2022年に向けて洗練と充実を極める
数々の取り組み
「京都橘学園Master Plan 2022」に基づき、さまざまな取り組みを加速している京都橘中学校・高等学校。今年度の位置づけをお聞きすると「2014年からスタートしたMasterPlan 2022 という学園ビジョンの大きなフレームにおいて、大きく動いたのは大学です。今後、大学進学激戦区に参画するため定員6000名規模を目指します。
そこに京都橘中学校・高等学校がいかにかかわっていくか。内部進学が一つのポイントになりますが、喫緊の課題は「プラン1200」というプロジェクトにおける、生徒数1200名の達成です。『文武両道を目指す進学校』として、学生生徒が自らの成長を実感できる、質の高い教育を提供。社会に貢献する総合学園になるため、中高1200名の精鋭たちと、立ちどまることなく挑戦を続けていきたいです。今年度は今までの取り組みをさらに洗練させ充実させる時期と考えています」と校長の三輪欣之先生は語る。
同校には、力を確実に伸ばす京都橘独自の学習法【橘メソッド】を基盤とした4コースがある。東大・京大・阪大・神大・医学部をはじめ国公立大学を目指す「Sコース」、難関私立大学を目指す「Eコース」、京都橘大学への内部進学や高大連携も活用し多様な進路を目指す「Aコース」、そして東大・京大・阪大・神大・医学部をはじめ国公立大学を目指す中高一貫「Vコース」だ。
国公立大学への合格実績、医学部医学科合格、関関同立合格などでは輝かしい進学実績を更新中だが、今後もコースやカリキュラム内容の充実を図り、より高い進学成果へと挑み続ける。
学問だけではない。昨年インターハイ200mで全国優勝を果した陸上競技部、インターハイや全国高等学校選手権大会に多数出場している男子サッカー部、インターハイや春高バレーに20年連続出場し、オリンピック候補の選手もいる女子バレーボール部などの活躍で全国にその名をとどろかせている。また、華やかなパフォーマンスで世界的に知られる吹奏楽部など、他校にはない圧倒的な文武両道クオリティを発揮している。
ASTM(アスティム=アフター・ス
クール・タチバナ・メソッド)開設
三輪 欣之 校長
この圧倒的な強さは、生徒たちの努力は言うまでもないが、生徒がどのような知識と技能、能力を身につけ、何をめざして社会へ羽ばたいていくのか、その学ぶ場としてどうあるべきかを常に教職員たちが考え、試行錯誤と研鑽を重ねている努力の賜物である。
教員が自らの授業を外部の専門家にチェック・診断・評価してもらう【第3者授業診断】を実施したのもその一つだ。教員の教務力アップと授業のさらなるスキルアップに向けての取り組みであるこの第3者による授業診断を3年間実施した結果、「講評として授業そのものはレベルが高いが"学びの興奮"を深めることが大切だと言われました。第3者授業診断だけでなく、教育現場におけるティーチングとコーチングのバランスを取り、コミュニケーション能力を向上させ生徒それぞれの能力、個性、強みを引き出すことにより、自らの力を発揮させることのできる生徒を育てられるよう心がけています」と三輪校長。
さらに、今年度からは各コースを支える【橘メソッド】を充実させ、生徒個別の理解力や応用力と向き合いながら、よりきめ細やかな指導に力を入れていく。その一つが放課後を活用した講座ASTM(アスティム=アフター・スクール・タチバナ・メソッド)だ。授業が6限のときは7限、8限を、授業が7限のときは8限、9限までの放課後講座を開講し、志望校合格に向けた学力の強化を目的としている。ASTMの一環としては、映像授業も活用。同校の教員と卒業生が学習アドバイザーとなり、一人ひとりの生徒をサポートする体制を整えていることも特徴だ。
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クラブが盛んな本校の悩みの一つに、クラブの試合による土曜公欠の多さがあった。今年度から月2回の土曜日を休日とし、授業のある土曜日を4限授業に変更、平日に1限授業を追加することで、すべての生徒が授業に出席できる体制を整えた。また、休日の土曜日午前中4時間に「土曜ゼミ」も開講。土曜ゼミは、外部の予備校講師により、5教科を中心に大学入試で問われる学力基盤の構築と知識を使いこなす実践力アップを図る。
学びの興奮とアカデミックな
感動を楽しむ
「折に触れ私が申し述べている一つに、ゴールデンエイジのことがあります。ゴールデンエイジとは、スポーツの世界で言われる理論で、中学生時代はゴールデンエイジ後期にあたります。一生の中で一番吸収力が高く、勉強や人間性も飛躍的に伸びる時期です。合理的なことばかりが必要なことではないかもしれませんが、『どの時期に何をやれば最大の効果を得られるのか』を理解した上で取り組むことは重要です。
多くの人との交流を通して知らないことを知り、これまで考えなかったことを考えついたりします。また、授業や本で、新しい知識に触れたときに、すでに知っている知識とどのようにつながるかを考えてみることにより興奮や感動を味わい、次の学びの原動力にする。こうした"学びの興奮"によって"知のワクワク感" を味わうことを大切にしています」と三輪校長。
今夏の総合学習では、 NASA(米国航空宇宙局)の教育プログラムの一環として行われているプロジェクトにも参加。アマチュア無線を使用して、国際宇宙ステーションに滞在しているアマチュア無線の資格を持っている宇宙飛行士と子どもたち(小中学生)が交信を行うプロジェクトだ。交信は英語を使って行うのだとか。
次の節目の時期へのジャンプアップに向けた、洗練と充実の深化は着々と進んでいる。
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