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中学・高校受験:学びネット

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春日部共栄中学・高等学校

 
  日本語禁止の最先端体験プログラム K-SEPに向けて準備合宿開催
英語以外は使用禁止の最先端体験プログラムである春日部共栄中学校のイベント『K-SEP』。開催も4回目となった今年は、さらに内容充実のため、開催数日前に2泊3日の準備合宿を実施した。日本語がわからないアメリカ・カナダの大学生を指導員に、一生懸命意見を交わそうとする中学生たちは、生き生きと楽しそうに各自のテーマに取り組み、発表の成功を目指している。

校 長: 矢口 秀樹
住 所: 〒344-0037 埼玉県春日部市上大増新田213番地
電 話: 048-737-7611
交 通: 東武伊勢崎線・東武野田線「春日部」駅西口ロータリーよりスクールバス約10分
学生数: 中学校  389名
高等学校 1,745名 (2008.09.1現在)
ホームページ: http://www.k-kyoei.ed.jp/

 

初めての合宿による
準備期間の拡大

 夏休み前の7月14日(月)、春日部共栄中学・高等学校の中学3年生120人超は、一種の緊張感に包まれながら、国立オリンピック記念青少年総合センターに大きな荷物を持って集まった。彼らはこれから『K−SEP』のための2泊3日の宿泊合宿に挑むのである。

 Kyoei Summer English Program(通称K‐SEP)は、今回4回目を迎える春日部共栄の最先端体験プログラムの一環。アメリカやカナダの留学生を含む大学生を指導教員として招集し、さまざまなテーマで研究、プレゼンテーションを行う発表会が主体となっている。今年は数週間かけて研究したものをまとめ、表現する準備の時間を十分に取るために、初めて2泊3日の合宿を実施することになった。

 先生と呼ばれている指導教員は、確かに研究の専門分野の人間だが、まだ大学生で未熟な面もある。また、日本語が全くわからないというハンデを背負いながらの指導のため、このイベントは彼らにとっても成長する良い機会となっている。

 「生徒たちは3日間英語のみで過ごしますが、それで劇的に英会話能力が成長すると思ってはいません。しかし、実際に英語でコミュニケーションを取ることで、彼らは自分の意見が相手に伝わった嬉しさや楽しさ、通じなかった悔しさを知るでしょう。そういった感情から、英会話修得へのモチベーションの向上につながれば、今後の学習態度が自然に変化し、成績も上がると期待しています」

 そう語るのは、英語担当の吉永浩二先生。生徒たちはこの発表のための研究以前から、プレゼン用のスキルを身に付ける授業を受けており、どのようなスピーチで訴えかければ効率的かを学んでいる。しかし、英語でのプレゼン、リーダーである海外の大学生が指導者といった日常とは異なる状況で、手探りで方法を模索している。

 だが、実際の生徒たちには笑顔が絶えない。合宿初日の取材日は、時間的にも余裕があるため、各教室からは大きな声や笑い声が聞こえた。誰もが少しずつながらも心を通わせることに喜びを覚え、積極的に会話を楽しんでいる。すでにあちらこちらで、年齢も国籍も飛び越えた絆が生まれているのだ。

語学や文化の違いを超えて
楽しく強い絆作り

 『K‐SEP』開催初年度、海外から指導員を招いたものの、テーマとしたのは『英語による日本文化の紹介』だった。このため、日本文化をよく知らない海外の学生がリーダーシップを取りきれず、まとまりを失う班も出てしまう結果になった。このため、翌年より各々の学生の専門分野でのテーマ発表となったが、今年度は例年よりプレゼンの幅を広げるため、数を昨年の5班から11班に拡大。各々のテーマも概要に止め、細部は指導する大学生と生徒で詰めていく形式を採っている。

 日本の昔話や神話を英語劇で表現する班は、指導員が配ったプリントをベースに生徒が意見を交わしていた。また、同じ部屋の別ブロックでは、アメリカ・カナダ人が日本旅行に来た場面をテーマにした話し合いやバックイメージの絵画を描いたり、海外の人間が見た日本のイメージをパワーポイントで説明する練習を行っていた。この他にも、校外学習で行った場所で撮影した映像を使用する班。自分の大切な物(自分の携帯電話を撮影している学生もいた)を写した写真や折り紙を飾る班とさまざま。また、日本のマンガをテーマにした班では、参加している女子生徒が頭を悩ませている。彼女たちによると、マンガは好きだが、海外のものは効果音の表現に大きな相違があったり、レイアウトが逆だったりと戸惑うことが多く、考えていたより難しいらしい。しかし、決して落ち込んでいるわけではなく、むしろ生き生きとして描いており、指導している大学生も同じく楽しそうである。

 「全員が英会話能力に長けているわけではありませんが、身振りや手振りで互いの言いたいことを主張したり、相手の意見を理解しようと、全員が夢中になっています。私たち付き添いの教員も、一体彼らがどのようなプレゼンテーションを行うのか、当日にならないと細部まではわからないので、不安半分、期待半分といったところですね」

 現在の中学3年生が社会に出て行く頃は、今よりもずっとグローバル化が進んでおり、卒業生の多くが海外で活躍する時代になっている。この経験をきっかけに世界に目を向け、広い視野を持って、国際社会で羽ばたいて行ってほしいと吉永先生は語る。それは7月18日の本番当日に訪れた、来年本番を迎える中2生全員や、子どもの成長を見に来た保護者も同じ気持ちだと思われる。

 
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