理系の「ナゼ」の好奇心を育む
サイエンスフロンティア
最先端の医学や科学技術の分野で活躍できる人材の育成をミッションに掲げる「サイエンスフロンティア」では、大学進学だけで終わらない、将来の職業へとつなげる教育に力を注いでいる。
「自分の興味のあるテーマ、職業を見つけさせるため、さまざまな行事や働きかけをしています」と、同コース主任の栗田高明先生。
そのひとつが大学の研究や施設を訪問する「サイエンスプロジェクト」だ。今年は2年生が東京理科大学を訪問、1年生は帝京大学のカレッジインターンシップに参加した。他にも理工系の大学から講師を招いてのセミナー「サイエンス講演会」も開催している。
夏休みには「インターナショナル・サイエンスセミナー」を開催。1年生には、外国人講師の英語による理科実験「サイエンス・イマージョン・プログラム」、2年生は「イングリッシュ・インタラクション・キャンプ」が行われる。これは生徒5〜6人のグループに外国人留学生1人が入り、さまざまなトピックについて英語で話し合うもので、最後は英語で発表も行った。
「大学で研究するにも、社会で働くにも英語は欠かせません。高校時代にこうした経験をすることは、将来につながっていくと思います」と栗田先生。
同校では全コースで「課題探求学習(Key-Quest)」を実施。テーマを自分で見つけ、研究・発表する学習に取り組んでいる。「特に理系を目指す生徒は、自分からナゼに気付いて答えを導き出していくことが大切」と、同コース2年担任の鈴木尊先生。11月には1年生がつくば防災科学技術研究所へ、2年生はメディカルプロジェクトとして、国際医療福祉大学を訪れる予定だ。 |
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商業科から国公立合格へ
探求学習で生徒が成長
国公立への高い進学実績を誇り、志望者を年々増やしているのが商業科「人間経済」コースだ。国公立受験に必要な日商簿記2級の合格率は100%〔第137回検定、創立以来の快挙(水戸地区全体は34.3%)〕と高く、茨城大学、横浜国立大学などに合格者を輩出。「入学前は『本当に国立大学に行けるの?』と思っている生徒でも、先輩たちが頑張った話を聞いて、頑張ろうとやる気が出るようです」と菊田暢章先生は話す。
資格取得と同時に課題探求学習にも力を入れている。2年生は架空の株取引に挑戦。東京証券取引所の銘柄に対し、仮想の所持金1,000万円を投資。日頃から新聞を読み、社会情勢を考えながら取り組んでいる。さらに菊田先生が指導する「菊田塾」もスタート。これは課題探求学習とは別に自分の調べたいことを研究するもの。「少子化」や「茨城の観光PR」等、商業以外の分野にも興味を広げて研究している。
「推薦入試の小論文や面接では、学校の教科では教え切れないことも問われることもあります。知識の幅を広げないと対応できないのが、今の推薦での受験だと感じています」(菊田先生)。
社会の仕組みや経済について学ぶことは、進学実績以上に生徒を成長させている。「人間経済」コースに進学した生徒が中学校に挨拶に行くと、言葉遣いや考え方がしっかりしており、中学校の先生が『え、あの生徒がこんなに立派に?』と驚かれます」と生徒募集部部長の竹内弘文先生は話す。兄弟、姉妹で入学するケースも多く、この春は母親となった卒業生が、親として入学させたいと我が子を進学させた。
サイエンスフロンティアと人間経済コース。この特色のある2つのコースが、生徒の可能性を大きく伸ばしている。 |
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