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中学・高校受験:学びネット

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東京純心女子中学校・高等学校

 
  来春、創立50周年を迎える高等学校
知とこころのバランスのとれた教育が
純心のほこり
東京純心女子中学校・高等学校は1964年にシスター江角ヤスによって創立された。学園標語の「マリアさま いやなことは 私がよろこんで」の姿勢は、今なお卒業生から人生の座標軸にしていると感謝の言葉が届く。高等学校の50周年を来年に控え、学園の精神である「叡智の泉、真心の炬火(ともし)」を打ち出し、聖母マリアを理想とした女子の育成に取り組んでいる。知とこころの教育を両輪に新カリキュラムの「純心エデュケーショナルデザイン」も3年目。大学実績にもその効果が顕著に現れている。

校 長: 岩崎 淳子
住 所: 〒192-0011 東京都八王子市滝山町2-600
電 話: 042-691-1345
交 通: 京王線「京王八王子」駅から西東京バス約10分 「純心女子学園」前下車
学生数: 中学校 283名
高等学校 375名 (2013.7.1現在)
ホームページ: http://www.t-junshin.ac.jp/jhs/

 

両輪の教育にみる
顕著な大学実績

 純心を訪れて、約10年が経つ。その変わらない風景に安堵を覚える。JR八王子駅前からバスを利用するが、学園までの所要時間は「ひよどり山トンネル」ができたことで、約10分で到着する。朝夕の通学時間帯には、5〜7分間隔でバスが発車しているのが嬉しい。

 敷地面積6万平方メートルのキャンパスには、緑豊かな自然と手入れのされた美しい庭が広がり、生徒たちや来訪者を癒してくれる。校内は隅々まで掃除が行き届き、磨き上げられた廊下を見ると、本校の教育が浸透していることが感じられる。

 岩崎淳子校長は「今年は感謝です!」と大学実績が良かったことを話す。

 2013年3月卒業生(129人+過年度生15人)の現状は、国公立、早慶上智、GMARCH、その他医歯薬看護医療系などへの進学率は62.5%と、昨年に比較して10.5ポイント上昇した。例えば、早稲田が2人から6人、慶應がゼロから3人、上智が3人から8人へと伸ばし、看護・医療・福祉系の大学に至っては14人から23人、管理栄養・生命科学系大学には5人から10人と飛躍した。

 伸びた要因は二つあると校長はいう。ひとつは、「この学年は仲間意識が強く、お互いに励まし助け合い、みんなで頑張ろうという雰囲気がありました。これは大きいですね」。あまり目立たないが、やるべきことはキチンとやる。学校のイベントも手を抜かずやり抜いた学年だともいう。

 おもしろいケースが5月のスポーツ大会にあった。高校3年最後ということで、賞取りに力が入った。「30人そろってのムカデ競争で、途中1回も転ばずに完走したんです。転ぶのが当たり前の競技ですから、あれは見事でしたね」。学年としてはスポーツマンというタイプではなかったので、周りの先生方も大はしゃぎだったという。

純心エデュケーショナル
デザインに効果的な工夫

 2つ目は2010年から取り組んできた新カリキュラム「純心エデュケーショナルデザイン」の効果だ。

 6年間を導入期(中1、2)・展開期(中3、高1)・完成期(高2、3)に分け、それぞれの指導目標を明確にしている。導入期では生活習慣・学習習慣の確立と英・数を柱とした基礎学力の伸長。転換期では英・数・国の基礎学力重視と自己の資質と適性の探究。完成期では進路を目指した選択制による効果的な学習に応用力・大学入試突破力の完成。

 この流れは今年度も変わらない。ただし、主要教科では中身を工夫し、さらに効果的な学習になっているという。そのひとつが数学。今年度より中1は、中間テストまではクラス授業で始め、テストの結果でA・Bと2クラスに分ける。試験問題も共通問題のほかに到達度に応じた問題を提供する。

 「クラス分けは生徒に納得してもらっています。伸びる生徒はさらに伸ばし、数学が苦手な生徒には手厚いフォローをしていきます」

 英語はもともと、「英語の純心」と言われるだけに、ハイレベルな授業が2分割で行われてきた。今年度の方向性は低学年には文法よりも、音声面での指導・活動を重視したトレーニング型の授業から始めるということだ。「とにかく耳に訴える方式です。感覚で覚えて、後で整理をする。英語の回路の構築を目指します。そうすれば文法がわかりやすくなります」。古文も中3で習熟度別授業を予定している。

 そして、高2の今年度のカリキュラムに「セレツィオナーレ(選択)制」が導入された。受験科目や興味・関心に沿ったものを選ぶ、所謂自身で時間割をカスタマイズする。

 「HR単位の授業が少なくなり、かばんを持ってあっち行き、こっち行きの授業になります(笑)」

 この選択制には7つのモデルプランがあり、国公立、私立の文系、国公立、私立の理系、準理系(看護・医療・管理栄養・保険など)。国公立、私立の芸術系に関しては、少数のニーズにも対応できるように新設された。大学実績が大きく飛躍した準理系を設置したことで、今後の実績が期待できる。

中3内部生の高校受験実施
高校制服のリニューアル

 その他、純心オリジナルの探究型学習も他校からの見学が多くあり、注目だ。図書館司書教員と教科担当教員が協働して、テーマや授業の進行を決めていくもので、独自のプログラムを展開している。そして、土や植物に触れる体験学習や観察を通して、自然の豊かさを知る「労作」は純心ならではのものだ。今年からは選択制になり、中3生のみが週1回を授業として成立させている。その他の学年は年間4回程度としている。

 さらに中3生は、高校に上がる段階で受験を実施することになった。

 「中だるみを防ぐためにも、刺激を与え、現在の学力を肌で感じてもらいます」と、なぜか楽しそうに校長は話す。もちろん受験料はなしで、一般入試の生徒と同じ日に別の教室で実施するとのことだ。ただ、この成績いかんで高校入学が取り消されることはない。

 一方で、来年、高校が創立50周年を迎える。これを機に高校の制服(中学は変わらず)がリニューアルされ、ボレロからブレザーに変わった。“マリア様のブルー”がアクセントになり、清楚でオシャレな制服だ。

 創立時、シスター江角が自ら植樹したメタセコイヤ(アメリカスギ)が、本校のシンボルとしてそびえ立っていた。学校の歴史とともに歩んできたのである。根を張り、枝葉は空に向かっている。岩崎校長はそれを見ながら、「創立者の思いは普遍的です。創立者の意思が引き継がれていかなければ、学校の価値はありません。変えていいものと変えてはいけないものの見極めが大事です」と、今後の覚悟の思いを話した。

 
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