8つの専門コースと
セレクトコースを自由に選択して学ぶ
白井 孝雄校長
校舎に足を踏み入れると地下からドラムの音が聞こえてくる。「授業がないときは、クラブ活動などで自由に教室を使って良いことにしています」と、教務部長の岩田達也先生。壁面には、同校の多彩なコースをイメージするキャラクターのイラストが描かれ、明るく楽しい雰囲気。学校案内にも使っているイラストは、京都校の卒業生の手によるもの。自分の夢を掴んで巣立っていった先輩の姿に、後輩たちも夢を膨らませるそうだ。
「本校には、こういうイラストを学ぶ『イラストレーターコース』のほか、8つの専門コースを設定しています。自分の好きなことが学べるなら、学校に行ってみようかなというきっかけになればよいと思っています。実際にコースに興味を持って、本校を選ぶ生徒も多くいます」と話すのは、白井孝雄校長。コースは、「進学」「ITクリエイター」「イラスト」「調理パティシエ」「コスメ・ビューティー」「声優」「ミュージシャン」「ダンスパフォーマー」を用意。さらに、『セレクトコース』という選択自由の8科目(中国語、英会話、大学講義・心理学、コミックイラスト、デコジュエリー、ボーカロイド、演技、動画制作)があり、コースと併用して自由に組み合わせることができる。
「講師には、外部から専門の先生に協力してもらっています。今年は開校したばかりで、まだ生徒が少ないので生徒3人に先生が1人、ときにはマンツーマンもあり、きめ細かな授業を実現しています。好きなことを学べるので、生徒はみな、生き生きとしています。ただ、好きなコースを選んでも、思いがけず自分には向いていないと気づくこともあるでしょう。それなら、いくらでもやり直せばいいのです。この3年間で将来につながる夢を見つけてほしいですね」
さらに、通学スタイルも多彩である。時間割通りに登校(週2〜3日)してクラスで学ぶクラス制、自分の好きな時間を選択するフレックス制、土曜日に登校する土曜日選択制、夏・冬の長期休暇を中心に登校する夏冬集中受講制から選択することができる。現在は2がクラス制を選択している。
「やっぱり、学校に来て学びたいという気持ちが強いのでしょう。先日、校長室に立ち寄った生徒が『この学校はほかの通信とは違うね。だって毎日学校に来ているもの』と言うのです。そして『それが楽しいから、この学校を選んでよかった』とも。登校型の通信制高校です」
通学スタイルはいつでも変更できるので、自分に合うペースで学習を進めることができる。さらに、学校生活をサポートするチューター(担任)を生徒自身が選ぶことができ、自分に合う先生にレポートの書き方や、進路について相談している。
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枠におさまらない自由な学校で
自分のやりたいことが実現可能
開校したばかりの学校とあって、今はすべてがチャレンジだという白井校長。好きなクラブをつくろう、生徒会をつくろうなど、先生も生徒も自分がやりたいことを実現することができる。
「現在クラブは、軽音、写真、ダンスなどが発足しています。写真部はインスタ映えする写真の撮影会を予定。また先日は、修学旅行に行きたいという有志が集まって、行き先を調査し、プレゼンを行ってプランを決定しました。残念ながら新型コロナウイルス感染症の影響で延期になりましたが、さらに充実したプランができるのでは、と思います」と岩田先生。枠にとらわれることなく、生徒たちは存分に高校生活を楽しんでいる。
入学してくる子どもの中には不登校を経験した生徒もおり、学校生活のサポートにも配慮している。生徒は自分の選んだチューターと学習や学校生活の相談をする。また、友だちづくり支援として交流会も開催される。さらに年間約100時間の特別活動を組んでおり、春の学や、歴史・地理フィールドワーク内での生徒の居場所づくりとして、L ラーニングカフェ)」を設置。本来は図書室であるそうだが、生徒たちが勉強を教え合ったり、同じ趣味について語り合ったりなど、交流を深めるスペースとなっている。登下校時の出席カードの受け取りや提出などで、生徒たちは自由に職員室へ入室できる。そのためチューターとも話をしやすく、生徒と先生が近い距離にあることが、生徒の安心感にもつながっている。
生徒一人ひとりを見つめる教員たちの目はあたたかい。自由な校風に学ぶ生徒たちの声は、新しい校舎に明るく響いていた。
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