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中学・高校受験:学びネット

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東京純心女子中学校・高等学校

 
  平和の「炬火(ともし)」となるために
「神様にも、人にも喜ばれる」
聖母マリアのような女性の育て方とは
創立者シスター江角ヤスのユニバーサルな思考、先進的な生き方こそ「本校で育てたい女性のイメージそのもの」と語る松下みどり校長。高い教養、留学で広めた見識と行動力を持つシスター江角は「『役立つ英語』を体得しなさい」、「どこであってもなくてはならない存在になりなさい」と自立的、積極的な働きができる女性像を生徒に示した。創立50周年を越え、平和な世界を創る炬火として凛と生きる女性を送り出す――東京純心の情熱の源に迫る。

校 長: 松下 みどり
住 所: 〒192-0011 東京都八王子市滝山町2-600
電 話: 042-691-1345
交 通: JR「八王子」駅・京王線「京王八王子」駅から西東京バス約10分「純心女子学園」前下車/JR青梅線駅「拝島」・「福生」駅から西東京バス約25分
学生数: 中学校 200名
高等学校 366名 (2016.5.1現在)
ホームページ: http://www.t-junshin.ac.jp/jhs

 

見えないものを見る力を
教科学習で開花させる教員力

 長崎・鹿児島の姉妹校の教員を経て、東京純心の校長に就任して半年後、松下みどり校長はこう語った。「この学校の素晴らしさを私だけが客観的に見られる。その良さを多くの人に伝えることが神様から与えられた使命」。あれから1年、どんな発見があったのか。

 「生徒一人ひとりに対する先生方の細やかな心遣いが具体的に見えてきました。例えば、本校では理科実験が多いのですが、先生方の準備の手際が良くて手順も丁寧。解剖が苦手な生徒にも繊細な配慮がされている。説明もわかり易くて、生徒の興味を引き出す授業展開は見事です」

 松下校長も古典を指導する一教員だが、「先生方はとても能力が高い。クラスの個性に合わせて授業を工夫なさっている」と絶賛する。

 昨年度の教育目標は「学習を通して見えないものを見る」。社会科なら過去や遠い国の事情を知る。国語では言葉から人の思いを読み解き、数学では論理的な思考で物事を分析する。「本当に心強いのは」と松下校長が強調するのは「ベテランの先生方ほど、新しい提案を積極的に採り入れる情熱があること。私の役割は、先生方が自由な発想で授業の可能性を広げられるよう後押しする、皆が『一番良い』と決めたことを実現する環境を創ること」と熱がこもる。

 ICTによる「双方向型授業」を推進するためのプロジェクト、生徒全員がタブレット端末を活用する授業や予習・復習用としてのeラーニングを早期に導入する予定である。

 「人間や社会・世界・自然界の理想的な姿を想像し、実現させる方策や道筋を考える中で、生徒も教員も『自らがなすべきこと』が見えてくると思うんです。体験を基盤に養われる『見えないものを見る力』、それが『叡智』ではないでしょうか」

「叡智」の基礎を中学で徹底
高校で個の力を伸ばしきる!

 純心教育の3本柱「叡智・真心・貢献」。昨年は「叡智」の年に、という宣言のもと大胆細心な改革が実行されてきた。

 中1には1年間の、中2には2年間の学習到達状況を確認する試験を導入、高校では入試結果を基に習熟度最上位層の「Sクラス」を設置。4月からは「英語」、9月からは「数学」の「Sクラス」がスタートし、大学入試へ直結する。

 アクティブラーニングのひとつ、教科と図書館がコラボレートする純心オリジナル「探究型学習」を高校にも導入。高2「生命倫理」の授業では、宗教科の先生が設定した7つのテーマ「出生前診断・人工授精、代理母・安楽死(など)」で調査チームを組み、「ポスターツアー」(調査内容をポスターにまとめ、聴衆の前で説明)を行った。

 「古典が苦手な生徒がこの『ポスターツアー』では張り切って発表していました(笑)。生徒の可能性や潜在能力を引き出す。だからこそ、問題解決能力や表現力の基盤を中学段階で盤石にし、高校で伸ばしきる流れをつくりたい」

 今年度、高1から新たに現代文にも習熟度別クラスを設けて、大学二次試験対応力の強化を図ったり、高2・高3の「セレチオナーレ(選択)制」の選択科目に「21世紀型学習」の新教科を加えたりすることも検討中。

 入試においても、その生徒の個性を大切にしている。中学校入試(5回)の「適性検査型入試」や高校入試(2回)で昨年度新設された「選択型入試(英語か数学)」など特徴のある入試に、総合力のある優秀な生徒が集まったことでもよくわかる。成績上位者対象の奨学金が6年間支給される制度に整ったのも人気を呼んだようだ。

こころの教育が生む
自らの使命を実行する力

 昨年の『学校案内』の巻頭「江角ヤスものがたり」には、創立者シスター江角が、東北帝国大学生時代にキリスト教に出会い、数学科教員を経て欧州へ留学、長崎で純心高等女学校を創設するも、原爆で生徒・教職員214名を亡くした体験などがイラストで描かれている。

 「だからこそ、生徒をかけがえのない宝として大事にする。平和を力強く訴え、平和のために働く女性を育てたいという思いが、特に強い学校です。マリア様も『いま自分がすべきこと』を考え自ら行動できる方。『神様にも、人にも喜ばれる人』を育てる建学の精神は、問題解決能力や、平和・人のために貢献する『こころ』の教育を通して、今の時代に即した形で生きています」と松下校長。

 中学生の進路活動では、古今東西・身近で活躍する女性たちの生き方をアクティブラーニングで学ぶ。今春の大学進学実績では、国公立・早慶上智理科大・GMARCHへと進学実績が堅調の中、津田塾・東女大・日女大など名門女子大合格者が目立つ。

 「女子大卒の学生の就職率の高さも人気の一因」と入試広報部長の高橋正先生。卒業生も在校生も、社会や人を明るく照らす「真心の炬火」の教えを実践している。

 先日、松下校長は生徒会から「滝山うさぎ」のスタンプを贈られた。「滝山うさぎ」は、イラストを描くことが大好きな松下校長オリジナルのキャラクター(滝山は東京純心学園が建つ丘。「江角ヤスものがたり」も松下校長が描いた)。

 「書類に押したら、みんなきっと元気になる」という生徒の言葉に「他の人の幸せまで気遣う想像力が素晴らしい。大人以上に細やかな心遣いを見せるときがある」と目を細める。「私たちは生徒に支えられている、と感じます。こころから嬉しい」。

 尊敬と慈愛で結ばれる人間関係、それが純心の原点だ。

 
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