実践的な英語教育
Super English Course
(SEC)
「海外大学またはオールイングリッシュの国内の大学進学を目指す」。明確な目標を打ち出し、特色ある教育をしている目白研心中学校・高等学校の「Super English Course(SEC)」。
このコースでは、生徒は全員iPadを持っており、英語の授業では「Smrt English」というWebテキストを使用する。授業は英語でのディスカッションがメイン。海外での授業を想定した実践的な英語教育を行っている。
高2では全員がニュージーランドでの70日間の短期留学を経験。「異文化への視野が広がった」「リスニングとスピーキングの力が上がった」など、多くの生徒が成長を実感している。
教頭の長谷良一先生は「帰国後、生徒たちはSEC独自プログラムにより積極的に取り組むようになりました。TOEFL iBT対策講座なども熱心に受けています」と話す。
SECでは「世界事情」と「ファシリテーション&プレゼンテーション」という独自の科目を取り入れている。「世界事情」ではIS(イスラミックステート)はなぜできたのかといった、いま世界で起きていることを学習する。
「プレゼンテーション&ファシリテーション」では、会議の出席者からまんべんなく意見を引き出し、1つの結論に集約させていくスキルを学ぶ。この授業を担当しているのは長谷教頭だ。
「ファシリテーションで大事なのは対話。このスキルは将来、さまざまな国の人々と議論する上で役に立つでしょう。一方、プレゼンテーションでは目的を定め、その達成に向かって人の心を動かすことを目指していきます。SECの生徒はスライドを使って説明することには慣れているので、次の段階に進ませたい」と話す。
学習支援センターで
大学合格者数が激増
今年の大学入試実績は大きく躍進した。国公立8名、早慶上理6名、GMARCH42名、成城・明治学院など、中堅私大37名の合計93名。昨年の63名から30名も増加した。特にGMARCHと中堅私大の合格者の増加が顕著で、長谷教頭は「一部の生徒だけでなく、全体の学力が上がってきています」と話す。
この合格実績を支えているのが、4年前からスタートした「学習支援センター」だ。英・数・国の朝テストと連動した「基礎力定着プログラム」、一人ひとりに合わせた学習計画を元に進める「ステップアッププログラム」、大学受験向けの「受験対策プログラム」が用意されており、個別指導(有料)を受けることもできる。GMARCH以上の大学を志望する場合、半額を学校が負担するため、1講座月1万6,000円が8,000円で利用可能だ。
週4回以上活動しているクラブに所属している場合、高校生は20時まで、中学生は19時までセンターで勉強できる。基礎の定着から大学入試対策まで、すべて校内で完結できることが生徒の学力を飛躍的に伸ばしている。
中学受験に
英語スピーチ導入
来年度から中学と高校で一部入試の選抜方法が変わる。
中学入試では、新たに「英語スピーチ」入試を導入。ターゲットは英語が得意な小学生だ。中学受験塾には通っていないが、英会話教室等で英語を勉強してきた層にも門戸を広げる。受験生は事前に与えられたテーマに沿ってスピーチを考え、試験会場で発表。その後、スピーチの内容に対して質疑応答が行われる。レベルは英検4級を想定している。 |
「本校では、ネイティブ教員による英語の授業は習熟度別にクラス分けをしています。英・数・国は習熟度別の授業を行いますし、理・社も初めて勉強することを前提に授業を進めます。高い英語力を持った生徒を伸ばす環境が本校には整っていますし、4科の勉強をしていなくても十分対応できるようにしています」と長谷教頭。
高校入試では選抜コースの推薦入試・併願優遇入試の基準に5教科ポイント制を導入する。これまでは9教科の内申だけに加点されていたが、5教科で評価する内申にも英検・漢検・数検において3級取得で1ポイント、準2級で2ポイントを加点。例えば、併願優遇基準は5科18だが、英検準2級を持っていれば、5科16でもチャレンジできるようになる。
長谷教頭は「実技科目が苦手な生徒のために、5科の内申でもポイントが付くようにしました。大学受験でも外部試験を登用する流れがあることから、本校でもこうした試験の結果を評価したいと考えています」と話している。
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