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中学・高校受験:学びネット

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四條畷学園中学校

 
  一人ひとりを見守り
自主性を育む伝統の教育方針
四條畷学園中学校は1947年の設立当初より、生徒一人ひとりの個性を尊重し、自主性を育てる教育を展開している。グループワークや生徒が企画する社会見学など、アクティブラーニングを先駆けた取り組みに力を入れ、長年にわたり経験を積み上げてきた。2010年には、中学教育の伝統を基盤に6年一貫コースを開設。社会で活躍できる「実現力」を育む先進的な教育プログラムを実践している。今年3月には第1期生が卒業。次のステップへと歩を進めた。

校 長: 仲尾 信一(中学校)
住 所: 〒574-0001 大阪府大東市学園町6-45
電 話: 072-876-2120
交 通: JR学研都市線「四条畷」駅東出口から徒歩1分/京阪・近鉄バス「四条畷」停留所から徒歩1分
学生数: 585名 (2016.11.1現在)
ホームページ: http://www.shijonawate-gakuen.ac.jp/

 

世の中の仕組みを学ぶ社会見学

 幼稚園から大学までを擁する四條畷学園は今年創立90周年を迎えた。

 中学校の平野養一企画部長は、「創立時から実践してきた『個性の尊重』や『実行から学べ』という教育方針をこれからも大切にしていきたい」と話す。

 中学校は現在、進路希望に応じて3年コースと6年一貫コースを設置している。全コースに共通しているのは、自主性を育む取り組みであり、多彩な学校行事である。文化祭や体育会、どの行事においても、「自分たちで考えて実行する習慣」が定着している。

 例えば、中学2年の社会見学は、生徒が企画し運営する。クラスごとにテーマを決め、訪問先にアポをとりスケジューリングする。

 当日は、集合場所も時間もバラバラ。あるクラスは、障害を持つ人にも使いやすい文房具を勉強するために事務用品メーカーを訪問し、別のクラスは税関でグローバル化時代の水際対策について調べる。いずれも世の中の仕組みを学べる場所だ。社会見学後は、発表会が待っている。

 平野企画部長は、「クラスで意見がまとまるまで、時間も手間もかかります。それでも、自分たちでやり切ることが成長への近道です」と自信をもって言い切る。

英語を楽しく学ぶ生徒参加型のRC授業

 国際教育も全コースで力を入れている教育活動のひとつだ。中学1・2年生の英語は週5時間の通常授業の他に週2時間、クラスを2分割した少人数体制で、ネイティブ教師と日本人教師のチームティーチングによる「RC(Reading & Communication)授業」が行われる。これは英語オンリーの参加型授業。間違えても構わない。発言するとポイントがつくので、生徒たちは次々と挙手する。

 6年一貫コース担当で英語担当の小椋伴厚教諭は、「当ててもらおうと‘Me,me!’と盛んにアピールします」と笑顔で話す。

 この授業で英語に興味を持ち、英検にチャレンジする生徒も多い。昨年度は準2級に25人、2級に6人が合格した。

 3年前に3年コースを卒業した女子生徒は、立命館宇治高校から今年、ボストンの名門・ノースイースタン大学に進学した。中学で英語の楽しさを知ったという。

 中学2年の夏に実施する2週間のニュージーランド研修は、現地の学校と姉妹校提携を結んだ20年前から継続している。互いに訪問し合い交流を深めてきた。今年は27人が参加し、姉妹校で授業を受けた。

 生徒を引率した平野企画部長は、「RC授業で身に付いた英語発信力を発揮して、積極的に発言していました」と満足げだ。

生徒のやる気を引き出す個別対応

 3年コースには、有名公立・私立高校をめざす英数コースと、難関国公立・私立高校進学を目標とする英数発展コースが設置されている。3年生の外部模試で、英数コースの偏差値平均は60、英数発展コースは70に届くときもあるという。合格実績も、公立は北野、天王寺、大手前、私立では西大和学園、洛南、奈良学園、奈良帝塚山と、難関校が名を連ねる。

 しかし、知・徳・体のバランスのとれた教育を進める同校に、「勉強一辺倒」のイメージはない。全コースとも、毎月のように学校行事があり、生徒の9割以上はクラブに加入している。

 平野企画部長は、「担任が面談を繰り返しています」と説明する。

 全コースで実施している「日直面談」は、何十年も前から行われてきた。これは、毎日の日直当番と担任が個別面談するというもの。クラスやクラブの人間関係や進路について話し合い、生徒の状況を把握する。3年生になると、さらに面談の回数は増える。「学力だけで輪切りにするのではなく、『いつも見てるよ』というメッセージを送り、自信を持たせ、やる気に繋げています」

 同校の卒業生が、「学校が楽しかった」と振り返るとき、「どの先生にも話ができて、どの先生も自分のことを覚えてくれている」という。保護者からも「学園のいいところは一人ひとりに個別対応してくれるところ」という声が寄せられている。

 今年1月、うれしい知らせが飛び込んできた。中学3年間、陸上部で部活に励み、大手前高校に進学した男子生徒が、「京大医学部特色入試」に現役合格したのだ。定員5名だが、合格したのは彼1人。TOEFLなど高い基準をクリアした者だけが受験できる超難関の試験である。

 平野企画部長は、「行事もクラブも頑張る。彼のようなバランスのとれた生徒を育てていきたい」と力を込める。

節目の年に教育プログラムを進化

 6年一貫コースは、自分の夢や目標を実現させる力を備え、激動する社会で活躍できる人材の育成をめざす。そのために、人間力と学力を高める独自の教育プログラム「自分プロジェクト」を実施している。チームや個人で、調べる・まとめる・発表することが日常的に行われ、段階を踏んで課題の難度が上がる。例えば中学1年では、「最強のお弁当をつくる」というテーマに取り組み、模型をつくる。

 小椋教諭は、「『最強』という言葉をどうとらえるかによって、とんでもないお弁当が登場します」と楽しそうだ。

 高校1年では学校のHPのコンテンツを制作。高校2年になると、大塚製薬やパナソニックなどの大企業から与えられた課題をチームで協力して解決する。

 「生徒は課題をクリアするごとに力と自信をつけていきます」と小椋教諭。

 今年3月、1期生22人が卒業した。進路は実に多様だ。国公立や関関同立系への進学はもちろんだが、芸術系大学に進学した者、薬科大学に合格したものの医師を目指して浪人する者。それぞれが自分の将来をしっかり見つめている。

 平野企画部長は、「プログラム内容を凝縮し、人数を絞って一人ひとりをしっかり指導していきます」と話す。

 四條畷学園創立から19年遅れてスタートした中学校は、来年70周年を迎える。節目の年にスタートする新たな「自分プロジェクト」への期待は高い。

 
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