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中学・高校受験:学びネット

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初芝富田林中学校・高等学校

 
  大阪府下に確固とした地位を占める進学校の復活
校長が率先垂範で進める学校改革
 大阪南部の豊かな自然に囲まれた地に建つ初芝富田林中学校・ 高等学校。2018年4月、学校改革で定評のある平井正朗氏が校 長に就任した。着任以来、データを徹底的に分析し、課題を抽 出、中学入試、高校入試、カリキュラムの変更、校塾連携の強化 と次々に教育改革施策を打ち出した。2学期を迎えた現在、「大 阪府下に確固とした地位を占める進学校の復活」を目指し、生徒 一人ひとりに向き合う教育を推し進めている。ハイスピードで進 化する初芝富田林について平井校長にインタビューした。

校 長: 平井 正朗
住 所: 〒584-0058
大阪府富田林市彼方1801
電 話: 0721-34-1010
交 通: 7方面からスクールバス運行
近鉄長野線 滝谷浮動駅から約5分
近鉄長野線・南海高野線 河内長野駅から約15分
南海高野線 金剛駅から約25分
泉北高速鉄道 泉ヶ丘駅から約25分
泉北高速鉄道 和泉中央駅から約40分
和泉市立病院前から約50分
岸和田市立城東小学校前から約50分
生徒数: 291名(中学校)
975名(高等学校)
ホームページ: http://www.hatsushiba.ed.jp/tondabayashi/

 

中学入試は大幅変更
進路満足度【第一志望決定率】
100%を目指す

 平井校長が進める学校改革では、来 年度の中学入試も大きく変更となる。 これまで3日間実施してきた試験日は、 1月19日(土)、20日(日)の2日間 のみとなる。前期A(午前)では、小 論文と面接のみのフロンティア入試を 導入した。小学5、6年の成績、模試 結果、同校が1 0月2 0日(土)に実施す るプレテストでの成績等が選考の対象 になり、英検4級以上の保持者は「英 語重視型」として優遇される。前期B (午前)は4科目(国・算・理・社)、 3科目(国・算・理)の入試だ。前期 C(午後)では2科目(国・算)のみ の実施となる。

 2日目は後期Aで従来の「リテラ入 試」を「適性検査型入試」にリニュー アルし、国・算・理+社融合で実施。 また後期Bとして午後に2科目(国・ 算)で実施する。

 「募集定員は120名、出題レベル は、小学校での学習内容を中心とした 基本問題が中心です。約6割取れる生 徒であれば、入学してから育てます」 と平井校長。

 また、高校入試は2月9日(土)に 実施。英語にリスニングを導入するの が変更点。試験科目は5科目(国・ 数・英・理・社)で面接は実施しない。

 中学では入学時点では学習到達度に 合わせた「Ⅲ類」「Ⅱ類」「Ⅰ類」の3 コースだが、中学3年時から生徒の到 達度と目標に合わせて「Will-Frontier コース」と「未来創造コース」に再編 される。

 「『Will-Frontier コース』は、大阪府 立大学・市立大学以上をターゲットと し、上位は東大・京大をねらいます。 将来は、近々、統合予定の大阪府立と 市立に5 0名以上は合格させる指導体制 を構築したいと考えております。また 『未来創造コース』は上位が大阪府立・ 市立大学をねらい、コース全体として は中堅国公立や有名私大を目標にして いきます。教員スタッフには従来の面 倒見の良さを発揮していただき、進路 指導とキャリア教育を徹底、生徒個々 のポテンシャルを最大限に引き出した 上で、進路満足度100%を達成でき るような指導を貫徹してほしいとお願 いしています」と平井校長は語る。

 さらに「学校には教科指導、クラス 指導、分掌等の仕事がありますが、こ れまで本校は教師個々の力量に依存し がちでした。しかし、生徒個々の人格 陶冶と学力向上には、教職員が一丸と なって、〝チーム初富〟を意識し、確か な〝伸び〟を実感できる授業を提供でき る体系的指導体制における分権型リー ダーシップや学校評価に基づくカリキ ュラム・マネジメントが必要なので す」と説明した。

授業の効率化と働き方改革
校塾連携で学力向上を目ざす

カリキュラムの
大幅改訂に取り組んでいる
平井正朗校長

 学園本部の振り返り、データ分析、 学習塾へのヒアリングから「教師は定 着度ではなく、量の消化度合いで先に 進む傾向がある。生徒は量を処理する ことに追われ、定着度が低くなり、大 学合格実績が大きく落ち込んでいる。 それが市場評価につながり、中学の定 員割に至っている」等の現状を把握し た上で、学習指導要領の改編や「働き 方改革」も考慮し、カリキュラムの大 幅改訂を実施。「主役である生徒を伸 ばすことだけ考えています。現状で言 えば、メリハリが不可欠。次年度から 従来までの7時限授業を、月曜~金曜 はすべて6時限、土曜は4時限にと変 更します」と平井校長。

 「1~6限は本校の教員が基礎・基 本の指導を徹底します。当然、積み残 しがある生徒には、放課後、個別指導 で定着を図ります。発展的学習を望む 生徒には〝合格答案作成〟に向けて、 外部講師による校内予備校を設定しま す。無論、塾・予備校へ行ってもよい というオプションです。教師の授業時 間を減らすことで、教員は授業研究な どの自己研鑽の時間を確保できるでし ょうし、担任はクラスの生徒一人ひと りと対峙できるはずです。また、アウ トソーシングした外部教員と連携する ことによってOff-JT も可能になりま す。教員一人ひとりの指導力が高まれ ば、授業力すなわち質も向上します。 『働き方改革』にも対応させているの です」とその理由を語る。

 校内予備校は、7~8限を使って中 3~高3まで実施。教科は英数が基本 であるが、高2は国語、高3は国語、 理科(化学・物理)も加味されるとの こと。中1~2は、現在、取り組んで いる本校教師による自主講座を継続。 結果的には、7時限授業より多い授業 時間数を勉強したことになるという。

 一方、平常授業内容も「従来の徹底 した進路指導に加えて、対話や議論を 通じて多様な考え方を理解、協働しな がら課題解決にあたる探求活動(中2 ~高1)、異文化理解に向けたグロー バル国際教育(中3:ロサンゼルス研 修﹇修学旅行﹈、高1:オックスフォ ード短期留学、自主学習支援システム のICT化(中2~3:オンライン英 会話、電子黒板)等も カリキュラムに組み込 み、目標の〝見える化〟や〝学び方の選択〟が可 能になっています。〝生 徒ファースト〟への学校 改革はこれからです」

 「授業力アップには教 師の気づきも不可欠。 11月 に は 公 開 授 業 も 展 開します」と付け加え られた。

校長自ら教壇に立った勉強合宿

 今年の夏期勉強合宿で、平井校長は 4学年の教壇に立った。奈良パークホ テルでの高1、神戸ホテルフルーツフ ラワーでの高2、大津アヤハレークサ イドホテルでの中2、そして御所西京 都平安ホテルでの中3のそれぞれ英語 の授業だ。

 「勉強合宿で授業をした目的は2つ あります。1つは率先垂範で学校改革 に取り組む。2つ目は、授業の質の検 証です。生徒の生の声や実態を自分の 目で確かめておくことが大切なのです。 校長室に座っているだけでは、教頭や 学年主任といったミドルリーダーの声 を聴くだけで、現状を粒さに観察でき ませんから。」

 「垂範」の言葉通り、平井校長は朝、 学校のロータリーに立つ。スクールバ スで登校してくる生徒を迎えるためだ。 さらに校長室のドアは、常に開放され ており、生徒がいつでも校長と話せる ようになっている。頻繁に授業を見回 り、職員室では教員の意見に耳を傾け る。休日以外、更新するという校長ブ ログも圧巻だ。カリキュラム・マネジ メント、英語教育、トレンド情報等、 話題はバラエティに富んでいる。

 「日本の大学入試を振り返ると、〝1 つの正解〟を求める1点刻みの入試を 突破し、序列化された学校へ進学する ことが主流でした。しかし、科学技術 やグローバル化の進展によって、社会 が求める人物像は変容し、学習指導要 領の改訂や大学入試改革が進んでいま す。大学入試の設問傾向においても知 識だけに偏らず、自ら問いを立て、学 び続けることが思考力・表現力につな がり、やがて人生の岐路に立ったとき、 世界を新しい目線で見て解決に向けて 行動する判断力につながるという方向 性が読み取れます。中高時代は、自ら 問いを立て、学び続け、自己を見つめ 直すことができる絶好の機会なのです。 自分は何のために生きるのか、という 問いに正面から向き合い、将来の夢を 育む " しかけづくり " をするのは大人の 役割です」(同校HP参照)と語る校 長のまなざしは、まっすぐ生徒に向け られていた。

 
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