生徒個々の求めに応じた
進路実現を目指す
来年の創立60周年を控え、さまざまな改革を始めている桜華。来年4月からは校名を改め、日本体育大学桜華中学校・日本体育大学桜華高等学校となる。
昨年から就任した小巻明校長は都立高校で40年近く教鞭を執り、校長に就任。その経験から、桜華をより活性化させる改革を進めている。
学習面では、中1から英語・数学でチームティーチングを積極的に取り入れ、必要に応じて習熟度別の2クラスに分け、教員と緊密にコミュニケーションをとれる少人数で指導している。これまでの丁寧な指導などで蓄積したノウハウを生かした放課後講習や、検定補習の時間などは今後も力を入れて継続していく。
高校は「総合進学コース」と「総合スポーツコース」の2コース制。総合進学コースでは、今まで習熟度別授業を行ってきたが、現1年の2年次からアドバンストクラスを導入し、さらに生徒各々の学力に応じた授業展開ができるよう進めていく。クラス分けは柔軟に編成し、常に自分のレベルにあった指導が受けられる環境を整える。また、上位大学の合格範囲に届く生徒は、授業以外の時間でも徹底的に個別指導を行い、指定校推薦だけでなく、一般受験での合格実績を上げていく方針だ。
「授業で理解しきれない生徒や、授業の進度に遅れがちな生徒に対しては放課後に補習を行っていますが、併せて学力上位層の生徒にはより細やかな指導で、実力アップを図ります。また、総合スポーツコースにも学業優秀な生徒が多く、少人数授業で学力向上につなげていますが、今後はアドバンストクラスを開設することにより、学力上位層の育成を視野に入れています」
また、施設の改革も実施。放課後の空き時間に対応できる指導者を常駐させた自習室を今夏から設置。個別のブースで、中・高全学年が使用できるようになる。さらに、PC検索ブースや教員への個別質問ブースの設置など、中学から始めているICT教育もさらに拡大する方向だと小巻校長。
海外の生徒との触れ合いが
日常的にある環境づくりを
国際理解教育は、外国人との異文化交流など、体験活動も大切であると小巻校長は考えている。
そのために通常授業では、中学で「表現」の授業を使い、さまざまな課題を英語で表現する方法を学び、総合的な学習の時間でも、調べ学習や話し合い活動の後のプレゼンテーションを英語で行うように指導している。
授業以外にも、修学旅行を国内から海外(グアム)へ変更し、夏休みのカナダへの語学研修と3学期の3ヵ月間短期留学、福島県のブリティッシュヒルズでの語学研修など、学校外での語学力アップにつながる体験活動も盛んに行っている。
「東京オリンピック・パラリンピックでの一国応援(ブータン王国)活動も始めています。今後はもっと多くの国と交流したり、各国の留学生を招いたりしてクラスで交流を図るなど、異文化交流を通して生徒たちが大きく変わると感じたことはどんどん取り入れていきたいですね」
すでにこの春、ロシアから25名の生徒が桜華を訪れ、生徒たちと交流した。
「国際理解教育の最終目標は、英語教育の充実と拡大だと考えています。外国人と交流できる環境を整えることで、生徒が自然に外国人ともっと話したい、意見を交換したいという意識が芽生え、英語が苦手だった生徒でも、『英語をもっと学びたい』と意識を変えることができると確信しています」
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実力あるスポーツ選手を育成
ダンスパフォーマンス専攻も新設置
中学では、バスケットボールと剣道、レスリング、サッカー(日体大FIELDS:プロの教育チーム桜華U-15)の活性化が当面の目標だ。バスケでは、全国優勝経験のあるハイレベルな指導者を招聘したこともあり、ミニバス県選抜選手を中心にした有望選手が多数入学し、新一期生として練習を始めている。
「来年は、すでに一流の競技経験者や指導者を揃えていますので、剣道やレスリングでも優れた選手の入学が期待できます。サッカーやその他の種目も含め、多種目で全国大会への出場を狙えるよう改革していきます」
中学からスポーツを専門的に教育することで、より多くの生徒を長期間鍛え、世界で活躍するレベルの選手として育成していく。そのため、生徒を日本国内全域や海外から受け入れられるよう、寮を含めた環境も整えている。高校では中学と同様に運動部を強化、全国レベルのチームを育成中だ。
また、総合スポーツコース内にダンスパフォーマンス専攻を新設。実力あるプロのダンサーを招聘し、本格的なダンス指導を開始する。建設を進めている大型の第3体育館にはダンス専用スタジオが併設されるというから楽しみだ。
「ダンスは小学校の授業でも導入されていますが、全国的に指導者が足りません。そのためにも専攻学科で次世代のダンサーや指導者を目指す生徒を育成します」
さらに女子校ならではの制服デザインも入学希望者を引き付けるきっかけになればと考えている。そのため、制服業界トップシェアのカンコーと女性人気ナンバーワンブランドのアースミュージック&エコロジーのコラボレーションブランドである「カンコー×アースミュージック&エコロジー」が開発した、全国第1号のブラウンとピンクを基調とする、フェミニンで爽やかな新制服を来年度から導入する。
日々新しい改革への取り組みに奔走する小巻校長。その力で、たくましさと心豊かな人間性を持ち、明るく充実した生活を営む「生きる力」を身に付けた現代女性を輩出していく。
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