教育理念「他者理解」を堅持し
グローバル人材の育成に取り組む
創立以来100余年の歴史を持つ武蔵野中学高等学校は、教育理念「他者理解」を堅持して今に至っている。「他者理解」とは、他者一人ひとりに、自己とは異なる状況・価値観があることを認識・理解したうえで自律的に考え、行動することを意味する。「まさにグローバル化する社会において求められるコンセプトだと思います」と入試広報企画部長の田島英和先生は語る。現代に求められるグローバル人材育成のため、同校では特に英語教育に力を入れている。
そのひとつがLTE教育。中高一貫生には中高を通して英語は週に10時間、そのうち6時間は「LTE授業」と称し、専任の外国人教師によるオールイングリッシュの授業を行う。グループワークやディスカッション等をメインとし、英語を「使う」「触れる」機会をたくさんつくる。週10時間もの英語のシャワーを浴びることで、中3の段階でほぼ全員が英検準2級レベルに達するという。
また、中高一貫生は高1の1月から3ヵ月、ニュージーランドの語学留学が必須となっている。現地の家庭にホームステイしながら現地の高校に編入。この留学後、生徒は「海外の大学に進学したい」「英語を使った仕事をしたい」と、英語に対するモチベーションが高まる。留学後は全員が英検2級以上を取得できるような講習プログラムを英語教師が組み、生徒のやる気をフォローしている。
高校からは毎日英単語の「朝テスト」が実施され、テストで基準に達しない生徒は放課後に補習を受けることになる。この朝テストの予習のため、生徒たちは日々自宅学習を続けるようになる。「一旦、勉強する習慣が身に付けば、他の教科も勉強する習慣が付き、学力は確実に伸びていきます」と田島入試広報企画部長は語る。
進学実績は5年連続で上昇中
部活ではオリンピック選手も輩出
同校では『夢の数だけ、武蔵野がある』をモットーにしており、勉学やスポーツ等、生徒の異なる「夢」を叶えるべく、教師陣が手厚くサポートしている。
「入学時は目標がなくても、入学してからさまざまな体験をすることで目標を見つけられればいい。ただし、夢を見つけた生徒には教師が徹底的にフォローします」(田島先生)。
ゆえに教師の採用基準は厳しく、学生時代に勉強はもちろん、クラブ活動なり海外ボランティアなり、何かに打ち込んだ経験のある教師を採用している。さらにLTE授業を円滑に進めるため、TOEIC800点以上を必須とするなど、英語能力も問われる。 |
また、4年前からは中1から全員にiPadを配布し、電子黒板と連携した授業を行う「ICT教育」を開始。ICT授業では、授業中に教師の出す設問に対して、生徒全員がiPadで選択肢の中から回答しなければならないので、自然と授業に対する参加意識が全員に芽生える。
その他、学内に「武蔵野進学情報センター」を設置。放課後にプロの講師による個別指導やグループでの補習等を行っている。7月には2泊3日の勉強合宿を行い、1日8時間の授業以外は英語を使うルールを設け、生徒に勉強への動機づけを行う。
こうした取り組みの成果が表れ、年々、進学実績が上昇。2014年度卒業生は、早稲田大学、東京理科大学、明治大学、國學院大学などに進学。この数年で、付属の武蔵野学院大学以外の大学にチャレンジする生徒が増えていることも注目だ。
勉学だけでなくスポーツでも大きな成果が出ている。水泳では強豪校の同校。2012年のロンドンオリンピックに出場した生徒もいる。チアリーディングも健闘しており、アメリカの大会で優勝、日本では全国大会優勝を果たしている。
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