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中学・高校受験:学びネット

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賢明女子学院中学校・高等学校

 
  コース制導入後初の卒業生が大きく躍進
新校長の手腕で、更なる伸びが期待される
国宝、世界遺産として名高い姫路城。そのお膝元に位置する賢明女子学院は、1951年(昭和26年)創立のカトリック系ミッションスクール。緑豊かな文教地区の中にあり、周囲には庭園や文化施設が並ぶ抜群の環境である。この4月に就任した松浦明生校長は、進学校として知られる六甲中学・高校(現六甲学院)で40年間にわたり教鞭をとり、教務部長、教頭、校長を歴任したベテランの教育者。コース制を導入し、今春の進学実績を伸ばした賢明をどう率いていくのか。新校長に新たなビジョンを取材した。

校 長: 松浦 明生
住 所: 〒670-0012 兵庫県姫路市本町68番地
電 話: 079-223-8456
交 通: JR「姫路」駅・山陽電鉄「山陽姫路」駅下車北へ徒歩約15分/JR播但線「京口」駅下車西へ徒歩10分/神姫バス「郵便局前」下車すぐ
学生数: 359名(中学校)
369名(高等学校) (2016.11.1現在)
ホームページ: http://www.himejikenmei.ac.jp/

 

教育理念を明確にして
新たな学校改革に着手

 「賢明はいい学校ですね。生徒の笑顔が明るいし、クラブ活動も盛んです。2学期の始業式に賢明リサイタルという演奏会が行われたのですが、演奏レベルが高いことに驚きました。前任校の六甲は男子校でしたので、ずいぶん色合いが違う。両校ともカトリックですが、賢明は宗教行事が荘厳で盛大に行われ、朝の職員朝礼もお祈りから始まり、伝統を大切にしています」と松浦校長はにこやかに話をはじめた。

 就任にあたって「教育理念の明確化」「学習面の更なる強化」「学校改革」という三本柱を掲げている。

 ます教育理念だが、同校は創立以来「Be the best you can be. Do the best you can do」という教育方針を貫いている。創立者マリー・リヴィエが伝えた聖母マリアの生き方に習い、最善(The Best)を目指すことを信条としてきた。

 「Do the Bestの方ばかり取り上げられてしまい、『ベストを尽くして、どのような人間になるのか』という視点が薄まっているように思います。大事なのは、どうなりたいのか。イエス・キリストは常に弱者の側に立ちました。弱者に寄り添うような人間に育ってほしい。そのために校訓の意味を今一度、明確にしたいと考えています」

コース制導入の効果が現れ
今春、国公立大に約20%が合格

 学習面においては、より一層の飛躍を目指している。2013年、高校にコース制を導入し、国公立大を目指す「ソフィア」、難関私大等を目指す「ルミエール」の2コースがある。この春、導入後初の卒業生を出したが、期待通りの良い結果となった。阪大、神大、北大、広島大をはじめ国公立大に27名が合格を果たしたのだ。元々、指定校推薦枠の多い賢明。関西学院の19名をはじめ、青山学院、神戸女学院、同志社など128の大学にのぼる。上智にはカトリック対象の入試枠で、毎年数名が進学している。

 「現在、指定校推薦を受けられる生徒はルミエールに限られています。コース制導入前は、魅力のある推薦枠が多いため、力のある生徒が推薦に流れてしまうケースが見られました。しかし、コース分けをしてからは、ソフィアコースの生徒は国公立を目指して初志貫徹してがんばるようになり、これに刺激されてルミエールでも国公立を目指したり、よりレベルの高い私大へ挑戦する生徒が増えました。昨年から週6日制にしたこともあり、生徒の勉強に対する意欲の高まりを私も実感しています。今後、更に伸びていくと思います」

 学校改革に関しては、創立者の名前を冠した「リヴィエプロジェクト検討委員会」を発足させた。生徒の主体性、積極性を引き出すためにどんな改革を行っていくか、具体的なプランを練っている最中だ。同時に校舎や設備等の整備、改修も行う予定である。

誰もが共生できる社会を目指す
本物のグローバル教育を

 英語教育では定評のある賢明だが、中1から「スプリット授業」というクラスを二分割しての少人数授業を行っている。中1の終りにはスキットコンテスト(英語劇)を実施。中2、中3になると英数は習熟度別授業となる。語学研修プログラムも用意されており、希望者はニュージーランド(中学)、カナダ(高校)へ15日間の短期留学が可能だ。また、1年間の長期留学支援も行っている。

 「昨今、グローバル教育が声高に言われていますが、その前にまず、自分というものをちゃんと持っていないと難しい。世界に目を向けると、グローバル社会は少数の勝ち組が利益を独占する状態になってしまっています。取り残された人々に寄り添う、そして共生社会をつくっていくのが、本物のグローバル社会だと思う。英語や国際学習も、すべてその精神で行っていきたいと考えています」

 少子化の影響で昨今は共学化をする女子校も少なくないが、女子校としての伝統はしっかり守っていく方針だ。

 「男女は身体的にも違うし、成長していく過程も異なります。ですので、男女別学の方が効率的な授業ができるし、女子の持っている様々な能力をさらに伸ばすこともできます。経営面を考えて共学化する学校も多いですが、本校は女性の特質を生かした学習を行い、社会に貢献できる人間になってほしいと考えています」

 2013年には、22年ぶりに高校入試を再開した。高校から入学する生徒をケアするサポート隊を結成し、支援を行っている。穏やかな校風のせいか、生徒は人なつこく、分け隔てなくすぐに打ち解けるという。卒業生との交流も盛んで、校内には同窓会専用の部屋も備わっている。

 「例えば、すでに80歳になった第2回の卒業生のみなさんが、今でも2カ月に1度は同窓会室に集まって、楽しい時間を過ごしておられます。いつまでも絆がつながっているのも、私立女子校の良さかもしれません。賢明生はとても母校愛が強いです」

 取材の後、広報部の先生に校内を案内していただいた。教室、聖堂、図書館、食堂と、カトリックの女子校らしい清潔で手入れの届いた校舎を歩いていくと、校庭に巨大な石垣が現れた。聞けば、姫路城の遺構だという。じつは城の中堀の中に建てられた歴史的にも大変貴重な学校であった。

 「授業参観の折に校内を見学されて『これはすごい!』と驚かれる保護者の方も多いんです。歴史がお好きな人にはたまらないそうです」。校舎の3階へ上がると、目の前に天守閣がそびえている。まさに特等席といったポジションだ。古きを守りながら、新しきを作っていく賢明の教育方針。次のステップが楽しみである。

 
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