語による解説を受けながら、自分にとって何が幸福なのかを考える授業が展開されていた。「socialsupport(社会的支援)」など、教科書ではなかなか目にしない英単語も多く、英語力だけでなく、日頃から社会問題や世界情勢についての関心や見識を持つことが求められる高度な内容だった。
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テンポよい英会話
環境問題をリスニングで
応用英会話はネイティブのジョンソン先生が担当。授業はすべて英語で行われる。「How about your GW?」の質問に、スラスラと答えていく生徒たち。このほか、事前に英語の本を読んできて、その内容について英語のクイズに答えたり、「I think〜」というフレーズを使い、自分の意見を言う練習をしたりと、会話も授業もテンポよく進んでいた。
このクラスは、KAC(Kizuna AcrossCultures)が運営する「グローバルクラスメート」に参加している。これは日本語を学ぶアメリカの高校生と日本の高校生を結ぶオンライン文化交流プログラムで、その活動の一つであるビデオコンテスト「VideoKoshien」では、昨年、同校の生徒の作品が国内2位に入賞した。
ELA(English listening A)は2時間続きの授業で、前半はLL教室で吉崎浩子先生が担当。発音の仕方などを細かく指導していた。後半はメディアセンター内にある通称「てらこ」(寺子屋のように話し合いながら勉強する場所という意味を込めて生徒が命名)に移動。ネイティブのアシスタントの先生2名も加わった。そこでは、昆虫が絶滅することで生態系に深刻な影響が出ることを紹介したニュースを題材に、様々な聞き取りテストを実施。ある昆虫についてのヒントを英語で出し、昆虫の絵を描いて答えるという、クイズ形式のユニークな問題もあった。
本山先生は「大学入試を突破することはもちろんですが、それだけが目的の英語の授業ではありません。大切にしているのは相手の言いたいことを理解し、自分の考えを英語を使って相手に伝えられること。将来、世界で人の役に立つ働きができるよう、英語の力を身に付けさせることを目標に授業を展開しています」と話している。
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