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中学・高校受験:学びネット

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金蘭会中学校・高等学校

 
  入学者が3年連続で増加する女子教育の伝統校
多彩なキャリア教育を実践し、生徒の将来性を育む
今年、創立112年を迎える金蘭会中学校・高等学校は、大阪でも歴史ある女子校のひとつである。今年度は「112年目の前進」をテーマに掲げ、現状に甘んじることなく、さらに進んでいくことを目標にしている。伝統と先進のバランスをとりながらの運営。2年前から「コ・レボリューションプロジェクト」という学校改革に取組んでおり、その成果として、今春は中高合わせ276名が入学を果たした。入学者は3年連続で増加しており、順調な伸びを見せている。不易と流行。その両輪をどのように前に進めているのか、取材を行った。

校 長: 田中 好浩
住 所: 〒531-0075 大阪市北区大淀南3-3-7
電 話: 06-6453-0281
交 通: JR環状線「福島」駅下車、北へ徒歩8分/JR東西線「新福島」駅下車北へ徒歩10分/阪神電車「福島」駅下車、北へ徒歩10分
学生数: 中学校 163名
高等学校 573名 (2017.5.1現在)
ホームページ: http://www.kinran.ed.jp/

 

他校に先駆けICTを活用してきた先進校
タブレットを活用した授業で効果アップ

 金蘭会中学高校は、ICTを活用した授業を、他校に先駆け早い段階から行っている。これまで電子黒板やデジタル教科書を導入してきたが、昨年からは、中1生に一人一台iPad miniを配付。タブレットを活用した授業を展開している。昨夏からは、高1生にも導入。これは大阪府の学校経営推進費を活用してのことだ。この補助金は先進的な取組みを行う学校を支援するもので、昨年は応募70校中採用されたのは10数校しかなかった。私学では金蘭会だけである。

 タブレットを使った高1の英語を見学させてもらった。前半は英単語の発音や聞き取りを集中的に行う。テンポ良く進み、その都度、先生が関連のプリントを配り、ポイントを説明していく。

 後半は、タブレットを使ってのグループワーク。4人1組になり、先生が各自のタブレットに問題を送信。問題は4人とも別のものである。解答できたら、先生に返信する。その後、生徒同士でディスカッション。この間に先生は返送された解答をパソコンで確認し、生徒が間違っている箇所を重点的に教えていく。

 「タブレットを使うと時間が短縮できますし、個々の解答がすぐに返ってくるので、生徒の状況をリアルタイムで知ることが可能です。特に英語4技能の勉強がしやすくなりました」と話すのは、英語科の内山博貴先生。

 現在は、ロイロノート・スクールという専用アプリを使っており、写真や動画撮影、録音など、様々な形で活用している。高校ではこれからだが、中学ではすでにスピーチを録音したデータを送ってチェックをしてもらったり、手書きの解答を撮影し、先生が添削して返すというふうに活用している。

 ちなみに内山先生は、アメリカの大学を卒業後、名門コロンビア大の大学院で学んだ若手のホープだ。

 「電子ツールによって英語がより効率的に習得できるようになりましたが、決して入試向けだけの授業をしたいわけではありません。目指すのは、日常生活や仕事でスムーズに英語を使えるようになる。そういう授業です。私自身、海外に10年間いて、英語が話せてこそ、いろいろな人とコミュニケーションが取れるのだと実感しました。英語ができると人生が楽しくなる。そう生徒に感じて欲しいんです」

 英検2級にはライティングが導入され、80から100語の文章を書かなければならなくなったが、その対策としてもiPadを活用していきたいと話してくれた。

女子に特化した心を育むキャリア教育
多彩なカリキュラムで自分の道を見つける

 ここ数年、女子校独自の教育が見直される風潮にあるが、金蘭会では、正規の授業に日本文化を取り入れている。茶道、華道、礼法、書道の専用教室を備えており、在学中に免状を取得することもできる。

 また、力を入れているのが女子のキャリア教育である。様々な世界で活躍する卒業生を招き、講演会を行ったり、生徒の目線で入学案内を考えるなど、多彩な活動をしている。入学案内を作るプログラムでは、グループで討議し、クラス単位でプレゼンテーションを行った後、企業広報に携わるプロを招いてコンテストを実施。表現力、伝達力などを現場目線で評価してもらっている。

 他にも、ユニクロの社会貢献事業「服のチカラプロジェクト」を中学全体で実施したり、NPO法人の協力を得て、「赤ちゃん先生」という活動も行っている。0歳児を育てるお母さん方が、どのような思いで育児をしているのか、大変なことは何なのか、など経験談を話しながら、生徒と交流をする。

 「生徒は、お母さん方の話を通して、自分もこうやって大切に育てられたのだ、お母さんは大変だったんだ、と実感しているようです。こういう活動は、女子校だからできることだと考えています。昔と違って今は女性の方が男性に比べて進路の選択肢が多い時代です。結婚、出産、育児、仕事などたくさんのことを行えるのは女性です。そのためには、中学高校時代に情操教育をしっかり行い、心を育んでいく必要があると思うのです」と、田中好浩校長は穏やかに語る。

 昨年から、高校はT類(総合進学、保育児童、スポーツ・特技)、U類(看護進学、特別進学)というグループ制を採っているが、看護進学コースでは、看護師と在校生が合同でシンポジウムを開くなど、実践的な交流も盛んに行っている。

 「使っていた問題集を持ってきてくれるなど、本当に後輩思いの卒業生が多いんです。本校は昔から金蘭会を好きなOGが多いんですよ。入学してくる生徒も優しく、穏やかなお子さんが多い。私自身、そういう校風を喜ばしく思っています」

地域の人に愛される学校でありたい
お年寄りや子どもとの交流活動も盛ん

 昨今は、地域とつながる社会貢献にも力を入れている。近隣の幼稚園と連携し、歌やお芝居で子どもたちと交流を楽しんでいる。中学生は、老人クラブの方々を招き、ステージで踊りを披露したり、お茶とお菓子で一服してもらい、お年寄りの話に耳を傾け、ふれあう機会を作っている。

 「保護者対象には“親学講座”という催しを行ってきました。各界で活動する方を招いて、講演をしてもらったんですが、今年度はさらに力をいれて、年に5回程度開催しようと計画しています。また、近隣の幼稚園児、小学生を対象に授業やクラブ活動を体験してもらう“ワクワク土曜教室”も行っています」

 地域に愛される学校でありたいと言う田中校長。

 「女子校の良さは、友達や先生との絆が深く一生続くことだと思います。そういった視点で心のこもった教育をしていきたい。女子校は絶対に必要な存在です」

 
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