留学体験によって目覚める
他者理解と自己の可能性
「本当は上智大学に行きたいんです」。ニュージーランド3ヵ月留学に参加した一人の女子生徒が、心に秘めていた夢を、初めて「目標」として宣言した瞬間だった。
「留学で得る大きな成果が、『諦めない自分』です。さまざまな苦難を乗り越えた自信がある。だから、自発的に一歩を踏み出す勇気が出る」と副校長の浅見尚次郎先生。留学前は自他ともに「無理」と諦めていたことに、果敢にチャレンジする姿が、周囲に与える刺激は大きい。
同校では教育理念「他者理解」を実践すべく、グローバル社会に必要なスキル、@実践的英語力 Aコミュニケーション力 B自己表現力の養成を行う。
「英語教育」は6年間で3,000時間以上の圧倒的な授業量を誇る。オールイングリッシュで課題探求型プログラムを展開する週6時間の「LTE」で実践的英語力を鍛え、週4時間の「受験英語」で文法を定着。集大成と位置づけられている「ニュージーランド3ヵ月留学」は、中高一貫生の現中2生から全員参加となる。先駆けて行っている希望制の留学は今年で2年目。外国人留学生対象の英語以外の教科は、現地の高校生と同じ授業群から選択し、3ヵ月間、現地の高校生と同じ生活を送る。彼らが直面する最初の壁は「自立」を求める現地家庭のルールやマナーへのとまどいや学校で「自分」が受け入れられるまでの意志疎通の困難さでしょう、と浅見先生は言う。
「ホストファミリーの考えが理解できない、友達の輪に溶け込めないという不満や不安も、生活に慣れるにつれて、自分の至らなさや視野の狭さも原因のひとつだと気付きます。そして、自分自身にしっかりと向き合うことで、自然に相手の立場や状況が受け止められるようになり、いつの間にか壁を乗り越えています。留学の後半には、みんなと心を通わせている自分に驚きながら、『他者理解』の本当の意味を理解してくれているようです」
課題の克服法は個々に違えど、参加した生徒に見て取れるのは、日本の両親への感謝の念、何事も前向きに上へと「向かっていく」姿勢だ。
帰国後の進路サポートは万全
入学時の奨学金制度も充実
冒頭の生徒は、ニュージーランドの豊かな自然を事例に、「ビジネスと融合した環境保全を目指す」と研究計画書を書き上げ、AO入試で上智大学に今春合格。4月に帰国した男子生徒は英検準1級に挑戦中だ。
志をバックアップする環境も充実している。放課後、生徒たちは「武蔵野進学情報センター」に向かう。21時まで開いているセンターでは、受験情報を調べるIT環境、100万題を超える学習プリントを備え、自習室はもちろん、個別指導・eラーニング(有料)も受講可能だ。早慶上理・GMARCHの合格者は、一昨年から昨年にかけて3倍近く伸びている。1人1台貸与されるiPadを、生徒たちは英語以外の教科でもグループワーク、プレゼンテーションで活用し、ICTを日常的に使いこなす。大学入試改革で求められる幅広い思考力を育てる学習環境はほぼ整っていると、浅見先生は太鼓判を押す。
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来春の中学入試は、5回から4回実施(2月1日午前・午後、2日、4日)への変更以外、2科・4科選択と面接(受験生のみ)という試験内容は昨年と同じ。
「面接では小学校での生活や、中学校でやりたいことなどを聞きます。人柄を知りたいので『いつもの自分』で大丈夫」と浅見先生。
また「入学金等軽減措置」として、中学校の全合格者には入学金の一部が免除される「特待A」が付与される。「特待S」の成績優秀者には、さらに授業料を3年間免除。同校実施の模擬試験の成績が要件を満たせば特待確約を得られるのも、受験生と家族にとって心強いサポートだ。
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