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中学・高校受験:学びネット

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暁星中学・高等学校

 
  多様な感性を伸ばす、高い教育力
深い教養と、高い倫理観を備えた
大変革期を導くリーダーを創出
暁星中学・高等学校の学校案内の1ページ目には、「暁星で学ぶということ。それは多くの卒業生が培ってきた他者への愛を備え、社会の核となる意志を受け継ぐこと」という文言が載せられている。この言葉を目標に学業に励んできた生徒たちの今春の合格実績は、東大5人、早慶62人、医学部28人。大学合格を足がかりに、社会の核となるべくそれぞれの道を歩んでいく。
教養教育と心の教育を軸とする暁星中学・高等学校が目指すのは、多くの人々の幸福のために社会で指導的役割を果たすことができる人材の育成である。

校 長: 勝部 純明
住 所: 〒102-8133 東京都千代田区富士見1-2-5
電 話: 03-3262-3291
交 通: 東西線、半蔵門線、都営新宿線「九段下」駅徒歩10分/JR中央線、総武線、有楽町線、南北線、都営大江戸線「飯田橋」駅徒歩15分
学生数: 中学校 522名
高等学校 518名 (2014.7.1現在)
ホームページ: http://www.gyosei-h.ed.jp/

 

二ヶ国語修得、宗教哲学
暁星が目指す「深い教養」

 創立126年を迎える暁星中学・高等学校。多くの生徒たちが休み時間になると校舎から飛び出し、サッカーボールを追い始める。「三角広場」と呼ばれる中庭は、中学1年生専用のエリア。お互いを気遣いつつ、パスし合う。優しい空気がこちらにも伝わってくるようだ。勝部純明学校長が、暁星の校風について語ってくれた。

 「本校は126年前にフランス革命後の混乱期に創立された『カトリック・マリア会』の宣教師によって建学されました。マリア会創立の主たる目的は、フランス革命によって破壊された社会の再建です。キリストの心(愛)を土台にした『人間教育』によって人間の尊厳を取り戻し、すべての人に開かれた『家庭的な社会』の実現を目指しました。マリア会の学校では当初からあらゆる階層の子どもたちを受け入れ、一緒に教育していました。これは当時のフランス社会では異例のことでした。こうしたマリア会学校の特徴である家庭的な雰囲気こそ、暁星の校風の源泉なのです」

 教養教育の実践として最も特徴的なのが、英語とフランス語の二ヶ国語を必修としていることだ。中1のしなやかな頭でも英・仏語を同時に学ぶことは苦労を伴う。創立時から改訂を重ねてきたオリジナルの仏語教科書を使用し、フランス語を英語とともに効率的に学習できるよう工夫している。高1で物理・化学・生物を必修とし、数学も発展的な内容まで踏み込む。国語をはじめとするさまざまな教科でレポートや作文を書く機会がかなり多い。また同校は、キリスト教の学校として週1時間の「宗教」を6年間必修としているが、橋秀彰企画広報部長は、宗教は「高い倫理観を身に付ける教科」と語る。

 「新約・旧約聖書を読み込み、国際問題や生命倫理、労働の意味、対人関係など現代を生きる我々が直面する課題について、生徒自身が考えて発表します。昨年の高校3年生の期末試験では『人として生きる』をテーマとして作文を書かせました」

 「宗教」で学んだことが、彼らの人生を照らし始めるのは、大学受験の時期。気持ちが焦っていても、心を沈めて祈ると、「自分の内なる声が聞こえ、進むべき道が見えてくる」という。

友との学園生活で育まれる
高い倫理観と広い視野

 生活や行事活動の中でも、生徒たちは幅広い視野で物事をとらえる習慣を身に付けていく。中1では、オリエンテーションや3泊4日の「菅平合宿」(夏休み)などで、クラスメイトとの交流を深めたり、自己内省や人間性を高める活動を行い、自己理解・他者理解の一助とする。中3の研修旅行は平和学習と関西方面での史跡めぐり。事前学習を行い、広島で被爆者の方のお話を聴き、恒久の平和を祈りミサにあずかる。高2の修学旅行は、北海道の自然と文化を学ぶことを目的とし、農作業を体験したり、OBが院長を務めた修道院を訪問したりする。

 クラブ加入率の高さも、バランスのとれた人間性を育む大きな要因となっている。サッカー、陸上、バレーボール部など、運動部の活躍はもちろん、文化部でも鉄道研究、チェス、演芸研究と、多様なクラブ活動が行われている。中でも競技かるた部は全国大会6連覇中の強豪。音楽クラブが多いのも特徴だ(音楽部・室内楽研究部・合唱部)。

 一方で、暁星生の心をひとつに束ねるのが、校技ともいえるサッカーだ。多くの生徒にとってサッカーは生活の一部である。サッカー部は全国大会を目指して活動しており、試合となれば多数のクラスメイトが応援に駆けつける。都大会決勝以上は全校応援となる。

 「まさに『家庭』の一体感です。例年、サッカー部員には東大・医学部志望の生徒がいます。彼らが他の生徒に与える影響は非常に大きい。選手たちは限られた時間の中、受験勉強に真剣に立ち向かっている。だから自分たちも頑張るんだと」と勝部校長は語った。

新しい時代を導いていく
「地の塩、世の光」に

 同校では伝統的に医学部志望者が多い。その理由として多くの生徒は「いま自分が最大限の努力をして、人の役に立つことは何かと考えてみたら医師だった」と語る。また起業を目指す生徒も増えている。行政・法曹・学問・芸術・スポーツ・実業界とあらゆる分野で活躍するOBは、多様な生き方のロールモデルだ。勝部校長はそれぞれの分野の第一線で活躍する暁星の卒業生に共通する意識をこう捉えている。

 「つまらない優劣を付けて潰し合ってはいけない。新しい価値を創造するためには、一人ひとりの存在意義と感性を大事にする世の中や仕組みが必要、と考えるところでしょうか。醸し出す雰囲気から出身校を尋ねると、同じ暁星であった、というエピソードには事欠きません」

 同校では、東大や医学部受験を強制するようなことは一切しない。高校生になると、生徒は興味のある分野・業界の専門家や会社に、自らアポイントメントを取って「社会見学」に出向く学年もある。訪問先はそれこそ千差万別だ。

 「6年間かけてどんな進路でも選択できる状態をつくっていきます。実際に選ぶにあたっては生徒と教員・保護者がよく話し合います。神は一人ひとりに『固有の使命』を与えた。自分の可能性を目覚めさせる、個性に気付かせることが大事。目標を決めたら、生徒自身で人生を組み立てる力を育てたい」

 それこそミッションスクールの使命です、と語る勝部校長の声には、伝統に裏付けられた確信と情熱があふれていた。

 
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