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中学・高校受験:学びネット

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恵泉女学園中学・高等学校

 
  世界に意見を発信する英語力が身に付く
探究実験で理科教育も活発に
1929年、クリスチャン・河井道が、平和を実現する女性の育成を目指して創設した恵泉女学園中学・高等学校。聖書・国際・園芸を教育の柱としている。1日が礼拝で始まり、構内に花々が咲き誇る学園は落ち着いた雰囲気が漂う。今、力を入れているのは発信力の伸長を意識した英語教育と、探究実験による理科教育だ。これら2つによって培われる学力は、2020年から始まる新大学入試にも対応するものとして、注目されている。

校 長: 加藤 英明
住 所: 〒156-0055 東京都世田谷区船橋5-8-1
電 話: 03-3303-2115
交 通: 小田急線「経堂」駅・「千歳船橋」駅下車徒歩12分
学生数: 中学校 603名
高等学校 579名 (2017.7.1現在)
ホームページ: http://www.keisen.jp/

 

本気の「英語の恵泉」
中学時代に基礎固め

 英語教育への並々ならぬ熱意が伝わる力強いキーワード「英語の恵泉」。恵泉女学園中学・高等学校の英語教育の目標は、国際的な視野を持ち、英語をツールとして、平和の実現に貢献できる女性の育成だ。

 事実、国際関係を学ぶ学部への進学率も高く、国連難民高等弁務官事務所をはじめ、世界を舞台に活躍する卒業生も多い。しかし、最初から高い英語力を持って入学している生徒はほとんどいない。中学1年生全員が同じラインに立って、英語学習をスタートさせている。

 英語の授業は1クラスを2つに分けた少人数授業で行っている。

 「クラス分けは習熟度別ではなく、出席番号の奇数・偶数で分けています。そもそも勉強は人と比べるものではないと私たちは考えていますので、中学では習熟度でクラスを分けることはしていません」と加藤英明校長。

 教科書は検定教科書を採用し、無理な先取りはしない。副教材を充実させており、今年度は中1用の英会話オリジナルテキスト「Speak Up!」を制作した。「話そう!」というテキスト名の通り、実際に英語を声に出してみることに重点を置いている。

 「本校の校風はのびのびしていますが、英語の指導は『きっちり』という表現が当てはまります」と話すのは本山早苗副校長。小テストの結果が基準点に達していない場合は再テストや指名補習を行い、全員が同じレベルになるよう引き上げている。この丁寧に積み上げていく教育が、高い英語力の土台となっている。

 昨年から3〜5年生を対象に、エンパワーメントプログラムも新しく始まった。夏休みの5日間、アメリカの女子大生18名を招き、生徒5人のグループに1人ずつリーダーとして入ってもらい、さまざまなアクティビティを体験。生徒には英語で考え、発信することを楽しむ姿勢が生まれてきた。

 さらにオーストラリアへの3ヵ月の中期留学(ターム留学)もスタート。3ヵ月間ではあるが、英語を聞き取る力が格段に伸び、自立心も芽生えた。この他17日間の短期、1年間の長期留学のプログラムも用意している。

伝統の英語スピーチコンテスト
礼拝での感話が根幹に

 英検とTOEICは年2回校内受検を実施。合格率も高く、3年生の50%が準2級、5年生の52%が英検2級以上に合格している。海外経験なしでもTOEICスコア800を超える生徒が増えており、GTECの平均スコアも563と、100ポイント以上も全国平均(445)を上回る。特にリスニングとライティングのスコアが高い。

 4、5年生では英語のエッセイ「Journal」に取り組んでいる。それを週1回教員が添削。日常的に英語で自分の考えを書くことで、ライティング力を鍛えている。

 40年以上も続く伝統の英語スピーチコンテストは、英語での表現力を身に付けるとともに、社会的な視野を広げるきっかけにもなっている。

 4、5年生は自分でテーマを決めてスピーチを作成。3年生は暗唱の部に参加する。昨年のコンテストでは18歳選挙権や、現代まで続く人種差別についてのスピーチが入賞した。生徒は英語表現を磨くだけでなく、テーマを深く掘り下げてスピーチを考えている。

 「こうしたバックボーンになっているのは、本校の感話だと思います」と本山副校長。感話とは、生徒が日頃感じていることを文章にまとめ、礼拝のときに他の生徒の前で語るもの。

 「毎週、他の生徒の感話を聞き、自分も人前で自分の考えを話す。それが習慣化されているので、スピーチも感話を英語で行っている感覚です」

 感話は生徒が自分で丁寧に言葉を選び、大切に書く。感話によって、言葉に対する感性が磨かれている。

 言語能力の高さは、同校の生徒の読書量の多さも大いに関係している。中1では年間平均30冊以上の本を読んでいる。中学ではメディア教育部が、おすすめ本を各学年に40冊紹介。生徒はそのリストを参考に本を選び、「読書ノート」に感想をまとめている。

 毎日の礼拝、感話、英語学習、読書…。さまざまな取り組みが「考える恵泉生」・「英語の恵泉生」を育てている。

実験方法から考える
理科探究実験

 教育の柱としてもう1つ、力を入れているのが理科教育だ。昨年度から中3生で「理科探究実験」が始まった。これは物理、生物、化学の7つのテーマから好きなものを選び、班ごとに研究を進める探究学習。高校受験のない中高一貫校だからこそ取り組めるカリキュラムだ。ユニークなのは実験方法から自分たちで模索するところ。実験結果はグループごとにスライドにまとめ、クラスでプレゼンテーションを行い、質疑応答まで行う。

 「実験を通して思考力、判断力、表現力そして協働性も培われます」と加藤校長。

 また、科学に特化した課外活動「サイエンス・アドベンチャー」も学習の深化を進めている。研究分野は生物、化学、物理、コンピュータ・サイエンスの4つ。各班に分かれて、放課後や土曜日に活動している。現在メンバーは約50人だ。

 物理班はロケットの作成を続け、日本モデルロケット協会の「Girl’s Rocketry Challengeプログラム」に参加。今年5月にはJAXAで開催された全国大会に出場した。コンピュータ・サイエンス班は「ロボコン新人戦」に参戦。生物班と化学班も外部のコンテストへ積極的に参加している。

 自分で考え探求し、発信する力。同校では英語と理科の両輪で、その力を伸ばしている。

 
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