サイト内検索:
 
中学・高校受験:学びネット

 学びネットは、中学、高校受験のための情報ページです。学校紹介や塾経営にお役立て下さい。

今月号の紹介 学校散策 塾長のためのマンスリースケジュール 購読案内 会社案内
学校散策 ・関東校・ 関東一覧
   

千代田女学園中学校・高等学校

 
  生涯偏差値を高め、 心の触れ合える「しん学校」を目指す
前任の佐藤孝校長の任期満了に伴い、新たに校長に就任した菅原俊軌氏は藤花学園尾山台高等学校(金沢市)、相愛学園中学校・高等学校(大阪市)で13年間校長職にあった人だ。「進学校を名乗る中高一貫校は多いが、心が触れ合えるしん学校でもありたい」とのことばに浄土真宗本願寺派の宗教家としての横顔が見える。就任後、「特進」「国際」「総合進学」の各コースを充実させるため、席を温める間もなく奔走する日々である。。

校 長: 菅原 俊軌
住 所: 〒102-0081 東京都千代田区四番町11
電 話: 03-3263-6551
交 通: JR「四ツ谷」「市ヶ谷」「半蔵門」駅徒歩8分
東京メトロ「麹町」駅徒歩5分
学生数: 中学校  105名
高等学校 202名 (2007.5.1現在)
ホームページ: http://www.chiyoda-j.ac.jp/

 

生涯偏差値向上計画

千代田女学園中学校・高等学校は1888年の創立以来、仏教主義に基づく女子の全人教育を実践してきた。時代とともに変化するさまざまなニーズに応えながらも、とりわけ「心の教育」には変わることなく力を傾注してきた。今年1月に就任した菅原校長も浄土真宗本願寺派の宗教人であることから、とかく進学色にのみ濃く染まりがちな学校運営の根底にしっかりした精神力をつけさせるものと思われる。

教育方針はこれまでの流れを継承するが、菅原校長が提唱する「生涯偏差値向上計画」は生徒数が減少傾向にある女子校に新たな展望をもたらしそうだ。「学力偏差値の高い生徒は概して集中力、忍耐力、持続力に富んでいます。これらの力は社会に出るまでの学生時代において特に高く評価されます。ですが、それから先の人生ではそうした力に加え、互いに信じ合い、見えないところで救われていることに対する感謝の気持ちを持つこと。そして、協調し合える力が備わってはじめて豊かに生きることができるのです。生涯を通じて豊かに生き抜く力を『生涯偏差値』と名づけ、中高の間にぜひとも授けたいと考えています」と語る。

「生涯偏差値」を上げるとはどういうことか、生徒にわかりやすく説いた例を、今春行われた同高等学校の卒業式式辞の中に見ることができる。就任後たった1カ月で卒業生を送り出さなければならなかった菅原校長が、共にする時間が少なかった生徒にせめてもの思いで式辞を印刷し、文集に添えたもの。そこには「病気を治すのが宗教ではない。病気の中にあっても、おかげさまでと感謝できるのが宗教である」と書かれている。京都・本願寺の掲示板に書かれていたことばを紹介したものだそうだが、困難な状況にあってもなお感謝する心、信じ合える社会を創造することの大切さを卒業生へのはなむけのことばとしている。境遇によって幸不幸が左右されるのではなく、心の持ち方でその時々の境遇を豊かに生きる力が高い生涯偏差値であるといえそうだ。何年か、あるいは何十年かの後に卒業生が文集を開く時、師の言葉を反芻することだろう。

加えて、心が触れ合える学校づくりとは安心安全の学校づくりにも通じ、不登校を経験した生徒も入学後しっかりと登校している。生徒本人が希望すれば、悩みや心配事を打ち明けやすいように担任との日記交換を行うなどケースに応じた策を講じていく考えだ。

学びに見る積極性と実効性

教科学習においては、中学校でのクラス偏差値が60を越える結果が出るなど、少人数教育の成果が現れてきたという。他者を理解し、尊重するという観点から、国際理解教育に重点を置いてきたため、特に英語科で優秀な成績を残す生徒が多い。英検に加え、上の学年ではTOEICへのチャレンジを推奨し、受験のたびにスコアーを着実にアップするよう、外部機関と提携して「TOEIC講座」を開講している。

また、企業訪問を積極的に行い、体験型キャリア教育の推進にも力を入れている。企業訪問後は、参加者全員がパソコンのパワーポイントを駆使して報告会を行う。社会に対する意識を芽生えさせ、将来を豊かに生きるためにどんな職業が向いているのか、どういう進学先を選ぶべきかといった動機づけにもなり、自学自習を身につけることができる。その結果、学習面においても着実に成果を上げているという。

高等学校では1年次よりセンターリスニング試験に挑戦することで、2年後の大学受験時に自信を持って臨めるよう“エンタープライズプロジェクト”が進行中だ。生徒各自が目標得点を定め、3年間を通じて、リスニングのランクアップを目指す取り組みである。50点満点のリスニング試験において、高1のクラス平均得点率は37.5%に過ぎないが、高2終了時に72%、最終目標では80%(50点満点中40点)まで上げていく。今春のセンター試験リスニング受験者の平均点は32.47点。得点率80%を達成できれば生徒にとって大きな自信につながるはずだ。

菅原校長の就任に伴い、新年度から高等学校ではコース制が改定された。理・薬系進学および文系の難関大学への進学を目指す「特進」コースでは、単位数は増やさないものの放課後に国語講座(月曜50分)、TOEIC講座(水曜90分)、数学講座(金曜50分)が必修受講となる。国語講座では古典文法を、数学講座では演習問題の徹底指導を行う。

「総合進学」コースはクラブ活動と両立しながら進学を目指すコースで、武蔵野大学への推薦入学が可能だ。2年次より文系と理系に分かれるが、内部進学者と高等学校からの入学者は混合のクラス編成となる。また礼儀作法、しつけ教育にもさらに力を入れて指導していく方針。なお、特進コースで紹介した各種講座への受講は希望制。

「国際」コースはこれまで国際専攻としていたクラスで、今後、発展的に海外研修を含め、英語の重点授業を実施する。同校では、中学校でニュージーランドホームステイプログラムを実施、帰国後の体験発表では内容の充実度に注目が集まっている。前述の各種講座の受講は希望制。

通学至便で機能的な校舎

千代田区四番町はその周辺に歴史民族資料館や図書館、大学が集まる文教地区であり、各国大使館が点在する国際色豊かな街でもある。そのため交通の便がよく、最寄りの東京メトロ半蔵門駅・麹町駅・JR四ッ谷駅・市ヶ谷駅から校門までは徒歩5〜10分という通学至便の立地である。都内はもちろん、東は守谷や松戸からも1時間圏内で通学でき、西は八王子付近からも充分通学可能だ。

また、都心部では珍しく土のグラウンドが整備されており、体育の授業はもちろんクラブ活動でも土の上で思いっきり汗を流せることは、生徒の情緒面にも有効だ。校舎は自然光を最大限取り入れる工夫がなされているため、校内が明るく機能的である。「真新しい校舎ではありませんが、古いものを大切に使って行こうと思い、日々の清掃には心を込めるよう指導しています」と菅原校長が話すとおり、校内はどこも清潔感が漂っている。

人を包み込むような雰囲気の菅原校長が就任して約5か月。短い期間ながら生徒、教職員からの信頼はすでに厚い。その笑顔で生徒に安心をもたらし、強いリーダーシップで、一枚岩の堅固な組織を創り上げた。生徒数減少が止まらないといわれる女子校の中で、これからもその手腕に期待がかかる。

 
  ページの先頭へ戻る
manavinet」運営 / 「塾ジャーナル」 編集・発行
株式会社ルックデータ出版
TEL: 06-4790-8630 / E-mail:info@manavinet.com
Copyright© 2004-2003 manavinet. all rights reserved.