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中学・高校受験:学びネット

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花園中学高等学校

 
  禅の精神を基盤に、新しい時代を切り開く人材を育成
「禅のこころ」を教育の根本とする花園中学高等学校は昨年度、新たな2つの中高一貫コースをスタートさせた。禅の学びを軸に6年後に海外の一流大学進学をめざす「スーパーグローバルZEN(SGZ)」と、探究型プログラムを通して創造力を培う「ディスカバリー」である。両コースともICTを活用したアクティブラーニングや英語イマージョン教育など先進的教育プログラムにより、グローバル社会を生き抜く力を育む。コース立ち上げから1年半。生徒たちは意欲的に課題に取り組み、生き生きと学校生活を楽しんでいる。

校 長: 福田 篤
住 所: 〒616-8034京都府京都市右京区花園木辻北町1番地
電 話: 075-463-5221
交 通: JR嵯峨野線「花園」駅より徒歩7分/京都市バス・京都バス「木辻南町」より徒歩2分/京都市バス「西ノ京円町」より徒歩10分/阪急京都線「西院」駅よりスクールバス運行
学生数: 中学校 166名
高等学校 975名 (2017.11.1現在)
ホームページ: http://www.kyoto-hanazono-h.ed.jp

 

禅=既成概念を排して創造的に生きる

 夏休みも終わりに近づいた8月30日、SGZコース1・2年生による「禅」講座報告会が開かれた。週に1時間の「禅」講座で課題に取り組んだ成果を、中学生全員を前に英語で発表する。英文は、日本語でレポートした文章を本人が辞書で調べながら英訳し、最終的にネイティブ教師からアドバイスを受けて完成させた。

 1年生のテーマは「妙心寺の疑問」。実際に隣接する臨済宗大本山妙心寺に出かけ、そこで各自が見つけた疑問を調べた。内容は、「なぜ三門は赤いのか」「雲龍図は何故あるか」「お経について」など実にさまざま。「石田三成一族のお墓がある」というような、一般にはあまり知られていないことに気づいた生徒もいた。

 福田篤校長は、「身近な興味から入って、歴史や仏教など生徒それぞれが多様な方向へ深めていく。探究型学習の効果だと思います」と頬をゆるめる。

 2年生は「Zazenを伝える」というテーマにグループで取り組んだ。SGZの生徒たちは毎朝、始業前の20分間に坐禅を組んでいる。その経験をベースに坐禅の姿勢や足の組み方、心に及ぼす影響などについてグループでディスカッションしながらプレゼンを準備してきた。なかにはスティーブ・ジョブズと禅の結びつきまで調べたグループもあった。

 禅を学ぶ意義について福田校長は、「世界中の企業が国境を越えてグローバル化している変化の激しい時代に、社会で役立つためには創造的でなければなりません。坐禅は自己の内面にエネルギーを集中させ、既成概念を排除し、潜在的な可能性を引き出していきます。実際にイタリアのある企業で、勤務時間内に全従業員が坐禅を組むことにより、仕事の効率が非常に上がったという例が報告されています」と話す。

 グローバル社会では創造力に加えてコミュニケーション力やリーダーシップなど多様な力が求められる。そうした総合的な力を育成するために、構築・実践しているのが「禅の教え」を軸にした先進的な教育プログラムである。

1年で目覚ましい英語力向上

 英語教育では、実践的な英語力育成に重点を置いている。週8時間の通常の英語の授業に加え、ネイティブ教師と日本人教師がペアで理科・数学を担当するイマージョン教育が週に5時間。さらに週2回、フィリピン人の講師とマンツーマンで会話するオンライン英会話。その他にも発音や文法など英語の精度を高めるeラーニングと、まさに圧倒的な量と質の英語教育が行われている。

 イマージョン理科・数学は、当然のことだが、教科書も板書も発問もすべて英語だ。どの生徒も最初は全く分からない。そのため初期の段階では、映像を多用してスムーズな理解につなげていく。

 「慣れてしまえば、英語オンリーの授業が普通になります」と福田校長。

 それほど生徒たちの吸収力が目覚ましいということだ。

 「本校に入学してくる生徒は英語習得に意欲的ですから、急速に力がつきます。入学して1年もたつと、外部模試の英語で平均点が京都市内の私立中学の中ではどこにも負けることはないと思います」

 教科としての英語力以上に伸びるのが実践的な英語コミュニケーション力だ。生徒たちは、街で道に迷っている様子の外国人旅行者を見かけると積極的に話しかけていく。彼らにとって、英語で会話することは特別なことではなくなっているのだ。

 SGZコースとディスカバリーコースは中学2年次までは同じカリキュラムで学び、3年進級時にコース変更もできる。その後はそれぞれの進学目標に応じた授業が行われる。

 SGZは高校3年になると週5日、午前中はオールイングリッシュの「NIC講座」を受講する。海外の大学進学に向けて、ディベートやロジカル・クリティカルシンキングなど実践的な力をつけていく。

活気あるグローバルスタンダードの学び

 SGZコースとディスカバリーコースのどちらも、基本的な授業スタイルはグローバルスタンダード。電子黒板やiPadを活用してグループ学習を行うアクティブラーニング型である。生徒たちは基礎的な知識を学んだうえで自分なりの考えや意見を持ち、グループで議論しながら学びを深めていく。

 「日本では長年、講義形式の受け身の授業が行われてきました。授業中は静かに先生の話を聞き、試験で高得点を取る子どもが『良い子』の代表でした。しかし、そういうことのみでは社会で活躍できない時代が来てしまった。教育のあり方を変えていかなければなりません」

 同校では従来の一貫コースの頃から、グループワークによる調査研究やディスカッションの授業を積み上げてきた。そこに高度なグローバル教育がプラスされたのがSGZコースであり、2年間のグローバル教育の上に徹底した探究型の進学教育を行うのがディスカバリーコースです。

 常に主体的・能動的に関わることが求められる授業は活気があり、生徒の好奇心や知的欲求を刺激する。

 夏休みに実施された体験学習で、SGZの1期生は岡山市郊外にある臨済宗妙心寺派の曹源寺を訪問した。ここに20人ほどいる修行僧のほとんどは外国人。境内では英語が行き交う。生徒たちは英語と日本語を交えながら修行僧たちに、日本に来た目的やどれほどの期間滞在しているかなどを熱心に質問し、合間に自分の意見も述べていた。まったく物怖じすることはなかったという。普段の授業の感覚だったのだろう。

 6月に各地の学校から125人の先生方を招いて開かれた実践報告会では、イマージョン理科・数学やICTを活用した授業、オンライン英会話など1期生と2期生の授業を参観してもらった。その後の感想で一番多かったのが、「生徒が生き生きしている」というものだった。

 また、体験入学等で訪れた保護者も、オンライン英会話などで小学生に付き添ってフォローする在校生の姿に感心するという。

 「うちの子もあんな風になれば、と言っていただいています」と笑顔を見せる福田校長。活力にあふれ、伸び伸びと学校生活を楽しむ生徒たち。福田校長は、新しい時代の人材を育成する新しい教育に、確かな手応えを感じている。

 
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