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中学・高校受験:学びネット

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東大谷高等学校

 
  独自の探究ゼミナールで
思考力・判断力・表現力を養成
高大連携の薬剤師養成プロジェクトもスタート
泉北ニュータウンへ移転して5年目を迎える東大谷高等学校。共学校になり、今年の1年生は男子が4割を占めるまでになった。移転初年度、予想をはるかに超す数の生徒が入学したことは記憶に新しいが、その後も順調に入学者は推移しており、今年は3学年で24クラスと理想的な体制となった。2020年の大学入試改革に照準を合わせ、様々なカリキュラムを実践しており、探究型の学習や将来を見据えたキャリア教育も活発に行い、「人間教育をする進学校」として着実に進化している。更に来年度からは併設の大阪大谷大学と連携し、薬剤師を育成するプログラムも始める予定だ。

校 長: 神代 一徳
住 所: 〒590-0111 大阪府堺市南区三原台2-2-2(泉ヶ丘校舎)
電 話: 072-289-8069(泉ヶ丘校舎)
交 通: 南海高野線・泉北高速鉄道「泉ヶ丘」駅より徒歩8分、
《スクールバスは2ルートを運行》
・富田林ルート(近鉄長野線「富田林」駅、南海高野線「金剛」駅)
・泉大津ルート(南海本線「泉大津」駅、JR阪和線「和泉府中」駅)
学生数: 812名 (2017.9.1現在)
ホームページ: http://www.higashiohtani.ac.jp

 

人気が高まる国際コース
留学や第2外国語も習得可能

 東大谷には3つのコースが用意されている。まずは、国公立大や難関私大を目指す「特進」、語学や留学に比重を置いた「国際」、勉強とクラブを両立させながら有名私大や併設の大阪大谷大学を目指す「進学」である。

 中でも最近人気が高まっているのが国際コース。文字通り、語学や留学に力を入れており、ニュージーランド最大の都市オークランドにある高校と提携し、1年の長期留学もしくは3ヵ月の短期留学ができるのが特色である。期間は、3ヵ月の場合、1月から3月まで。昨年は18名が参加したが、今年はすでに25名が希望をしている。まず現地の語学学校で3週間のレッスンを受け、その後、現地の高校に入って授業を受けるというカリキュラムである。(語学学校12週間も可能)

 「留学を経験した生徒は、積極的に自分の意見を話すようになります。海外生活を体験し、自分の考えを伝える大切さを学ぶのでしょう。英語も上達しますが、そこが最大の変化です」と神代一徳校長は話す。

 留学で身に付いた英語力をさらに伸ばしていこうと、学内に「東大谷英語村」を新設した。金曜の8時間目を利用して、ネイティブの英語教師と生徒が自由に会話できるサロンになっている。また、英語に加えて第2外国語の授業を週に2時間行っているのも特色。フランス語、スペイン語、中国語、韓国・朝鮮語の4ヵ国語から選択することができる。

 英語もさることながら、全校的に注力しているのが「国語力の強化」である。毎朝5分間の読書タイムを設け、3年間で100冊読破を目標に掲げている。1、2年生は全員が漢字検定を受検。古文や漢文を音読、暗誦し、基礎をしっかり身につけていく。また、新テストに向けて文章検定にも挑戦させている。

 「勉強の基本は、やはり国語力です。理数系でも長文の問題が出ますが、何が問われているのかを読み解く力がないため解答できないケースが多々あるそうです。まずは読解力、論述力をつけていく。こういった基礎を徹底指導しています」

探究学習やキャリア教育で
独自のカリキュラムを実践

 3年後に迫った大学入試改革では、思考力・判断力・表現力が問われるようになる。それを見据えて、5年前より東大谷では探究型学習も積極的に取組んでいる。「探究ゼミナール」という授業では、生徒が興味関心のあること、疑問に思うことを様々な方法で調査、研究をし、人前で発表することを目標としている。2年次には、新聞を活用して生徒自身が新聞記事を書いてみる。この作業で基礎を学び、3年になると本格的な探究学習へ。4、5人のチームに分かれてテーマを決め、取材や調査を進めていく。結果をクラスで発表した後、全校規模でプレゼン大会を開催し、生徒の投票によって最優秀チームを決めるという流れだ。昨年は燃料電池について研究成果を発表したチームが優勝に輝いた。

 「自ら学ぶ楽しさを実感させたい。小さな疑問から課題を見つけ、自ら調査研究する。論理を組み立て、様々な角度から検証してみる。その上で発表するわけですから、探究学習は本校独自のアクティブラーニングと言えますし、思考力・判断力・表現力を身に付けることができるものだと思っています。もちろん指導する側も常に勉強しなければなりません。教員も定期的に勉強会を開いて切磋琢磨しています」

 キャリア学習では「10年未来プロジェクト」を実践している。これは10年後の自分を想像し、目指す未来像を考え、その実現に向けて、いま何をしなければならないかを見つけていく活動である。様々な分野で活躍する卒業生を招いて、仕事の様子や苦労談を聞きながら、職業への関心を高めていく。

 また、「クラスカンパニー」というユニークな活動も行っている。文化祭の出店を会社経営に見立て、企画から商品販売、広報、その後の決算、利益の配分などを行うことで、擬似的に会社経営を学ぶ内容だ。実際に株式(1株200円)で発行し、利益が出たら株主に分配するといった本格的なプログラムになっている。

高大連携9年間で薬剤師育成
将来は教育学部とも連携を構想

 併設の大阪大谷大学の薬学部と連携して、「大谷学園薬剤師育成プログラム」を来年度から始める。進学コースの生徒を対象にしたプログラムだが、高校・大学が共同した授業を通して高校1年次から薬剤師の仕事を知り、特別カリキュラムによって数学や物理、化学、生物などを重点的に勉強。その後、大学に進んで6年間の専門教育を受けた後、国家試験に挑むことになる。

 「薬学部に進んだ卒業生が、高校時代にもっと理数系の勉強をしておけば良かったという声を何度か聞き、このプロジェクトを発案しました。実際、薬剤師の国家試験は難関ですし、勉強も大変です。高大9年間かけてじっくりと勉強できる環境を作りたいと思っています」

 大阪大谷大学の教育学部は、小中高教諭1種免許を始め、幼稚園教諭1種、特別支援学校教諭1種など幅広い資格が取得できることで注目されている。将来的には、教育学部とも連携し、7年一貫の教員養成プログラムを設置したいとの構想も持っている。

 創立から109年目。親鸞聖人の教えを基盤にしており、今も毎日の朝礼と終礼では瞑想を行い、登下校時には必ず校門で一礼をするのが習わしになっている。伝統を継承し、一方で新しいことに挑戦し続ける東大谷は、今後が楽しみな高校のひとつである。

 
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